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ボーっと報道してんじゃねえよ

今春始まったNHKの番組「チコちゃんに叱られる!」内のフレーズ「ボーっと生きてんじゃねえよ!」が、今年の流行語の1つになった。
しかしここでは、NHKに対して「ボーっと報道してんじゃねえよ!」と言わせてもらう。内容としては以前の記事の繰り返しです。

以前から再三述べている、秋田公立美術大学附属高等学院の伝えかたである。
この学校は、中学校卒業者が入学し、3年間で卒業する。卒業者には大学受験資格が与えられる。
だから、高等学校(高校)かと錯覚してしまうが、高校ではなく「専修学校(の高等課程)」。カリキュラムが高校より専門的。
高等学校と専修学校は、法律上違う学校なので、卒業しても高卒にはならない。(上記の通り大学受験資格は与えられるのでややこしいし、学校名が「高等学院」なのも早とちりを助長しそう)

実際のところ、美大附属を「高校」と言ってしまっても、大きな問題にはならない。卒業者の多くは大学など上位の学校へ進学しているそうなので、将来、高卒かどうかが問われる場面は少ないはず。「高校授業料無償化」も、正式には「高等学校等」であって、専修学校高等課程も対象になっている。
しかし、一部大学の推薦入学試験では対象外とされているそうだし、就職先での待遇や何らかの資格試験の受験等の際に、高卒者と区別されてしまうことがないとは言い切れず、勘違いして無駄な労力や費用を費やしてしまうことがないとは言い切れない。

さらに、仮に学校側が自ら「附属高等学校」と称したら、問題になる。※あくまで仮の話です。
学校教育法では、高等学校(やその他同法第一条に定める学校。以下同)でない学校は、その呼称を用いてはならず、違反した場合は10万円以下の罰金が科せられる。
※現状ではホームページで専修学校と高校の違いを説明するなどしており、美大附属ではまったく問題はない。あくまで仮の話です。
部外者が正しくない呼称を使っても、それは単なる言い間違いということで規制はない。でもマスコミがそうしたら、影響力というものがあるわけで…


それなのに、NHK秋田放送局は美大附属高等学院を指して「高校」と呼ぶ。
指摘されていっとき直ることもあるが、その後また。繰り返し繰り返し。
しかも、NHKの以外の各マスコミでは、そのような事例はさほどない(後述)。NHKだけが突出して何度も。

今年2月のニュースでは「高校」だったので、東京のNHK本部へ指摘した。以前から繰り返し間違っていて、それを指摘済みであることも含めて。
それが効いたのか、8月29日のニュースに取り上げられた時は、「秋田市専修学校秋田公立美術大学附属高等学院」などと、「高校」が一切出てこない適切な内容。
ところが、12月22日にはまた。
NHKサイトより

さらに今回は秋田朝日放送(AAB)も。
AABサイトより
【25日追記】AABは学校名も「~高校」にしてしまっている。

問い合わせたわけではないが、NHK(とAAB)では「一般視聴者に『専修学校』では分かりづらいので、年齢が同じで理解してもらいやすい『高校』に置き換えている」と釈明するかもしれない。
だが、そうだとすれば、余計なお世話というか不適切な言い換えだ。上記の通り、法律で区別された別物なのだから。
その理屈なら、NHKが主催する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(通称・高専ロボコン)」だって、「高校と(短期)大学」に置き換えてやらないといけなくなるのでは?


また、こんな初歩的なことで表現間違いあるいは事実誤認をしているのなら、NHKの記者の能力・プロ意識が問われる。
秋田放送局にいる記者は、やがて東京や海外支局に配属されることもあるだろう。そこで扱う政治経済、国際などの分野では、このレベルの些細な間違いでも、世の中を混乱させたり、(揚げ足を取られて)国際問題に発展したりする場合だってあるのではないか。
分かりやすい表現に改めることがいい場合はあるが、これはそうではない。聞き慣れて耳障りはいいかもしれないが、間違った表現なのだ。わざと正しくない表現を使って、誤解を招くことはするべきではない。

本件は、勘違いや確認不十分に起因するものなのか、あるいは意識しながら意図的にそうしているのか分からない。
前者なら単に「ボーっと仕事している」ことになり、後者では些細なことだけどミスリードしている。
マスコミ、特に受信料で運営されるNHKならば、どちらであっても許されないだろう。正しく伝えることは基本のはず。


NHKの記者に「美大附属高等学院って高校じゃないの?」と聞いたら、この調子ではきっと正しく答えられない。
チコちゃんのナレーションのフレーズを拝借。
「今こそ日本放送協会に問います。そんなことも知らずに、やれ紅白歌合戦だとか、受信料の微々たる値下げだとか、年末年始の県域ニュース全休などと浮かれている場合なのか」
ぜひともチコちゃんに「ボーっと生きて(受信料を使って仕事して)んじゃねえよ!」と叱ってほしいものである。



まあ、他の秋田の人たちも、さらに学校側(高等学院、大学、秋田市)も、このことは気にかけてはいなさそう。
「診療所(医院・クリニック)」も含めて医療機関を全部「病院」と呼んでしまうような、厳密には正しくないけれど、よくある無意識の誤用みたいにとらえられてしまっているのかな。

来年2月には、毎年恒例の作品展のことが報道されるだろう。その時はどうなっているか。
【2019年2月8日追記】いただいたコメントの通り、2019年2月の作品展では、NHKは再び正しくなった。そして、今度はAKTが、学校名は正式ながら「高校生」「高校生活」という表現を使ってしまった。
【2019年11月29日追記】2019年11月28日には、県立栗田支援学校と附属高等学院が交流した話題が報道。NHK秋田では「美術を専門に学ぶ生徒」「高等学院の生徒」と間違っていない言い回し。学校名も正式だが「専修学校」との言及はなし。
そして、AKTは学校名は正しいものの、またも「高校生」としてしまっていた。

【2020年9月1日追記】2020年8月27日朝、新屋駅から大学まで続く遊歩道において、登校途中の美大附属高等学院の生徒11名(と居合わせた大人1名)がハチに刺される騒ぎがあった。その報道を確認した限り、すべてが校名を正しく伝えていた。
NHKは冒頭では「秋田市郊外」で「専修学校の生徒」と表示したり言ったりしていて、どこの山奥かと思ってしまったけど。
秋田テレビは、現地の映像、騒動を受けて秋田市から委託された駆除業者の作業風景なども伝えたが、学校名は出さず「通学中の学生11人」「学校の保健室で手当てを受けたあと、市内の病院に搬送」と表現。11人以外には触れていない。
それ以外では、学校名のほか、学校種の「専修学校」も正しく伝えていた。これはおそらく、現場に警察が出動していたので、その発表に素直に従って報道したためだろう。
なお、在学生のことをNHKや魁など多くが「生徒」、秋田テレビは「学生」としている。小中高大学では、児童生徒学生の区別は(少なくとも公式には)比較的統一されているが、専修学校などそれ以外ではまちまちの傾向。美大附属の公式ホームページに「生徒募集」などの表記があるので、この場合は「生徒」が妥当のようだ。

【2021年2月9日追記】2021年2月の卒業制作展の報道。NHK秋田は「美術など学ぶ専修学校生の展示会」「美術やデザインを学ぶ専修学校」と問題なし。日曜日だったので仙台放送局発で東北6県にも放送された。
【2025年2月8日追記】2025年のNHK秋田は「美術を専門的に学んでいる秋田公立美術大学附属高等学院の生徒たちが取り組んだ作品を紹介する展示会」と問題なし。
【2025年2月23日追記】2025年2月18日には、附属高等学院をフィンランド職業訓練学校の学生が訪問し、交流した。
NHK秋田は「秋田で美術学ぶ生徒 フィンランドの学生たちと交流 秋田」「フィンランドの学生たちが秋田市専修学校を訪れ」と報道、ほかに秋田テレビも報道し問題点はなかった。

【2026年2月6日追記】2026年2月の卒業制作展は、NHK秋田(美術を専門的に学ぶ、秋田公立美術大学附属高等学院の生徒による作品展)と秋田朝日放送で問題なし。