前回の20世紀から21世紀に変わる、2001年の年明けの補足として、その1年前(1999年から2000年)の話。
新世紀を迎える2000年から2001年に変わる世の中(日本の大衆)は、盛り上がりはしたものの、そこまで大盛り上がりでもなかった気がした。
その1年前、1999年から2000年のほうが熱狂的だったのではないか。
忘れかけた人もいると思うが、「ミレニアム」だったから。ミレニアムとは「千年紀」のことで、つまり千年に1度の節目だった。
ミレニアムは、2000年→2001年だとする説もあって、当時一部ではもめたようだが、マスコミなど一般には1999年→2000年で合意形成されていたはず。
僕は百年に1度の21世紀になる時こそ、節目だと思っていたところ、唐突にミレニアムフィーバーが巻き起こったように感じた。新世紀で百の位が変わるという意識はあったが、千の位が変わり、それが特別なことだと認識できなかった。たしかに百年よりは千年のほうがレアだけど。
私見だが、日本でミレニアムが盛り上がった理由の1つに、ノストラダムスの大予言があったかもしれない。
誤解や創作に基づいた、1999年7月に人類が滅亡するという予言が、1970年代以降世紀末の日本において広まっていた。「ちびまる子ちゃん」の「まる子ノストラダムスの予言を気にする(アニメは1991年4月28日放送)」の巻では、ブーム真っ盛りが描かれた。
僕が物心ついた1980年代にはだいぶ落ち着いてはいたはずで、小学4年生頃になって、図書館(学校の図書室)の本だったか、小学館の学年誌だったかで存在を知った。学校でもほぼ話題にならなかった。僕はたまに思い出して、少し怖くなったりはした。大学に入ったばかりの頃、「大学を卒業してすぐ滅亡か」と冗談めかして言う人はいた。
だから、大人たちも気にしていないのだと思っていた。
最近、テレビで芸能人の誰かが言っていたのだが、「滅亡を信じて、その前に自分の財産を使い果たそうとした人がいた」のだそう(結局どうなったかは言及なし)。人それぞれだろうが、頭の片隅に引っかかっていた人は多かったのだろう。
1999年7月には、明治時代のハレー彗星のようなパニックになることもなく過ぎ去り、そのまま1999年が暮れようとしていることに安堵し、喜んだ感情も、ミレニアムを特別なものにさせたのではないだろうか。
1999年12月24日リリースのDREAMS COME TRUE「SNOW DANCE(作詞 吉田美和、作曲・編曲 中村正人)」には、「1900年代 最後の夏は行って(直接的にはノストラダムスを指してはいないし、意図すらしていない作詞かもしれないが)」「天球儀が“2000”を象ったウィンドウ」といった歌詞があり、当時の空気感が描写されていると思う。
さらに、ミレニアムの時には「2000年問題」がまさに問題になった。
西暦年を下2桁で管理していた古いコンピューターシステムが、2000年に変わった時に問題を起こすのではないかというもの。マスコミではよく報道されたものの、一般人ではどうすることもできず(食料品の備蓄くらい?)、少々不安な年越しでもあった。
事前の対策のほか、トラブルに備えて年越しを勤務先や自宅で待機した人もいたおかげか、大きなトラブルはなかった。
安堵と緊張が入り混じった千年に1度の、とても特別な年越しの翌年だったから、ちょっと拍子抜けした年越しだったのかもしれない。