北東北では、一般庶民の家の小さな庭木や街路樹も雪囲いをすることが多い。津軽では、板で本当に“囲い”を作ることもあるが、それほど積もらない秋田市では、わら納豆のように「むしろ」で囲ったものも珍しいくらいで、枝をまとめて縄でしばるものが一般的だと思う。単純だが、作業が簡単で経済的。
秋田市の花はサツキ(ツツジの中の品種の1つという位置づけとのこと)であるからか、市内の道路の街路樹(車道と歩道の境の植え込み)にツツジが使われている所がある。
秋にイチョウの黄葉がきれいだった(いちばん上の写真)、秋田大学附属学校脇の保戸野原の町通りという愛称の市道。

1株ずつ縄を巻かれて雪に埋もれている。見慣れない方には乱暴に見えるかもしれないが、逆にこの処置がなければ、車道・歩道両側から寄せられた雪の塊を広がった枝全体で受けてしまい、積もって凍って硬くなった雪によって、花芽の付いた枝の多くが折れてしまうに違いない。でもここの巻き方はやけに厳重で、縄を1株あたり5回は巻かれてぐるぐる巻きだ。細長いタイプの「ちまき」みたい。
ほかの道路はどうなんだろう。この周辺はツツジの植え込みが多いので回ってみる。
ちなみに写真がないが、近くの秋田大学教育文化学部附属学校敷地内の植え込みも、縄を巻いた雪囲いがされていた。原の町通りほど厳重でない、ごく普通のタイプ。
同じく市道の千秋トンネル通り。原の町は25年ほど前に植えられたはずだが、こちらはさらに10年ほど古いためか、木が大きい。

箱型に刈り込まれているためか、1株ごとでなく、1つの植え込み単位でぐるっと縄で縛っていて、やけに簡単。木全体が車道側に傾いてはいるが、今年の雪が原因ではないだろうし、枝が折れたりはなさそうだから、それなりに効果があるのだろう。
原の町より数年先に開通した、保戸野みその通り。こちらも市道。

1株ごと縄を数回巻いて縛った、一般的な雪囲い。一般住宅の庭でもよく見るタイプ。原の町との巻き方の違いが分かるかと思うが、この程度でも充分。
街路樹も道路管理者の管轄だと思うので、上記3か所の市道の雪囲いは、市の委託を受けた業者がやっているはず。市道でも場所によって雪囲い方法が違うのは、請け負った業者が違っていて、各業者の“流儀”なのかもしれない。
実は、ここのツツジは非常に花が美しい。
市営バスが懐かしい2005年撮影上とだいたい同じ場所。
雪の下にも木が埋まっている単色でなく模様入りの花が咲く木も混ざっているのも目を引くが、どの木も街路樹にしては珍しいほどびっしりと大きな花がたくさん咲くのがとてもいい。手入れがいいのだろうが、その1つにはこの雪囲いの効果もあるはず。
通町の通り。この通りは、歩道のブロックなどが統一されているが、菊谷小路との交差点を境に管理者が違う。通町橋方面(旧町名での本当の“通町”)が県道、保戸野鉄砲町・新国道方面(大工町)が市道。
市道区間(みその通りとの交差点)
県道区間(せきや商店向かい)県道も市道も何の処置もされていない!
以前の写真を見ても、過去も雪囲いはされていなかったようだ。
県道は今まで何度か紹介した道路管理体制からすればやっぱり・・・だが、市道は不可解。上で紹介したとおり、すぐ近くの別の市道がしっかり処置されている一方でこの有様とは。
ここに植栽がされたのは、原の町通りなどより最近の10年ほど前なので、まだ木が若くて、品種が違うかもしれないから、一概には比較できないが、通町は木が小さく枝振りが弱々しく見える。高山の樹木のように地面に這いつくばっている感じもする。雪囲いがされないので、雪に耐え切れずに枝振りがおかしくなったのかもしれない。
春には確かに花は咲くが、みその通りのように「写真を撮ろう」と僕が思ったことがないのは、それほどきれいに花が咲いていないからかもしれない。
植物という生き物、比較的中心市街地に近くていろいろな人の目に触れやすい地域の街路樹、秋田市の花サツキ(の仲間のツツジ?)ということを考えれば、植えっぱなしでなくて、もっと管理をしっかりしてやってほしい。現に住宅地的性格の強い他の市道はしっかり手入れされているんだから。
数か月後に花がどう咲くのか、観察してみたい。
【3月23日追記】正確な資料がないが、千秋トンネルや原の町の通りは県道かもしれない。みその通りが市道なのは間違いなく、通町が途中で県道から市道に変わるのも間違いないはず。
【5月21日追記】以外にも、雪囲いのない通町のものも、たくさん花をつけた。みその通りはもちろん見事な花。
※翌冬には雪囲いがされた。