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千秋公園スカスカ斜面

秋田市の千秋公園の、現在では正面入口ととらえられている、「大坂」の下。秋田市立中央図書館明徳館や、あきた芸術劇場ミルハスがあって、池のような内堀・内濠があるところ。
1か月以上ぶりに通った。

3月上旬
内堀の上の斜面は、ケヤキなどの落葉樹がたくさん生えていて、夏はこんもりと茂り、秋は鮮やかに紅葉・黄葉する。※2014年2024年

落葉しているので寂しい見た目だが、今まで以上に寂しく、スカスカになっていた。

下の白い建物はトイレ。上の白いトラックがいるのが二の丸の階層
それ以前に、チェーンソーの音が響き、工事のトラックや作業員がいた。
斜面の木の伐採が行われていた(遅くとも2月下旬には始まっていたようで、この時点で終盤。現在は終了した模様)。それもけっこうな本数。以前は木が無数にあるといった感じだったのが、今はその気になればカウントできそうで、「間引かれた」状態になった。

大坂の途中から見下ろす
ざっと見た感じ、斜面の下から中ほどにかけてに生えていた木を中心になくなっていて、斜面下側はだいぶ寂しくなったと感じてしまう。

 

個人的には、千秋公園には、城趾としての歴史的価値よりも、市街地にありながら、うっそうと茂る林のような「自然」に魅力を感じていた。
だが、市民アンケートなども踏まえた、公園管理者の秋田市としては、景観や眺望の確保が必要ととらえているのだった。
2018年の千秋公園再整備基本計画では、「過繁茂な樹林地については(略)、鬱そうとした空間を改善していく必要があり」や「眺望を確保していく必要があります。」などとある。それを受けての伐採のようだ。たしかに、眺望は良くなっただろう。

 

昨2025年は、公園内にツキノワグマが出没して居座ってしまったし、つい先日は東京都の砧公園(きぬた公園)において、2日続けて樹木(桜とヒマラヤスギ)が倒れ、軽症者と駐車車両の破損を引き起こした。
それらを踏まえても、千秋公園が管理された都市公園である以上、「自然」ではなく、茂るに任せるわけにはいかない。

 

そして、内堀の樹木は、そんなに古くからあるわけではなかった。
版画家・勝平得之(かつひらとくし)の作品に、昭和12年の「千秋公園八景・雨の内濠」がある。それには、多少の松らしき木はあるものの、今、ケヤキ類が茂る斜面には、何もないように描かれている。
ブログ「二〇世紀ひみつ基地」の2009年7月9日「内堀と鐘つき堂のある風景https://20century.blog.fc2.com/blog-entry-610.html」には、その頃のモノクロ写真がアップされているが、低木なのかこんもりした植物が生えている感じで、斜面の上・二の丸の階層にある鐘つき堂、鐘楼(関連記事)がはっきりと見えている。
400年前の江戸時代がどうだったのかは知らないが、久保田城趾としては、あまり高木がないのが、本来の姿のようだ。
【4月20日追記】内堀斜面には、明治時代後半に千秋公園を(公園として)設計した長岡安平によってヒノキが植えられたとのこと。版画にはヒノキも描かれていたのかもしれない。現在も(実生で更新したものも含めて)何本かあるようだが、この点からしても、落葉樹が優占するようになったのは、そう古くないようだ。(以上追記)

 

鐘つき堂は伐採前は落葉時期だけ、外側から姿を見ることができた。
伐採後は、以前よりもよく見えるようになった。夏でもそれなりに見えるかもしれない。



斜面のふもとに沿った通路を、鐘楼下で北側へ回りこむ。
通路の公園と反対側は、旧・秋田和洋女子高等学校だった秋田令和高等学校の敷地。和洋時代は体育館など一部施設があったが、ミルハスに土地を譲ってからは校舎本体も移ってきた。※2020年の記事
そこから斜面上・二の丸を見上げると、

鐘つき堂に隣接する、秋田市公園課 千秋公園事務所の、新しいとは言い難い建物が丸見え。ボロいだけでなく、いくつもの建物が連なって構成されていることを、初めて知った。事務所の建て替え計画もあったようだが、どうなっているか。
斜面は笹や低木が茂る程度になっていた。ただ、下側は今回の伐採以前から、あまり木がなかった気がする。上のほうは、今回の伐採かもしれない。こんな状態では、がけ崩れが起きないか心配になる。

ここより北側、秋田県職員矢留公舎付近では、伐採はされていないようだ。

 

上記経緯を踏まえると、伐採された木々の樹齢は、高くても100年いくかいかないかといったところか。

鐘楼の階段下の切り株
ミルハス建設時がそうだったが、建築工事で伐採する時は、重機を使ってむしるように行われ、木や切り株がブサブサで痛々しい見た目になってしまうことがある。今回は、専門業者が行ったからか、スパッときれいな、典型的な切り株。
年輪は50本以上はある。写真では左が西側で、そちら側のほうが年輪の間隔が広い。日当たりが良い側の生長が盛んで、年輪が広くなる――というのは俗説で間違いだそう。実際には、「力がかかっている部分」が広くなり、風や傾斜に影響されるとのこと(参考:長野県林業総合センターhttps://www.pref.nagano.lg.jp/ringyosogo/joho/kids/nenrin.html)。ここは西風が吹くからか?(北側は斜面で風は当たらない)

 

伐採により、安全で、眺めの良い千秋公園にはなるのだろう。
でも、キツツキなど市街地では珍しい鳥類が暮らしたり訪れたりする機会はどうなるのか、ダイナミックだった紅葉・黄葉はボリュームダウンしてしまわないか、気がかりでもある。

※2026年の桜の頃の内堀斜面の写真はこの記事冒頭。