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添川にも円筒分水

農業用水を正確に分配する設備「円筒分水(円形分水、円筒分水工)」。
だいぶ前にテレビ番組で知り、地図を見ていて秋田市外旭川にも存在することを発見し、何度か見に行った弘前市石川にもある。

先日、当ブログを見て福島から外旭川を訪れた方から、コメントをいただいた。
まず、そもそも外旭川のアレがほんとうに円筒分水かどうか、自信がなかったが、円筒分水との確証を得たのにひと安心。
そして、さらにありがたく驚くべき情報がもたらされた。管轄する秋田市旭川筋土地改良区にも問い合わせたそうで、秋田市内にはもう1つ円筒分水があるとのことだった!

それは秋田市添川。旭川秋田自動車道がまたぐ付近。秋田温泉の少し上流。
外旭川の円筒分水からは直線で東北東へ2キロ(間で旭川を越える【25日補足・さらに平和公園・天徳寺の山もある】)。秋田駅からは北北東へ4キロ、道のりでは5キロ。
実は、外旭川の円筒分水を見つけた時、他にもあるのではと思って探してみたのだが、見つけられなかった。理由は2つ。1つは、この円筒分水がGoogleマップなどには掲載されているものの、国土地理院地理院地図にはなぜか載っていなかったこと(外旭川のは載っているのに)。もう1つは、こんな川の近くに円筒分水があるとは思わなかったこと。

市街地から見ると、位置的には外旭川よりも少々“奥”だけど、住宅地が途切れて間もない辺り。秋田市中央部からの県道15号やサイクリングロード(これも県道らしい)が通り、しかも本数の多いバス停の近くで、外旭川と同等かそれ以上に訪れやすい円筒分水だ。
最寄りバス停は「添川」。
秋田駅西口からの路線バスは、秋田温泉線(終点は温泉より先の「蓬田上丁」なので)、仁別リゾート公園線(秋田温泉線と同ルートで、さらに山を登る)、さらに添川線(通町・天徳寺前経由蓬田上丁行き)が通る。
添川線は本数が少なく、遠回りなので駅からの運賃は高い。

県道を走る秋田温泉・仁別線に乗ると、(河川としての)旭川と低い山にはさまれた、(地名としての)旭川地区の住宅地が途切れ始めたところで、添川橋で旭川を渡る。その先が、左側からの道が県道に突き当たる丁字路。天徳寺経由添川線は、その道を走ってきて、ここで合流する。
合流して最初のバス停が「添川」。
添川バス停で下車。向こうの高架が秋田道
降りて、バスが来た方向に戻って添川橋を渡って、道路向かい(橋の歩道は下流側しかないが、対岸には横断歩道がないのでどっちもどっち。歩行・横断に注意!)・上流方向の川沿いの道へ。
川はカーブして、木が茂っているので、上流方向は見通せない。
岸に家が立ち並び、奥には太平山
川沿いの道はすぐに家並みが途切れ、老人福祉施設などがあり、さらに緑の中へ入り、秋田道をくぐる。
秋田道の下。先に四角い建物ととんがり屋根
地図では川岸の道が途切れているように描かれるが、未舗装になるもののちゃんとした道が続いて制止するものもなく、歩く分には問題ない【25日追記・今回は円筒分水で引き返したので、そこより先の道がどうなっているかは不明】。川のせせらぎが大きく聞こえる。

バス停から600メートルほど、地図にも載っている「鯉養殖共同利用施設」という箱型の建物が見えてくると、とんがり屋根の「添川頭首工」もある。

添川頭首工の存在はなんとなく知っていた。おそらく外旭川の円筒分水の水の供給元である「穴堰」の水も取り入れている。それだけでなく、穴堰の対岸であるこちら側にも取りこまれるようだ。
頭首工前で来た道を振り返る。中央の箱が養殖施設、そして左に…

円筒分水!
9月中旬は稲刈り間近で水の必要量が少なく、残念ながら水は通っていなかった。
上の写真手前が川(頭首工)側、奥にも水路が続いてトンネルになっている。

近くに大きな石碑があった。円筒分水が描かれない地理院地図でも、記念碑の地図記号は表示されている。碑文は昭和33(1958)年4月11日付で、1955年6月の豪雨により、ここを水源とする穴堰と手形堰が壊滅的な被害を受け、その再整備を記念したもの。
円筒分水もその時にできたのだろうか。ちょうど60年前。
で、ここから流れ出るのは「手形堰」のようだ。方角的に適切な名称。

円筒分水の周りはきれいに草が刈られており、外旭川のよりもしっかりとした柵で囲われている。柵の外なら、近づいても問題なさそう。
反対側から添川の円筒分水
サイズは外旭川のより大きく、弘前市石川のより少し小さいかな。
外旭川の円筒分水は、円の壁に穴が空いていた。この円筒分水にはそのような穴がなく、おそらく石川のと同じ方式。中央部から外側に向かって、コケが生えている斜面を水が流れ落ちるのだろう。


円筒分水は、水が限られた土地で、無駄なく公平に分配するためのものと認識していた。
だけど、ここは小さくない川のすぐ近く。水は取り放題(ではないでしょうけど、不自由しない程度)なのでは?

この円筒分水で分けられる水の一部は、どうも旭川へ戻されるらしい。
つまり、川から取ることのできる水の量が定められていて、それを守るために、取りすぎた分を川に返すための円筒分水のようだ。こういう目的の円筒分水もあるのか。

川に返されなかった水は、手形堰に入って旭川地区を下って手形山のふもとを潤すのだろう。
地図をたどれば、秋田大学手形キャンパス裏手の水路はここと直結している(それが手形堰?)。また、それ以外の手形地区あるいは広面辺りの用水路にも、ここの水が流れているのかもしれない。今は田んぼなどなくなってしまったけれど。
水が流れているところもぜひ見たい

※訪問時は事故にはご注意ください。この辺りもクマが出没する可能性があるはずで、しかも川の水音がして、ヒトもクマも互いに気づきにくいと思われます。出没情報をチェックして、クマがよく活動する早朝・夕方は避けるなどしたほうがいいでしょう。