2026年3月に、大館市にある東北森永乳業株式会社の秋田工場が生産を終了した。これにより、秋田県内で販売されていたいくつかの牛乳類が、製造終了となった。
※3月以前も、森永乳業の首都圏の工場で製造された製品も流通しており、それは変わらないので、秋田県内で森永の乳製品がまったく買えなくなったわけではない。
4月の状況。
イオンのプライベートブランドでは、
「牧場の大地(乳飲料)」は、森永乳業の東京多摩工場製に切り替え。「にぎわい東北」ロゴがない?
「トップバリュベストプライス 飲みやすくまろやかなコク 低脂肪乳(乳飲料)」は、「乳」がつかない「~低脂肪」に。製造は群馬県高崎市の榛名酪農業協同組合連合会。
酪農専門農協である榛名酪連は、秋田ではほぼ知名度がないが、従来からトップバリュの乳製品の一部など、製造受託した商品が流通していた。東日本大震災後の流通が不安定な時には「榛名牛乳」そのものも来ていた。
地元スーパー・いとく。
製造終了となったプライベートブランドのいとく牛乳。従来から扱っていた、小岩井乳業製造のCGC牛乳を、現在は扱いを少し大きくして、少し値下げしているので、実質的な代替か。
さらに初見の商品が2点。
右は「おいしい低脂肪(乳飲料)」
これも榛名酪農業協同組合連合会の商品(プライベートブランドではない)。
乳飲料、税込み150円(期間限定?)ということで、「東北限定発売 森永低脂肪乳」の代替。扱いは小さくなった。
森永低脂肪乳は、
無脂乳固形分 8.0%、乳脂肪分 0.6%
エネルギー 72kcal、たんぱく質 5.3g、脂質 1.1g、炭水化物 10.2g、食塩相当量 0.19g、カルシウム 186mg
本品は、
無脂乳固形分 5.0%、乳脂肪分 0.6%
エネルギー 80kcal、たんぱく質 3.7g、脂質 1.2g、炭水化物 13.6g、食塩相当量 0.19g、カルシウム 129mg
全体に薄くなっているが、原材料に森永低脂肪乳では使われていなかった「乳糖」があるせいか炭水化物は増。
【14日追記・弘前市のユニバースやトライアルでは、トモヱ乳業(茨城県)の「さわやか低脂肪(乳飲料)」を扱っていた。少なくともユニバースでは、森永低脂肪乳製造中止の告知がそばにあったので、代替品と思われる。】
【17日追記・秋田市のナイスでは、3月以前はなかった気がする原田乳業(新潟県)の「低脂肪乳(乳飲料)」を置いていた。同社のヨーグルトは、以前から他店でもたまに見かける。】
もう1つは、
「雪んこ牛乳」
税込み278.64円で、やや高めの種類別 牛乳。
メーカー表示が正面になく、しかも「北東北産生乳使用」とあり、まずは悩んだ。「北国生まれのやさしいおいしさ」とも。
製造者表示を見ると、弘前の「萩原乳業株式会社」!
メーカーホームページには情報ないが、新商品ではないだろうか。
販売価格としては、通常の「萩原牛乳」よりは50円程度高価。
商品のコンセプトについて、なぜか「広告欄」に萩原ロゴとともに説明があった。
「秋田県産生乳を主体に青森県産生乳をブレンド」
「秋田県北の酪農家が丹精を込めて搾乳した生乳」「純粋な北東北生まれの牛乳です」
「雪国で古くから親しまれる「雪んこ」のように皆様の暮らしに寄り添い末永く愛される牛乳でありたい」など。
製造終了となったいとく牛乳(森永ブランド「秋田のおいしい牛乳」も同一)は、
無脂乳固形分 8.3%以上、乳脂肪分 3.5%以上、殺菌 130℃ 2秒間
エネルギー 137kcal、たんぱく質 6.8g、脂質 7.8g、炭水化物 9.9g、食塩相当量 0.21g、カルシウム 227mg
本品は、
無脂乳固形分 8.3%以上、乳脂肪分 3.6%以上、殺菌 130℃ 2秒間
エネルギー 137kcal、たんぱく質 6.8g、脂質 7.8g、炭水化物 9.9g、食塩相当量 0.2g、カルシウム 227mg
森永乳業秋田工場なき後、消費者としては、県外から運ばれてくる牛乳を買って飲んでも大差ないが、生産者にしてみればそうもいかないのではと考えていた。
穴を埋めるとすれば、もっとも近い大規模な牛乳工場は萩原乳業だから、少し期待していた。4月から売っているということ【9日追記・かつ秋田工場近くの秋田県北産に限定していることも】は、秋田工場閉鎖を受けて、その受け皿となるべく商品開発してくれたことになるだろう。
「北東北」というわりに岩手県はのけ者にされているし、コンセプトをもっと前面に押し出したほうが良さそうにも思えるけれど、こういう形で「秋田の牛乳」が存続した。これがなければ、(そこそこ手頃な価格で買える)秋田産牛乳などうやむやになったかもしれない。
【9日追記・「古くから親しまれる「雪んこ」」とあるのは、「子供の姿の雪の精。雪童子」を指しているのだと思われるが、正直、そんなになじみはなく、ピンとこない。】
萩原乳業では、これまで青森県産の生乳を使った牛乳しか作っていなかったはずなので、青森県外産生乳を使った牛乳は初めてかもしれない。
また、萩原乳業の商品は、これまでも秋田県内で一定の流通はあったものの、秋田市内のいとくでは扱っていなかった(いとくの青森の店舗ではどうだか不明)から、萩原乳業の販路拡大にもなった。
青森県内で販売する意味は、あまりなさそうな商品だけど、秋田のいとく以外の店ではどの程度売られるだろうか。
【11日追記・いとくのほか、秋田市内のタカヤナギグランマート、マルダイ、ナイスでも販売されていた。マルダイ以外はこれまで萩原乳業商品を扱っていなかった。】
【14日追記・弘前市内のユニバース、ロピア、トライアルでは、通常の萩原乳業は置いていても、本品はなかった。】
イオンといとくを見た限り、森永乳業としては、秋田工場をなくして、榛名酪連と萩原乳業にシェアを奪われた形にはなる。だが、秋田(と周辺県)での売り上げなど大したことなく、いいコストカットになったのでしょうね。