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まるび

秋田県大仙市のマスコットキャラクターについて、よそ者がいろいろ述べます。批判する意図などはなく、ふと思った感想のひとりごとだと思ってください。

旧・大曲市などが合併して発足した大仙市も、今年で10周年。
それを記念したマスコットキャラクターが制定され、22日の記念式典で着ぐるみがお披露目された。

「中学生議会」で提案されたのがきっかけだったため、市内の中学生からデザイン案を募った。
決まったマスコットは、花火の街・大曲にふさわしく「花火の妖精」。花火玉、刈和野の大綱引き、市の花コスモス、市章などがデザインされている。
見た目は、よくあるマスコットキャラクターという感じ。

で、その名前。
まるびちゃん
だそうです。
秋田魁新報23日付地域面の記事を読む限り、命名者が誰(デザインといっしょなのか、別人によるのか)なのかは不明だし、由来も分からない。
おそらく花火玉をモチーフにした顔の「丸」い形と、花「火」から来ているのだろうけれど、個人的には、少々引っかかる名前。



ところで、「笑っていいとも」の後継番組「バイキング」。
その火曜日のコーナーに「有名人の行きつけ美容室」とかいうのがある(あった? 美容室でなく飲食店のこともある?)。
顔を隠した女性芸能人が、行きつけの店を利用する映像が流れ、それが誰なのかを当てる趣向。
そのコーナー内で、当てる対象の女性芸能人のことを「○美マルビ。画面では○の中に美)芸能人」と称しているようだ。
こちらも「マルビ」。個人的にはやっぱり気になっていた。



どうして僕が「マルビ」に引っかかるのか、ご理解いただける、もしくはピンと来た方がいらっしゃるとすれば、30年前の記憶がある方だろう。
今では季節の風物である「新語・流行語大賞」の第1回は1984(昭和59)年だったそうだが、その流行語部門を受賞したのが「まるび」だったのだ。
正確には「まるきん まるび」。

イラストレーター・渡辺和博氏(1950-2007年)が「金魂巻(キンコンカン)」という作品の中で用いた言葉。
自由国民社ホームページでは、「現代の代表的職業31種に属する人々のライフスタイル、服装、行動などを、金持ちと貧乏人の両極端に分けて解説した。それを、○金(まるきん)、○貧(まるび)とネーミングしたところが秀逸。」
「日常会話の中にも頻繁に出てくる大流行語となった。」としている。

僕は当時小学校低学年だったので、「金魂巻」という発端となった作品は、今まで知らなかった。
2010年代の今、金持ちと貧乏と言えば、「格差社会」とか「貧困」とか重いテーマを連想してしまう。
でも、「金魂巻」の31の職業には、医者とか銀行員とか弁護士とかも含まれていたそうだから、単に経済的にまるきん/まるびということではなく、価値観とかライフスタイルも含めてということだろう。バブルに突入する直前のお話。

当時、「金魂巻」を知らなくても、「まるきん まるび」という言葉は、自分で使わないにせよテレビなどで聞いていたし、小学館の学年別雑誌(小学○年生)でも、そのパロディを見たような記憶がある。
そんなわけで、「まるきん」はともかく、「まるび」はマイナスイメージの言葉として僕の頭の片隅に残っていたようだ。だから大仙市のキャラクターやバイキングで同じ音の「まるび」を知って、引っかかったのである。



30年も前の流行語だから、知らない人・知っていたけど忘れてしまった人も多いだろう。(我ながらよく覚えていたとも思います)
まるびちゃんを名付けた中学生(?)は生まれる前だし、バイキングの制作スタッフも知らない人が多いのかもしれない。
だから、昔の「まるび」は死語になって、新たに別の(同音異義の)「まるび」という言葉が生まれたと考えるべきなのだろう。

一方、たった30年前とも言えるのではないか。誰もが「まるきん まるび」を覚えていないわけではない。
「貧」を連想する言葉だから、よりによって市のマスコットや女性芸能人に対して使うなど、もってのほかと思ってしまう人も、いるはず。
大仙市の上のほうの職員・一定年齢以上の議員やフジテレビの上層部などには、昔の「まるび」を知っている人もいるだろう。「『まるび』はちょっと… 別の名前にできない?」と思ったり言ったりしなかった・できなかったものだろうか。

大仙市民やバイキングの関係者・視聴者のみなさんが、「まるび」でいいと思われるのなら、よそ者が口をはさむ必要はないし、余計なお世話なのですが…