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給食の鯖の味噌煮

よその街の学校給食について。意外で興味かったこと。

2025年7月の参議院議員選挙時に、岩手県北上市明るい選挙推進協議会・北上市選挙管理委員会が「【期日前投票所限定企画】「親子で投票所にいこう!キャンペーン」」を実施した。
大人の期日前投票に付いてきた小学校児童に模擬投票させるもので、期日前投票率向上と、子どもに選挙に興味を持たせる狙いがあったようだ。

模擬投票は677人が行い、市内児童総数を分母とした“投票率”は15.52%。
その親世代の参院選投票率は、過去や今回の多世代【23日訂正】他世代と比べて、大きく向上したとのこと。

 

ここで話題にするのは、模擬投票の題材とその結果。
「“給食の主菜(おかず)”模擬選挙!」と銘打たれており、給食に出してほしいおかずを投票し、1位になったものが、実際に学校給食で提供される。

“立候補者”は3つ。顔ぶれは、
1.からあげ ※鶏のからあげということらしい。
2.さばの味噌煮
3.エビフライ
なお、投票所の報道写真を見ると、それぞれのイラストを貼り付けた投票箱が3つ並べて置いてある。つまり、投票用紙に記入させず、入れる箱を分けて、記入や仕分けの手間を省いたのだろう。“秘密投票”の原則は守られていないけれど。

3つの候補は、事業に北上市学校給食センターが協力しているので、材料調達やコストを踏まえて選んだと思われる。また、定番であろう「カレー」がないのは、カレーは主菜でなく汁物のカテゴリーに属するためかと思われる。
3つどれもイヤだとか、候補にないあのおかずでないとダメという子もいそうだが、実際の選挙でも、ベストでなくベターを選ばなければならないことは多い。

さて、結果は…
“当選”は、からあげ。362票、絶対得票率53.5%。

では、“次点”以下は…
さばの味噌煮 172票
エビフライ 143票
でした。


以下、いろいろと。
からあげは、実際に給食で出たそうだが、どんなものだったか。
北上市では自校調理の学校はなく、南部、北部、西部の3つの学校給食センターで、市内の小学校、中学校、それに幼稚園、県立支援学校分を調理している。
各センターの献立表がネットで公開されていた。献立表のフォーマットは共通で、同じ日には3センターとも基本は同じ献立なのだが、センターごとに微妙に異なる(後述)。

上から南部、北部、西部

9月10日にからあげが出た。「のだ塩唐揚げ」の名で、岩手県産鶏肉と野田塩使用。
学校種を問わず同じメニューなので、“選挙権”がなかった中学校や支援学校中学部にも提供されたことになるが、幼稚園は給食がない日だったようだ。

しかも、同日にはカレーも出ている(南部と北部は「ポークカレー」、西部は「北上四匠豚カレー」)。「からあげカレー」にもできそうな、豪華メニューじゃないか。
また、今年、福岡市の学校給食で、おかずが「唐揚げ1個だけ」の写真がSNSで拡散されて問題になった。実際には、2個分ほどの大きさだったそうだが。北上市ののだ塩唐揚げが何個だったかは分からないが、肉入りカレーもあると、栄養的には問題ないでしょう。

これが投票の結果であることを、献立表でどう示したのかも、センターごとに違う。「こんだて名」欄は、南部は「★希望献立1位・おかず模擬選挙1位メニュー★」、北部は「黒沢尻北小学校・飯豊小学校希望献立」、西部は「希望献立」。南部と西部でも、北部の2小学校の希望ということなのだろうか?(一部後述)
「一口メモ」欄では、南部と北部が模擬選挙に触れている。西部では、枠外下にからあげが1位だった旨のみ掲載し、10日に出される旨は未記載。
これを踏まえると、模擬選挙の結果とともに、別に集計した「希望献立」も反映された献立なのか。


ところで、9月1日の献立。


南部は「さばのみそ煮」、北部は「鯖の味噌煮」、西部は「鯖のみそ煮(絵入り)」
表記揺れの典型だが、選挙で次点だったサバ味噌が出てるじゃないか。なんか小選挙区で落選した候補者が、比例代表で復活当選したみたいな。エビフライは復活当選しなかったようだ。

また、西部センターの献立表の下部には「希望献立☆ランキング」が掲載。
北上市内の小中学校を対象に実施した希望献立のランキングを紹介します。」だそうで、部門ごとの1位は、汁物・カレー、副菜・かりぽり和え、デザート・レモンソーダゼリー。結局、9月10日の希望献立と一致している。2小学校以外でも、傾向は同じということか。

そして主菜部門。


1位 のだ塩唐揚げ、2位 さばのみそ煮、3位 鶏肉の照焼き。


模擬選挙の結果に戻るが、僅差ながら、さばの味噌煮がエビフライを抜いたのが意外だった。さらに、上記、希望献立ランキングでも、堂々の2位。
「(給食に限らない)子どもの好きなおかずランキング」みたいなのでは、ハンバーグやカレーには及ばないが、エビフライは入りそうな気がしていたし、さばの味噌煮がランクインすることはないだろうし…

サバ味噌は、食べやすい魚料理ではあるけれど、そんなに子どもに人気なのだろうか。あるいは、北上市のさばのみそ煮が、特別においしいのだろうか。


40年ほど前、昭和末~平成初期の秋田市の学校給食を振り返れば(2012年1月22日の記事など)、からあげやエビフライは、あまり出た記憶がない。「ホキの天ぷら」はよく出たけれど。揚げ物の提供が技術的に難しかったのかもしれない。
サバ味噌も出た記憶はないが、「サバ照ホイル巻き」はよく出た。サバと味噌をアルミホイルで包んだ蒸し焼きのようなもので、まずくはなかった。


最後に、実は「給食、さばのみそ煮」といわれて思い浮かぶのが、「ちびまる子ちゃん」のはまじである。
初期作の「お楽しみ給食会」の巻。アニメーションでは、1991年10月20日放送・93話。

まる子たちの小学校(なのか清水市なのか)では「お楽しみ給食会」がある。毎月1回、割り当てられたクラスが、好きな献立を考え、それが全校で提供されるもの。北上市の希望献立に近いものだろう。なお、舞台である静岡市立入江小学校【10日訂正・静岡市立清水入江小学校。2023年1月15日の記事】は、現在でも単独調理校で、まる子当時もそうだったはず。
別に会食するわけではなく、通常の給食スタイルで食べるから、「会」は要らないと思うし、作中では会を抜いた「お楽しみ給食」のセリフも多い。
アニメの献立表では、当日の献立欄には「おたのしみ」とだけ記され、考案したクラス以外では、メニューが明かされない形。だから「お楽しみ給食」なのか。

それが、まる子たち3年4組に回ってきて、帰りの会で議論するシーンを中心に話が進む。
前日に、まる子が自宅で、妄想したり家族に意見を求めたりする場面があり、先月はカツカレーが出たとのこと。その10年ほど後の秋田市では、出たことがなかった。
一方、(おかゆや五目茶漬けとともに)すき焼きはどうかと友蔵じいさんが言ったのには、まる子はそんな給食はあり得ないといった対応(すき焼きについては明確に出ないとは言わない)。10年後の秋田市では出ていた。すき焼きっぽい煮物というべきものだったかもしれないが。

そして、話し合いの場面。
児童たちが希望するメインのおかずを挙げる時、はまじが「さばのみそ煮」を挙げる。「オレは好きだぜ」と。
しかし、他の児童たちに「趣味悪い」などさんざん文句を言われてしまい、多数決の候補にすらしてもらえない。(さらに「塩もみ野菜」を出して、さらに「最低」などと批判される。)
1974年度の清水市のお話だが、50年後の北上市では、それと正反対になった。世の中、変わるものだ。

ちなみに、多数決の候補となった献立(それを挙げた児童)のは、
ヤキソバ(まる子)、スブタ(花輪)、クリームシチュー(伊藤由美子=初期の準レギュラーで今はいない)、からあげ(関口)。
花輪くんは、フジテレビ系では古畑任三郎と並ぶ酢豚好きか? 僕も好きです。(2010年1月12日の記事

挙手による多数決の結果は、
ヤキソバ 12、クリームシチュー 12、スブタ 8、からあげ 7。
はまじは焼きそばに転向。
じゃんけんで焼きそばに決まるのだが、主食は揚げパンがいいとなって、揚げパンなら焼きそばよりシチューでしょうと、覆ってクリームシチューに決まる。【10日補足・昔の秋田市では揚げパンは出なかった。焼きそば、クリームシチューは定番、酢豚もパイン入りで出た。】

 

【10日追記】さくらももこ先生と近い時期に、入江小学校に通っていたかたから、コメントをいただいた。実際にお楽しみ給食は存在したものの、児童が献立を考えるものではなかったと思うとのこと。栄養の偏りやコストの問題もあるでしょうしね。

 

【12月21日追記】2025年12月14日放送 1510話 「まる子、おいしい朝ごはんを食べたい(脚本 平岡秀章)」より。
学校給食のシーンがある。児童(小杉を除く)には不人気な献立の日ということなのだが、お楽しみ給食会の話とは、やや矛盾。
主菜は酢豚。肉が小さくピーマンが多くて、まる子いわく「酢豚というより“酢ピーマン”って感じだよ」。花輪くんは登場せず。
副菜は塩もみ野菜。たまえは「塩もみ野菜も、あんまり人気ないよね」と話し、まる子も同調。さらにはまじが、「いつもなら余った分を小杉と取り合いになるけど、今日はいいかな」と発言。
他に牛乳、コッペパン、プリン。