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金八4シリーズ(終)

30年前・1995年度後半に放送されていた、TBS系「3年B組金八先生」第4シリーズの思い出を、2025年10月に取り上げた
昨年時点ではTVerとTBS FREEで、第1シリーズから毎日1話ずつ無料配信(各話は14日間視聴可能)されており、その後、第4シリーズにも到達。30年ぶりに見ることができた。

 

僕はドラマを見るのはどうも苦手。「イッキ見」などもってのほか。2週間限定なのもプレッシャー。
そこで、一部の回のみ、かつシークバーのサムネイルで気になったシーンをかいつまんで見るという、失礼な見方をしてしまったのだが、それなりに金八の世界を楽しめた。話の展開よりも、細かな設定の発見や粗探しもしてしまったけれど。したがって、以下、見落としによって誤解している点があり得ます。敬称略。

 

第3シリーズ以前、第5シリーズ以降も、いろいろと記したいことはあるが、ひとまず置いて、今回は第4シリーズについて。
まずは自分の記憶の正しさとあやふやさ両方を実感した。
1話冒頭で、文部省(当時)で研修中の金八へ電話がかかってきて「また3年B組ですかぁ」、その後、桜中へ出向き、保健室で横になる野村校長(早崎文司)との再会。
文部省を訪れた生徒たちと、文部省係長(大和田獏)との対話。
卒業が近づいた頃の各教員による特別授業、卒業式当時に体調が悪くなった野村校長、卒業式・ホームルーム後【29日訂正・下の訂正も参照】、廊下の“スタートライン”から走り出す最後。
など、すっかり忘れていたが、30年前にたしかに見たシーンがあった。

 

一方、
金八が年度途中から3B担任になったのは、それ以前の担任(ラサール石井)が生徒から暴行を受けたため…と思いこんでいたが、それは次の第5シリーズの設定だった。
自分のうろ覚えを棚に上げて恐縮だけど、第4シリーズでは、担任交代の理由は明らかにされていないのではないか。

昨秋の記事では、「終盤~最終回の頃は大学の春休みで秋田へ帰っていて、秋田テレビが遅れてそれを放送した頃には、僕は弘前へ戻っていたはずなので、結局見ていないと思う。」としていたわけだが、上記の通り、後半でも確かに見覚えのあるシーンが一部あった。
第21回の特別授業で、野村校長がこれまでの経歴を語り、下の名前(孝一郎※)や専門教科(免許科目)が明らかになる。それが体育で、意外に感じたが、そういえば30年前もそう思った。
※本シリーズの次、1998年のスペシャル9の校長室の写真は「野村武司」とされているとのこと。また、オープニングのクレジットで、管理職の役名がフルネームで表示されるのは第7シリーズ以降。【29日補足・4シリーズでのクレジットは「野村校長」。孝一郎の漢字表記まで判明しているのは、特別授業時に、講師を紹介するフルネームの字幕が出たから、のはず。】

その次の第22回・卒業直前スペシャルは見覚えがない。1982年の「3年B組貫八先生」にレギュラー出演していた柳家小三治が、別人の特別授業の外部講師(金八と飲み友達の藍染職人)役で出てくる。
そして、最終回はたしかに見た。
秋田テレビでの遅れ放送がいつだったか不明だが、ゴールデンウィークや夏休みで秋田へ帰った時に放送されたのを見たことになるのか、あるいはケーブルテレビのTBSチャンネルで見たのか。


前後のシリーズと比べると、1980年代の初期作と、内容が激化していく2000年代以降のはざまならではの、過渡期の趣があった。
オープニングの映像は、荒川堤防を中心とした、金八の朝の通勤風景で、いかにも金八先生のオープニング。30年前に見た時、感動した。
第2シリーズでは1カメラ長回しノーカットだったり、後期は空撮やCG加工が使われたり、夕景だったり、ちょっとイメージと違うものもある。

ちなみに、オープニングでは、ごみ出し主婦、ジョギングの欧米人女性2人組、散歩の園児、堤防斜面を滑る小学生などが、ほぼ毎回いる。
柔道着の柔道部員がランニングするのも初期からの定番だと思っていたがそうではなく、おそらく第4シリーズが初出のようだ。

 

第4シリーズでは、
・劇中BGMの刷新(作曲者は第3シリーズからの続投だが、本作から曲調が変わった)。
・タイトルコール直後の生徒1人1人のアップ導入。それ以前はブルーバックであっただろう、提供クレジット用だが、配信でもカットせず。
・オープニングやエンディングの出演者・スタッフクレジットの字幕を、明朝体から角ゴシック体に変更。【29日補足・具体的なフォント名としては、写研の石井明朝→石井ゴシックが長く使われた。フォント分野のデジタル化に従い、第8シリーズとファイナルは、フォントワークスに鞍替え。第8は「ロダン」、ファイナルは「ニューセザンヌ」。】
といった変化があったが、それらは2011年のファイナルまで踏襲された。

 

目新しい点としては、
女子の制服変更、男女混合名簿の導入、melon manというグループの「JETBOY JETGIRL」というラップ調の挿入歌が使われるといった点。

 

小さな発見やツッコミどころとしては、
・金八の前任校は「松ヶ崎中学校」なのに、1話で全員が「まつがえ中」と言っている。
2001年の第6シリーズでは、再び「松ヶ崎中」の名が出てくるそうだ。何らかの意図があって一時的に改称したのかもしれないが、理由は思い付かない。
では、ミスなのかもしれないが、それだとひどすぎないか。興ざめしてしまう。直近作(SP8)から5年のブランクがあったとはいえ、脚本家、プロデューサー、主役俳優は気付かないものだろうか。

 

・声をかけられる金八。
オープニングの最後のシーンは、校舎へ向かっていく金八の後ろ姿。振り返って右手を挙げて「おはよう」と言う。
本シリーズ以前では、金八が学校に駆けこんだり、堤防を生徒とともに走ったりするシーンで終わっていたのを思えば、歳を重ねて落ち着いたのが伝わる。
30年前の記憶では、後ろ姿の金八に「金八先生」と生徒から声がかかって、振り返っていた。

ところが、配信の第1話では、声がかからずに振り返っていた。
第2~3話は見損ねて、第4話では声がかかっていたので、途中から追加されたようだ。
さらに、その声かけは、音声チャンネルの位置が2パターンあり、中央からの回と、右チャンネルからの回が存在した。※ステレオ放送は本シリーズから。
9回以降では、16、18、20、22回が右で、その他が中央(最終回=23回はオープニングなし)。ランダムなのか。左からは声がかからないのか。

その時の金八は、左から振り返る。
中央ならまだしも、右から声がかかったのに、逆回りで振り返るとは、寝違えていたのでしょうか。


・出演車
本シリーズ辺りから、ロケーションや衣装に協力した企業やブランドの名前が、オープニングで表示されるようになる。時期的に他のドラマでも同じだろう。
第1回では「ロケ協力」に「東武バス」がある。
堤防の道路に「堀切駅前」バス停があって、そこから生徒が路線バスに乗ってどこかへ行ってしまい、それを金八が夜のバス停で待つようなシーンがある。
「荒36」系統で、荒川下流方向が「足立健康センター」行き、反対方向が「荒川車庫」行き。
バス停標識(ポール)は、いわゆる「しらゆり型」が置いてあって、東武バスのロゴ入り。バスの車両の行き先表示は、当時はLED式はまだないから、フィルムに印刷した方向幕で、ちゃんとした作り(モリサワ書体)。だから、実在のバス停や路線かと思ったが、そうではないらしい。健康センターはなさそうだし、「荒川車庫」は都電の車庫だ。バス停も方向幕も、東武の協力を得て撮影用に作ったことになる。

両方向2便ずつ映るのだが、4度とも同じ車両。
大型バスの「足立22か5029」、社番「2383」号車。
いすゞ自動車製で、富士重工(現・SUBARU)が独自デザインのボディ(7Eボディ)を載せたタイプ。
おそらく、東武にとって富士重工は地元企業なので、このタイプを導入していたのではないだろうか。ずっと後の製造だが、見た目はおおむね同じ車両が、秋田中央交通に1台ある。

ドアに段差が1つある「ワンステップバス」で、中ドアは左右に大きく開く「ワイドドア」、四角くない「バス協テール」と呼ばれる後部灯火といった、当時の東京のバスとしてはさほど珍しくない仕様だろう。左ウインカー点滅時のチャイム(警告音)も、そのまま放送。
後部には「カメラのタカギ」の黄色い広告。足立区に実在する企業で、車両にもともと掲出されていただろう。良い宣伝になったことでしょう。

首都圏の大手バス事業者については、全車両のプロフィールや、廃車後どこへ譲渡されたかを調べてネットで公開するかたがいらっしゃるものだが、さすがに1990年代のこの車の情報は見つけられなかった。
ただ、社番が近い2374、2375は1993年式(ワンステップ試作車、テールランプは四角)で、南部バスや呉市交通局へ譲渡されていた。

 

1話のラストは、この後、半年間の苦難を予想した金八が、夜のバス停から駆け出していく。そこに、エンドロールと「スタートライン」の3番が流れる。3番の歌詞と重なるところがある。
オープニングでは流れない2番以降の歌詞を覚えていたのが不思議だったが、こういう使いかたがされていたのだった。

また、同じバス停とバスの足立健康センター行きが、第9話の生徒が出願に行くシーンでも使われ、東武バスは「協力」名義。
他に、特別授業で下水処理場だかに見学に行く時は、東武の貸切バスも登場。

 

 

第4シリーズの最終回・卒業スペシャルの放送が、1996年3月28日であった。
最後のホームルーム【29日思いこみで記していたので訂正・引っ越しする生徒の荷造りを手伝ったため卒業式翌日に開かれた「お別れ会」】で、金八先生は「夢を見る力をこの国の未来に注いでください」「感じのいい人になってください」と話し、生徒と「スタートライン」を2番まで歌い、廊下のスタートラインからダッシュして旅立っていく。ケガした松葉杖の生徒もいたのだけど、取り残されずに…
結局、「スタートライン」の歌詞の意味は明かされずに終わる。他シリーズの歌でも同様だけど。

 

放送当日には、野村校長役を演じた早崎文司さんが67歳で亡くなった。
劇中の設定と同じく、ご本人も病を押しての出演だったとのこと。上記の通り、後の写真では「野村武司」とされていたのは、ご本人の名前から1文字取ったのだろうか。
校長になったのは本シリーズからで、初作から1987年のスペシャル6までは教頭。桜中が舞台の1B新八、2B仙八、3B貫八でも教頭。※第3シリーズとSP7、8は桜中学校が舞台ではないので、出演なし。

前回触れた通り、僕は初期の金八シリーズは、見てはいたが幼くて内容はほとんど覚えていない。今回の配信で、財津一郎などが同僚教師役で出演していたのを初めて知った。
しかし、30年前もそうだったが、野村教頭と数学の乾先生(森田順平)はなじみがあった。仙八、貫八にも出ていて見る機会が多かったこともあるだろうが、特に頼りなくて憎めない野村教頭には親しみを覚えた。
早崎、森田のお二人は、脚本家が同じ、1979年度前半のNHK連続テレビ小説「マー姉ちゃん」にも出演していた。

 


ところで、金八シリーズの無料配信は、ファイナルまで到達。3月30日が公開期限のようだ。
ちょうど年度末に重なったが、新年度はまた第1シリーズから配信してくれるのかな。見逃したところも多いので、期待。