秋田大学医学部附属病院入院シリーズ。※直近の記事は献立について。
今回は、入院中の暇つぶしに欠かせないテレビを中心に。今年度途中から変更されているようだ。
入院患者がテレビを視聴する方法としては、各病棟のデイルームにある大画面アクオス(外来各科の待合にあるのと同型か?)か、各自病床内のテレビ。いずれも地上波(=TBS系は見られない)とBS無料チャンネルが映る。他病院では、院内案内を流すチャンネル(ホテルでもたまにある)を設けているそうだが、秋大病院ではなし。
デイルームのテレビは、譲り合ってみんなで見ましょうということだが、誰も見ていない(電源OFF)ことのほうが多く、見ようと思えばわりと自由に見られる。でも、面会中の人がいることもあるし、少々気は引ける。
好きに気楽に見られるのは、各ベッドのテレビ。以下、大部屋の場合。なお、消灯時間中は使用できない。
まずは、入院していた2024年始の状況。
ベッドサイドにある「床頭台(しょうとうだい)」という、引き出しや小物置きがまとまった什器に、液晶テレビが、角度調整可能なアームで取り付けられている。
床頭台には、コンセント2口(300Wまで)や冷蔵専用の冷蔵庫(扉を開けっ放しにすると「埴生の宿」が鳴る)も内包。床頭台の新旧で微妙な差があるようで、新しいのは消灯中に人感センサーで足元照明が灯るものもあった。
テレビは黒いボディの「CANDELA(カンデラ・メディアテック株式会社 ) AEGIS」。画面サイズは20インチ前後。
イヤホンを使うこととされていて、キャンドゥで売っている、コードが3メートルの「いつものテレビイヤホン」が、各床頭台にセットされていた(もらっていいのだと思う)。テレビステレオ音声対応だが、備え付けイヤホンはモノラル。
テレビと冷蔵庫は有料で、各病棟にある販売機で「テレビカード」を購入する。昔は、コンセント使用も有料だったようなことをどこかで目にした。
テレビカードは、1枚1000円(購入は千円札のみ)の磁気カードで、「1200度数」使用できる。
カード券面には「New Hovicos card HMC」とあり、「株式会社ホスピタルネット」のシステムのようだ。
テレビ視聴は、「1分につき1度数」の説明が床頭台にあったが、販売機前には「1度数につき60秒だったのを58秒に変更します」との掲示があった気がする。
昭和末期には、旅館のテレビ(専門チャンネルでなく、今で言う地上波放送でも)が有料なことが多かった。受像機の横に100円玉を直接投入するタイマー装置があったのだが、100円で1時間が相場だったのでは。
テレビカードは1時間で50円程度相当。妥当な価格ではないだろうか。ケチな僕は、CM中や興味のないコーナーでは止めて、節約したけれど。
床頭台のカード読み取り機(残度数が表示される)にカードを挿入し、テレビの電源を入れると、減算が始まる。テレビに外部入力端子があったかは確認し忘れたが、仮にあって、他の機器を接続した場合でも、同条件で消費されると思われる。
テレビカードとはいうが、冷蔵庫も同じカード。12分につき1度数なので、24時間で120度数(100円程度)。
読み取り機にあるスイッチをONにすれば、冷蔵庫に通電し、減算開始。
退院時にカードに残度数があれば、払い戻しを受けられる。
正面玄関ホール、総合受付向かいの、2階へ行くエレベーターの横に払い戻し機がある。よく分からないが、数十円(手数料?)を差し引かれて、返金される。
New Hovicos cardを使う病院は多いようで、ネットオークションサイトで、使い残しのカードが出品されている。だけど、見た目は同じでも、病院が違うと使えない(規格が違ったり、制限がかけられていたり)可能性がある。
以上、過去の話。
以下、現在。
今年10月の外来通院時に気付いたこと。ローソンの隣に、医学部の関連団体・一般財団法人丁酉会(ていゆうかい)の事務所がある。ちなみに、ローソン自体も丁酉会の運営。上記、デイルームや外来のアクオスは、丁酉会の寄贈。
その前に、申込書らしきものがセットされたクリップボードがたくさん入った箱が置かれていた。
周りの掲示も見ると、「スイッチカード(の申し込み)」「株式会社アメニティとの契約」「税込み日額495円」といったことは分かった。「テレビレンタル」みたいな表記もあったか。
ということは、テレビカードが新しくなって、時間制からレンタル制=日額定額制になり、患者が丁酉会を通してアメニティと契約する方式になったのか?
テレビカード払い戻し機があるかどうかを確認すればよかったのだが、忘れた。
調べると、病院ホームページの「入院生活のご案内(冊子とは別内容)」が、おそらく2025年9月2日付で更新されており、テレビと冷蔵庫は「利用には申し込みと専用カードが必要」となっている。
また、2月20日に大学法人が「秋田大学医学部附属病院床頭台およびテレビシステム等の設置・運営 一式」の業務委託先を、「令和7年9月1日~令和14年8月31日」の委託期間で募集していた。テレビはカード方式でなくても良さそうな条件だったが、その結果、アメニティと契約することになったのだろう。
株式会社アメニティは、入院患者の病衣やアメニティーグッズレンタルを手掛ける企業で、中通総合病院は同社と契約している。秋大病院では、ワタキューセイモア。
株式会社アメニティでも床頭台やテレビも扱ってはいる。「スイッチカード」は株式会社ホスピタルネットの商品名のようだが、ここでは一般名詞として使っているのか、あるいはホスピタルネットとつながりがあるのか。
相変わらず病院による患者向け周知が不充分なので推測。
入院患者としては、総合的に改悪ではなかろうか。
以前は、入院直後でも、病棟内の販売機でカードを買えば、すぐにテレビを見られた。
今は、1階まで降りて、契約しないと見られなそう。
何よりも、割高。
テレビだけ(もしくは冷蔵庫だけ)という契約がなく、一律1日495円だとすれば、多くの人にとって実質値上げ。旧体系で495円相当だと、テレビを10時間近く見続けられる計算になる。【13日追記・NHK受信料(受信料分を料金に転嫁)のための値上げではないかとのコメントをいただいた。そうかもしれない。】
定額だからと、漫然とテレビや冷蔵庫を使う患者が増えれば、大学が支払う電気料金そのものは増え、環境負荷や患者の心身への悪影響にもならないだろうか。
入院といってもいろいろ。検査で1泊2日など短期入院の患者もいる。その人も、いちいち申し込み手続きが必要なのは無駄だ。
ところで、丁酉会と患者の関わりは、これまでは上記テレビの寄贈者、ローソンや自販機の利用といったところで、通常は意識したり事務所に行ったりすることはなかった。丁酉会は院内保育所に関わるなどしていて、病院職員は、手続きで事務所を訪れていたようだけど。
丁酉会としては、スイッチカード導入により、新たな業務が増えて、患者と接する機会が増えた。丁酉会の収入になるのかもしれないが、それも手間なのではないか。
病衣等のレンタルは、1階にワタキューの従業員数人が詰めている専用ブースがあって、そこで申し込みをする。実は病棟にも申し込み用紙があって、休日などタイミングによっては病棟でも手続きできる。一方、スイッチカードは丁酉会に丸投げというのは、どういう経緯があったのか。
秋大だけでなく、全国的に、この方式に移行する総合病院は多いのだった。病院によっては、Wi-Fiやランドリーも込みのところがある(秋大はWi-Fiは無料。ランドリーはコイン式)。
秋田県内でも、中通総合病院が2023年9月から、大曲厚生医療センターが2025年9月からそれぞれ導入。いずれも「株式会社パースジャパン」の「PERS Pay」システム。ここでも「スイッチカード」の呼称を用いている。中通はWi-Fiも含めて440円、大曲はランドリーも含めて450円。どちらもネットで事前申し込み可能。
大曲厚生医療センターが導入したということは、今後は他のJA秋田厚生連の病院へ波及するかもしれない。
サブスクが広まり受け入れられやすくなったこともあるだろうし、コスト上昇、現金回収の手間、大病院の経営悪化といった状況もある。そうだとしても、入院患者には負担が増す。
入院カテゴリー最初の記事で、昭和晩年の移転前の秋田赤十字病院では、部屋にテレビの備え付けがなく、見たければ各自持ちこんでいた。ひょっとしたらテレビ・室内アンテナのレンタルもあったかもしれないと記した。その後、低料金で誰でもテレビが見られるようになったわけだが、レンタルという名の定額制への移行は、なんだか逆行したと感じる。