2026年2月17日付 秋田魁新報 社会面の下(テレビ欄から数えて4枚目)
秋田魁新報では、月に1回、上の写真のような広告が掲載される。
「お誕生おめでとう」というタイトルで、下部には、小児科医院、宝石店(これだけちょっと場違い?)、こども写真館、神社の初宮詣の広告。
メインの上部は、前の月に生まれた赤ちゃんの氏名の掲載。
日にち順に、本人と両親の名前(本人の名のみふりがな付き)、在住地が記される。ハートマークの色で男女も分かる。在住地は、秋田県内は市町村名、県外は都道府県名、たまに海外のこともあって国名を記載。
今回(2026年1月生まれ)は9名掲載で、県内が5名、県外は神奈川県、岩手県2、宮城県。
【追記】2026年2月生まれは、7名掲載(県内4、千葉県、北海道、宮城県)。広告は1月分と同じ4社。
2026年3月生まれは、だいぶ増えて17名(県内12、神奈川県2、千葉県、岩手県、宮城県)。広告は変わらず。
(以上追記)
「おくやみ」欄(広告でなく本文)は、市町村への死亡届に基づいて掲載される(届け時に掲載可否を意思表示)。死亡広告は、主に葬儀社を通して有料で申し込む。
対して「お誕生おめでとう」のほうは、希望者が魁の営業局へ申し込んで(ネットからも可)、無料掲載。
さらに「応募者全員に記念品を、抽選で賞品をプレゼント!」とある。
「記念品」というのは「赤ちゃんの名前を掲載した号外風記念紙(A4サイズ)」のようで、他におそらく広告掲載紙の「紙面の特製上質コピー」もくれるらしい。また、応募情報を基に「協賛社からの案内」が届く(これが狙いの1つでしょう)。
県外で生まれた赤ちゃんが掲載されるのは、秋田にいる祖父母が代わりに申し込むのだろう。「協賛社からの案内」は縁遠いものになりそうだけど。
魁で「お誕生おめでとう」とまぎらわしいのがある。「お誕生メッセージ」という名で、毎月1日付紙面掲載のようだ。
こちらは満6歳までの誕生日を迎える子が対象で、写真とメッセージも必要(ないと受け付けられなそう)、かつ有料で5000円。「ラミネート加工(A3サイズ)をした特別紙面」進呈。
【追記】3月1日付は、20面(県北地域面)下に掲載。紙面でのタイトルは「お誕生日おめでとうございます。」で、小さく「ぼくたち・わたしたち3月生まれよろしくね!!」も。13人(うち県外は埼玉県1)で、双子でも1人1枠(メッセージは別文面だった)。
4月1日付は、4面・経済面。6人(岩手県2、東京都1)。(以上追記)
これについては今回は置いておきます。
話を戻して。
昨年か一昨年辺りからかと思うが、「お誕生おめでとう」広告が寂しくなったと感じている。
以前は、もっと内側の面(地域面?)に、2面にまたがって掲載されていた。
そして、文字が若干小さく、掲載人数がもっと多かった。
魁のサイトに、見本として2019年4月生まれ分が掲載されている。
そこには47名も出ている。在住地は小さくて判読が難しいが、大多数が県内のようだ。
また、当時は賞品は「抽選で20名様に」と併記されていた。今もその当選数なのであれば、全員当選。
7年間で8割も減った。
少子化がこんなところにも…と思いかけてしまうが、それも一因ではあるだろうが、それだけではないと思う。
秋田県の出生数は減少の一途だが、さすがに7年で8割は減っていない。年間出生数は、2019年 4696、2024年 3282。
では「新聞離れ」か。
魁の発行部数は、2019年 20万9千部、2025年10月 17万4千部だそうで、これもそこまで激減ではなさそう。
市町村と名前だけの掲載だから、プライバシー・個人情報意識が高まったというのも違うだろう。
新型コロナウイルス流行が関係するのか。
もしくは、魁が、保護者や祖父母に対して、掲載するように“営業”をかけていたのをやめた、みたいな表に出ない原因があるのか。
掲載者数が減った理由が想像できないが、このままでは、お誕生おめでとう広告の存続が危ぶまれるのでは。
ところで、魁以外・秋田県外ではこのような広告はあるのか。
検索すると、魁より多く出てくるのが高知新聞。秋田と同じ「お誕生おめでとう」。
「高知県在住もしくは県内で生まれた、1歳未満の赤ちゃんが対象です。」なので、県内限定だが、生まれ月にこだわりはなさそう。
全面広告で、写真やメッセージも掲載可。「全員に「お誕生おめでとう紙面」と「お誕生日の高知新聞1面」をラミネート加工してプレゼント!」で、「毎月抽選で10名様に2000円相当のプレゼント」。
他には、同趣旨のものは見つけられなかった。
しかし、役場への届けに基づく、「おくやみ」欄の出生版を掲載する新聞はあった(並列するのはやや気が引けるが、どちらも生きている以上避けられないことです)。
新潟日報「うぶ声」欄。
おくやみ欄の隣のコーナーに、市町村(新潟市は区も区別)、届出日ごとに、町名(番地の「番」レベルまで)、主に男の氏名(世帯主? 父?)、新生児の名(ふりがな付き)が掲載されるようだ。
よそ者としては、今どき母の名がないのは、批判されそうに思えるのだが…
鹿児島の南日本新聞にも「うぶ声」欄。住所は丁目まで、親の名はどちらかまたは両方を選択可。
ただし、場合によっては申し込み要。「おくやみ」も同様。
「鹿児島市といちき串木野市は「おくやみ」「うぶ声」の情報提供を行っていませんが、南日本新聞社は読者の要望も多いと考え、紙面掲載を希望する家族から公文書の写しなどを送ってもらう方式で掲載を継続しております。」
考えてみれば、役所が住民から得た情報を、報道機関といえども民間企業に提供するというは、変といえば変かもしれない。職員の異動名簿と同様に。でも、届出人が可否を意思表示できるのだし、【19日補足・以下おくやみ欄の場合】死亡や葬儀の告知を無料でできるというメリットもあるものを、役所が一律にやめるのはどうなのだろう。事実、掲載したい人は、証明書の写真を送信する手間が生じているし(葬儀社がやってくれるのかも)。
鹿児島県外でも、そのような市町村があるのか、あるとすれば新聞社はどう対応しているのだろう。
出生届に基づく掲載は「おめでた」欄などの名称も含めて、全国に散発的にあり、結婚届版もあるようだ。秋田では、広報紙に掲載する市町村はある(or あった)と聞く。
こうした新聞のコーナーは「田舎ならではのもの」と片付けられることがあるが、実際には、田舎でも田舎によって違いがあるのだった。所変われば、いろいろと変わるもの。田舎はどこも同じと思ってはいけない。
【19日追記・記事と直接関係はないが、魁関連会社による「ふるさと電報」終了】
株式会社さきがけデジタル(2016年創業)が、2018年6月からサービス提供していた「ふるさと電報[秋田]」が、2026年3月で終了することが、19日付紙面の広告などで告知された。
ふるさと電報[秋田]とは、独自の電報サービス。同社が総務省認可を受けて、秋田市内には自前で配達、それ以外(国内)には日本郵便へ委託。お祝い電報とおくやみ電報各3種類の台紙をラインナップ(1650円、2750円、4400円)。
特徴は、
「台紙に秋田杉を用い」「電話受付や運送などの関連業務も、可能な限り地元の力で行います。」
「秋田魁新報紙面上の「おくやみ情報」と連動しているので、住所のご入力は不要。紙面上の氏名を指定するだけでかんたんにご注文いただけます。」
「価格も明朗。何文字でも定額料金(300文字以内)」
サービス終了の理由は、ホームページでは「諸般の事情により」だが、新聞広告では「本事業を取り巻く業務環境の著しい変化などにより」としている。3月31日配達分までを、3月10日まで受付。
高齢化が進む秋田において、実質的におくやみ電報に特化した商売なのだと思っていた。しかし、元祖・NTTの電報の先行きも不透明(2022、2023年に一部見直し)な中で、それが成り立つのか予想できなかったが、8年弱とは短命だった。