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秋大病院の食事

久々の秋田大学医学部附属病院入院シリーズ(記事一覧)。萩原牛乳については取り上げていたが、病院食・病院給食全般について。
※2023年末~2024年にかけての状況です。勘違いや、現時点では異なる点、病状等による違いがあり得ます。

 

初めて入院する前、入院を経験した人たちの病院給食の感想を漠然と見聞きしていたが、二分されていた。
「入院生活の唯一の楽しみが食事だった」と「病院の食事は、味がなく(味が薄く)てまずい。食べられたものじゃない」。日頃の食生活と、これまでの嗜好にもよるだろうが。

実際に経験した感想は前者だった。
たしかに薄めの味かもしれないし、こってりしたメニューは少ない。まれに食べ慣れない料理や味付けのことはあった。でも、バリエーションは豊富で、充分おいしかった。
体調が悪かった時を経て、入院して食べながら回復していく中で、ほんとうに食事が楽しみだった。
また、入院患者の中には、病気やその治療の影響により、食べたくても食べられない、あるいは後述のように食事内容を制限される人も少なくない。同室でそういう人たちにも接し、普通に、おいしく食べられることは、とてもありがたいと痛感した。


繰り返しになるが、秋大病院の給食は、介護・病院給食最大手の日清医療食品株式会社に委託している。同社は、リネンや入院用品レンタルのワタキューセイモア株式会社の関連会社で、過去も含めて日清食品グループとは無関係。

病院には「栄養管理部」があり、食事に関する告知は日清医療食品と連名のこともある。各入院患者には担当栄養士も付くが、僕は書類のお名前だけで、1度も接することがなかった。【27日追記・医師や看護師と食事について話す機会はあった。患者の意向も聞いてくれるので、要望や不満があれば、話したほうがいいだろう。】
病院ホームページによれば、栄養管理部に栄養士(いずれも管理栄養士)は7名しかいないようなので、特に問題がない患者では、そういうものなのだろう。食事の献立も、病院の栄養士がイチから考えるわけでなく、日清医療食品に任せる部分も多いと思われる。
なお、2025年春の人事異動では、弘前大学医学部附属病院から秋大病院へ、栄養士が1名異動していたはず。大学の事務職員は、秋田工業高等専門学校岩手大学弘前大学など、あるいは文部科学省本省との間で、人事交流的な異動はたまにあるが、附属病院職員の異動は珍しいのではないだろうか。

 

どこの病院でも、患者の食事は治療の一環として、個々の病状などに合わせて提供される。
アレルギー、塩分やカロリー等の制限がある人、咀嚼や飲みこみがしづらい人等々。ごはんをおかゆ(後述)に変えることや、前回触れたが、牛乳が苦手な人は希望によりヨーグルトや豆乳に差し替えてくれるようなものもあり、バリエーションは無数に近く、オーダーメイドに近いかもしれない。診療科が多く、患者数が多い総合病院では、1度の食事で、多種多様な献立が提供されていることになる。
しかも、検査前や手術前後だけ食事内容が制限される場合もあるし、患者の希望もしくは医師の指示で突発的に変更が入っても、かなり迅速に対応していた。間違ったら命に関わることもあるから、調理の現場はなかなか大変そう。

 

一部過去と重複するが、食事の流れ。
時刻は朝食7時30分、昼食12時00分、夕食18時00分。
ただし、人員やエレベーターの都合だろう、調理場から各病棟に食事が届く順番が決まっているようで、病棟ごとに時間が、いつも同じように5~10分程度前後した。
僕は2つの病棟に入院したが、片方の病棟はいつも遅め。もう一方はいつも早く、「笑点」で大喜利をまだやっている時に配膳された時があった。

各病棟には「デイルーム」という患者が自由に使える部屋があり、病院によっては、移動できる患者はそこへ行ってみんなで食べるところもあるとか。
入院時は、新型コロナウイルス感染症が終息していなかったこともあるし、秋大病院の場合は、そもそもデイルームの収容人数が少なそうなので、それはできなそう。
各病床(ベッド)内で食べることになる。

調理場から廊下までは、保温機能・電動アシスト付きの配膳車【26日補足・扉付き手押しワゴン】に、1人分ずつお盆(トレイ)に乗った状態でやってくる。エレベーターに近い部屋から順に配られるので、奥の部屋ではきゅるきゅるという、配膳車の走行音が待ち遠しい。
看護師【10月3日追記・または看護助手】(まれに日清医療食品スタッフ)数人が手分けして、ベッドまで運んでくれる。
なお、この時の看護師は、当日の担当患者や所属チームに関わらず、手当たり次第に次々に配膳する。だから、緊急でない用事を頼んだり、ましてや雑談をして引き止めるなどしないように。

 

ところで、病床のどこで食事をするか。
これまでテレビドラマなどで見てきた影響もあるのか、ベッドから起き上がって座った状態で、キャスター付きの横長のテーブル(オーバーベッドテーブル)で食べるものだと思っていた。ふわふわしたマットレスがどこか不安定で、掛け布団(毛布)が邪魔な気はしたし、女性などは座りかたも気になりそうだけど。実際、(検査のため)配膳時に部屋を離れていても、そのテーブルに置いてくれていた。
しかし、そうでない患者もいた。
ベッドの横に、床頭台(しょうとうだい)という、物入れ、引き出し、冷蔵庫、テレビなどが一体化した物体があり、引き出し式のテーブルというか机もある。また、各病床に1脚ずつ、背もたれのない椅子が置かれている。そこを使って食べる患者もいた。配膳の看護師が「こっちに置きますか?」と念押ししていたので、多数派ではないのだろう。
足腰が不調でそのほうが楽だったのかもしれないが、テレビを見ながら食べるにも位置的にそのほうがいい【26日追記・お行儀良さそうでもある】。

 

秋大病院では、箸類は患者が用意、お茶の提供もない。

食べ終わったら、廊下に置かれた回収用ワゴンへ各自持って行く。看護助手が、誰がどのくらい食べたかをチェックしているようで、未回収だとベッドまで来て、持って行ってくれる。

お盆には、横長の短冊状の紙も載って届く。
患者の所属・氏名、「常食1800」といったメニュー区分(後述)、献立内容、栄養成分(エネルギー、蛋白質、脂質、食塩)、アレルギーや刻みなどオプションの内容が記されている。盛り付けと配膳時の確認用なのは想像できる。
配膳後は、お品書きとして患者が取っておいていいのかと思ったら、それも載せて返却しないといけないのだった。上記、看護助手がチェックして、その患者が何割食べたかを、その紙に記入するため。
なお、患者側でも、各自体温とともに何割食べたかを記録させられておいて、食後に担当看護師が確認に来る。だから、短冊のほうは、栄養管理部側で記録しているのだろうか。


基本的なメニューの種類というか区分。
特に制限がない標準的なのが「常食」。
1か月ごとの献立表が、病棟のスタッフステーション(ナースステーション)前に掲示される。
常食の中に、1日の総カロリーによるバリエーションがあり、ごはんやおかずの量が違うようだ。僕は1600kcalの「常食1600」。米飯は1食につき135g。ちなみに、食塩量は1日で7.0g前後。
牛乳は朝のみ。
朝食と昼食は選択式で、主に朝は主食をごはん/パン【27日補足・選択肢Aが米飯、Bがロールパン(=1600kcal食では2個)が基本。A/Bでおかずも異なるが、食材はほぼ共通】から、昼はおかずを肉/魚から選ぶことができる【27日補足・Aが魚、Bが肉のことが多いが、逆転することも少なくない。たまにうどんの時もあり、選択肢が3つになる。A・Bはうどんの具が異なり、たしかCはうどんでないもの?】。たしか月曜(水~金分)と木曜(土~火分)の昼食時に、お盆に選択票が載ってくるので、記入して返却。【27日追記・入院直後、選択リセット時、選択票未提出時、それに後述のおかゆや刻み対応にした時は、強制的にAになる模様。】
ただし、入院直後だと選択が間に合わないし、おかずを刻むようなオプション対応がされると、選択できないことがある。ちなみに、カロリーのみ変更する指定をかけた場合でも、それ以前に選択済みだったメニューがリセットされてしまうそうで、不満たらたらの父さんもいた(看護師を通して口頭で選択し直していた)。

常食とともに献立表が掲示されるのが「5分菜食」とかいうもの。噛んだり飲んだりがしにくくても食べられる、柔らかいおかずで、主食はおかゆ(パンやうどんのことも)。選択はなく、牛乳は朝と昼。


常食でも、オプションの1つとして、主食をおかゆに替えることができる。さらにおかゆでも、全粥、五分粥等バリエーションもある。
僕は入院当初は、全粥にさせられた。何部粥というのは、数字が大きいほど、水分量が少なくなるそうなので(逆だと思っていた)、全粥がいちばん水分が少ないおかゆ。1600kcalでは、1食につき320g。

僕はこれまで、おかゆがあまり好きではなかった。
でも、入院中に何度か食べて、好きになった。牛乳を混ぜて牛乳粥風にする楽しみも見つけた。
秋大病院なのか日清医療食品なのか、そのおかゆは、なんだかおいしく感じた。ただ、同じ全粥のはずなのに、回によって、緩さがまちまちだった気がしなくもない。
ここで記してしまうが、対して通常の米飯は、まずいとは言わないが、そんなにおいしくないと思った。どこ産の何品種かは知らないが、米どころの病院の給食としては。
JA秋田厚生連の各病院では、どんなごはんが出ているのだろうか。

おかゆ食の欠点は、メニューの選択ができないこと。【26日補足・昼食のおかずも、朝食にパンを選ぶこともできない。そのクセ、昼食ではまれにパンが出ることがある。】
カレーライスなんかだと困るのは分かるが、素人目には、食べるのには困らないメニューのほうが多いと思うのだけど。
だから、おかゆから米飯になった時はうれしかった。

【10月6日追記・ロールパンについて】僕が入院した時は、ロールパンが皿に載って蓋がされた状態で配膳された。製造元等を示す情報はなし。しかし、2022年頃時点では、透明な密閉された袋に入って、たけや製パン製である旨のシールが貼られていたとか。

 

献立の具体的な中身も記したいですが、長くなったので改めて