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イオン土崎港店の今後は?

2026年2月28日18時、秋田市土崎港南二丁目3番41号(つちざきみなと みなみ)にある、イオン土崎港店が閉店した。※ちょっとした記録などはこちら

閉店数日前の正面。「46年間ありがとう!!」とある

衣料品や文房具などの直営売り場があり、テナントも多く入る「総合スーパー」。売り場は1階と2階。
1979(昭和54)年12月15日にジャスコ土崎港店としてオープンした店で、東北6県でも青森店(旧ジャスコ)に次ぐ長い歴史があるイオン(※)。
※マックスバリュなど食品スーパーでは、もう少し古い店があるかもしれないが、不明。

店の屋号はジャスコ→イオンと変遷し、運営会社もジャスコ→イオンリテール→イオン東北と変遷したが、それはこの店個別の事情ではないので、46年間と2か月と少し、ずっと同じ店だったと言える。

なお、この地域を「土崎地区」と称するし、駅や学校など官民問わず施設名を「土崎」とするところが多い。神社は「土崎神明社」だし、土崎姓もあるから、それが本来なのだろう。
しかし、明治22年に発足した旧・土崎港町を引き継いで、現在の町名も土崎港。旧・ジャスコもそれを尊重して、「土崎港店」としたのだろう。
余談だが郵便局は、大きい「土崎郵便局」と、小さい「秋田土崎港郵便局」がある。

一般にはほぼ通用しないが、正確には、イオン土崎港店が入るのは、商業施設「土崎ショッピングセンター(愛称・サンポート土崎)」。イオンだけでなく、その全館が閉店。
かつて「東北製綱株式会社(※)」の工場があった場所だそうで、その後も土地や施設を所有し、イオンが借りて管理運営していた。
※「東北製鋼」と金偏で誤記されることが少なくないが、糸偏の「綱」が正当。ロープ類を製造している。

 

建物も46年変わらなかったが、(それ以前にも何度かされているだろうが)2016年7月にリニューアルされた
その際に、耐震補強工事も実施された。1階正面、ロッテリア跡前のひさしというかアーケード風部分の柱に、補強材が入れられるなどしている。2015年施行の改正耐震改修促進法で、古い大型店舗の耐震について定められたこともきっかけか。

V字に補強
したがって、ネット上で一部見られる「土崎港店は耐震補強未実施」といった趣旨の投稿は、誤りだと思う。

 

店は県道56号(通称・新国道)に面しているが、建物はだいぶ奥まった位置にある。長らく、新国道に面しているのは、店舗や駐車場に出入りする私道の出入口(信号機付き)と駐車場のごく一部だけだった。それ以外の部分は、イオンと無関係の住宅や信用組合などの店舗が新国道に面しており、イオンの敷地と新国道を隔てていた。
ところが、2020年。その民家がなくなったり、隣接地にあった養老乃瀧が閉店・解体されるなどした。
2021年には、さらに隣にあって閉校した調理師学校跡に信用組合が移転。
2023年には、養老乃瀧、信組、民家だった新国道に面した連続したスペースができて、すべてがイオン土崎港店の駐車場となった。
新たな駐車場の土地の所有者は、東北製綱かイオンか不明ではあるが、イオン土崎港店の領地が拡大した。だが、この店の駐車場としては広すぎる。
広げたスペースに、イオンによる新たな店舗を作ろうとしているのではないかと、推測していた。

 

そして、2025年9月25日、イオン土崎港店が閉店することが報道された。
上記経緯に加えて、敷地拡大後、未来屋書店やロッテリアといったテナントの撤退が続いていたこともあり、さほど驚かず、来る時が来たと思った。多くの利用客や土崎の人たちも、同じだったのではないだろうか。
秋田魁新報の報道によれば、閉店は建物が老朽化したため総合的に判断。その記事でも触れていたが、2025年夏は館内の冷房が不調だったそうで、実際、店内にスポットクーラーや送風機が置かれていた。2016年のリニューアル時にも、トイレはほぼ手付かずで、古さは隠せていなかった。
リニューアルから10年弱、元は取れたのでしょう。


2025年9月時点では、閉店後どうなるかは(建て直しも視野にあったものの)未定であった。
閉店1か月前の2026年1月28日になって、同じ敷地で建て直すことが報道された。「土地所有者らと協議した結果」だそうなので、東北製綱の同意も得たのだろう。ただし、具体的な内容は引き続き検討中。

 

2月28日の閉店について「閉店」と報道したマスコミも多かったが、秋田魁新報は1面の見出しを「現店舗での営業を終了」としている。ただし、他の箇所では「閉店」表記も使用。
そして、イオン東北のホームページでは、「【休業】イオン土崎港店」としている。ただし、大きな「閉店のお知らせ」の画像も表示される。

 

だから、なじみある建物がなくなることの惜別を別とすれば、「とても悲しい閉店」ではない。だけど、半年や1年で新しい店ができそうにもないので、その空白期間を困る人もいるだろう。
7月の土崎港曳山まつりの時は、その用品の販売や、当日の食べ物の調達として、よく利用されていた店だった。少なくとも今年は、よそを利用しないといけない。
着々と領地を拡大して得た、あんなに広い敷地があるのだから、工期や工法をなんとか調整して、空白期間を極力なくす努力ができなかったのかとも思う。

 

イオンといえば、スクラップアンドビルドで、郊外へ新店舗を移転させるイメージを抱きがちだが、今はそうでもないようだ。
同じ場所で、新たに建て替える事例は少なくない。秋田県内だとジャスコ本荘店→イオンタウン本荘中央ショッピングセンター。空白期間が生じることを承知でやっていて、それでも地域に受け入れられているようだ。

 

空白期間はどのくらいになるか。
旧店舗を解体するだけでも、けっこうかかりそう。建設は、1年前オープンのイオンスタイル山王(食品スーパー+テナント2階建て)で、丸1年だった。
10年以上前だが、名古屋のダイエー金山店(現・イオン金山店)が同じ場所で建て替えた時は、閉店→再オープンに1年8か月かかっている。
現在、同じ場所で建て替え中の、三重県のイオン津ショッピングセンター(後述)は、2年半以上かかる計画。

 

土崎には、どんな店ができるのか。邪推してみる。
1.総合スーパーの新「イオン土崎港店」
旧・イオン土崎港店と同様の店。
ただ、近年は、次項のイオンスタイルブランドばかりで、「イオン」ブランドの新規店舗はないのではないだろうか。だから、なさそう。

 

2.総合スーパーの「イオンスタイル土崎港」
旧土崎港店と同タイプながら、ブランド名が違う店。イオンスタイル御所野と同じような。
近隣の高齢者が衣料品を買うような需要はありそうだから、これで良さそうに思えるけれど、ちょっとオーバースペックか。

 

3.「イオンタウン土崎港」+食品スーパーの「イオンスタイル土崎港」
これが本命かも。イオン管理で、各種テナントと自社の食品スーパーの集合。
スーパーは「マックスバリュ土崎港店」の可能性もあるが、最近は食品スーパーでもイオンスタイルブランドが多い(まぎらわしいのだけど)。
ここは充分なスペースがあるから、ホームセンター、ドラッグストア、100円ショップ、飲食店などのテナントも置ける。ただ、敷地の形がいびつなので、配置はどうなるか。
茨島や広面のようなテナントをそれぞれ別棟とし駐車場を共有するタイプか、イオンスタイル山王(あるいはイオンタウン弘前樋の口)のように同じ建物にまとめるか。

 

4.「そよら土崎港」+食品スーパーの「イオンスタイル土崎港」
「そよら」とは、2020年からイオンリテールが展開しているショッピングセンター。
Wikipediaのイオンリテールの項によれば「そら、寄って、楽しんでって!」が由来で、「「イオンスタイル」を核店舗とし、ジムやクリニック、美容室、クリーニングといった日常生活における利用頻度が高い専門店を組み合わせ」「カフェや広場、塾やカルチャー教室といったコミュニティ・学び・体験の場を徒歩圏内で提供する都市型ショッピングセンター」。

地方都市では、2024年で休業したイオン津ショッピングセンター(ジャスコとニチイ→サティ→イオンという、珍しい遍歴だそう)が、建て替えて2026年秋に「そよら津桜橋」になる予定。現地付近を訪れたことがあるが、どことなく土崎と似たような感じがしなくもなかったかもしれない。【2日補足・2003年以降、イオン系ショッピングセンターがなかった福井県にも、2024年に福井市に「そよら福井開発」がオープンしている。】

現時点では、そよらはイオンリテールだけのブランドだが、それをイオン東北では展開しないという理由も確証もないだろう。
スマホレジ「レジゴー」だって、秋田市のイオンスタイル茨島が全国で13店舗目くらい、首都圏以外ではかなり早期の導入であった(イオン東北発足後の2020年)。
イオン東北の本社から近い場所でもあるし、実験的意味合いを含めて、東北のそよら1号店になったりしなくもないのでは。

 

以上のどれかになるかどうか。
土崎から遠くない、外旭川地区へのイオンタウン新設計画も影響するのではと、思っていたが、あちらはいっこうに話が進まない。その状況で、土崎の再建が決まったのだから、外旭川とは関係なしに(「話」でなく)建設が進んでいくのだろう。少なくとも、外旭川よりは先にオープンすることになるだろう。

 

【3日追記】1月29日更新の読売新聞サイト「イオン建て替えへ」には、
建て替え後について「イオン東北によると、(略)これまでと同様に食品や衣料品などの日用品が買える店舗にする。今後、地域住民への聞き取りを行い、詳細な品ぞろえやサービスを決めていく。」
「「生活インフラとしての役割を果たし、買い物を楽しんでいただくとともに、地域コミュニティーの場として再出発したい」としている。」
とあった。

「地域コミュニティーの場」となると、そよらを指すように思えなくもない。
2025年に新潟県にできた「そよら三条須頃」のニュースリリースには「「そよら三条須頃」は地域の新たなコミュニティの場としての役割を担う」とある。