昨日の続きを新しい記事にするのも馬鹿馬鹿しいですが、やっぱり納得できない大学不認可。
いくつかの報道を見た限りでは、少し光が見えてきたような感じだが、ちょっとよく分からない。
6日午前に田中大臣が記者会見した。
各報道によれば、最初は、引き続き「3大学は認可しない」という方向で持論を展開して1回引っ込み、その後戻ってきて「3大学の来春開学もなくはない」というような発言をしたらしい。
読売新聞は「肝心なこと言い忘れた…田中文科相、唐突な発表」という見出し。
「不認可の正当性を強調しつつ、大学設置の新たな基準で「再審査」を行うことを表明した。」としている。
「会見は17分間でいったん終了した。
しかし、3分後、「肝心なことを言い忘れました」と、田中文科相は再び会見室に姿を現した。」
「唐突に、3大学の「再審査」に道を開いた。説明は2分間。報道陣から続く質問を背に、「皆さんと知恵を借りながらやっていく」と言い残して退室した。」という流れのようだ。
フジテレビは「田中文科相、新設大学めぐり二転三転 会見2分後に再会見」。
戻ってきた時には「「言い忘れたわ」と一言言い」「「肝心なことを言わなかったので誤解を招く」と笑顔で語ったうえで、「新しいルールをつくるわけですから、その基準のもとで、もう1回審査します」と、事実上、不認可の決定を撤回した。」
以上の報道を見れば、最初の方針から大きくトーンダウンしたように感じる。
しかし、秋田魁新報は「来春の開学が可能かどうかは「党とも相談し、あらゆることを考える」と含みを残した。」程度。
NHKでは「改めて開設を許可するかどうか判断する考えを示しました。」。続いて、フジムラ内閣官房長官やオカダ副総理が大臣の大学認可に対する考え方を支持する趣旨の発言を行ったことを続いて取り上げた。番組内での扱いも小さかった。
この2つは、戻ってきて「言い忘れた」うんぬんは触れていないし、あまり大きな転換ではなさそうに受け取れるニュースになっている。
マスコミごとの温度差がだいぶ大きい。
今から再審査して来春開学できるとしても、残された時間は少ない。
志願者や各大学関係者が、やきもきさせられることになるのは変わりない。
ところで、田中大臣は今日の会見(戻って来る前)では、
「『生徒がかわいそうだ』とか『急な判断だ』という意見は当たらない」と述べた(NHK)。
「かわいそう」は当たらないかもしれない、なぜなら、かわいそうどころじゃなく「ひどすぎる」「残酷だ」だから。
「急な判断だ」じゃなければ、何といえばいいんだろう?
また、
「(認可が決まった段階で)既に建物が出来ているのはおかしい。誰かが事前に情報を流しているのでしょう」(読売)
オカダ副総理は「大学設置の認可が出る前に、なぜ、大学の建物が建っているのかなど、分からない部分があり」(NHK)
と述べている。
でも、これは、昨日も書いたように、大学開学日と大学認可申請の提出期限の兼ね合いにより、審査の期間と建物建設の工期の重複が避けられず、むしろ文科省がそうさせているのではないか。
また、提出後は文科省側がフォローしながら、認可にこぎつけていたそうで、「事前に情報を流していた」というのはそれはそうかもしれないが、ちょっと違うと思う。
大臣や政権政党の人なら、そういうことは当然知っていると思っていたのだが。
田中大臣は、人を混乱させて楽しんでいるのだろうか?
仮に今回、地元である新潟で大学新設の申請があったら、どうなっていただろうか。
今日の「言い忘れた」件を知った時、なんとなく、ジミン党の故・中川昭一氏の財務大臣だった2009年2月のローマにおける「酔っぱらい記者会見」を見た時と同じような感慨になった。「この人、大丈夫なの?」というような。(中川氏は、その時、体や心を病んで苦しんでおられたようで、同年10月に亡くなった)
そういえば、田中氏の実家はバス会社(元は鉄道も)「越後交通」。田中氏は取締役副社長を務めているようだが、越後交通内ではこういうわけのわからん言動はしないもんだろうか。
「うちのバスを今年中に全部ノンステップバスにしなさい! メーカーは全部日産ディーゼルよ!」とか。
※国土交通省によれば、昨年度末時点の越後交通の基準適合ノンステップバスの割合は17.67%(41/232台)。日産ディーゼル(現・UDトラックス)はバス車両の製造販売を終了している。
【7日追記】その後、大きく動いたのですが、まずは6日分の補足。
以下、朝日新聞より。
6日の記者会見で、大臣の補足として文科省の前川喜平官房長が「今は認可しないということ。不認可処分をしたわけではない。不認可と伝えたとしたら、その言葉遣いは不適切だ」
混乱を招いたことについては「大臣の意思と齟齬(そご)があったかもしれない。事務方の責任。訂正して謝罪が必要になってくるかもしれない」と、話した。
不認可を受けた報道を見た大臣は「やや気落ちした様子だった」そうで、「そこで事務方が提案したのが、「不認可はまだ法的効力を持っていない」という「逃げ道」。」だった。
要は、苦しい言い訳であって、官僚の皆さんが泥をかぶってくれたようだ。
7日には、3大学の学長や秋田市長が揃って文部科学省や与野党を訪れ、不認可撤回を要望した。
一方、衆議院文部科学委員会も開かれ、田中大臣はそちらに出席。
「3つの大学について、どこかが悪いとは思っていない。」やっぱり個別には見ていないのだ。
そして最後の最後に、委員長に問われて「3つの大学の開設については、委員会審議や諸般の事情も鑑み、現行制度にのっとって適切に対応する」と、一転して認可することを表明した。
NHKによれば、当然3大学関係者は胸をなで下ろしたようだが、
豊橋の学長は「これまでの発言のように何があるかわからないので、信用はできない」
秋田市長は「信頼感を失う、その一点です。一番犠牲になったのは子どもたちなので、一日も早く安心させてほしい」
と述べている。
まったくその通り。
個人的には、田中真紀子と現内閣&民主党そして政治家には、ほとほと呆れたし、今まで以上に信用できなくなった。(強いていうなら、政治家の中で、ホヅミ秋田市長に対してだけは、若干信頼感が増した)
これでよく「政治主導」など言えたものだ。大学改革の前に必要なのは、政治改革だ。
あと、この1週間で、右往左往させられた皆さん。たいへんおつかれさまでした。
ところで、今日の陳情に訪れた人たちの旅費、秋田の美大で4日開催予定で中止になったオープンキャンパスに訪れる予定だった人たち(県外からの参加者もいた)の旅費のキャンセル料等々、この騒動で発生した経済的被害は、賠償してくれるんでしょうか??
【10日追記】
9日には、田中大臣が記者会見において「心からおわびします」と謝罪。
一方、各大学に「設置認可書」が板東高等教育局長から交付された。(札幌の大学は週明けに交付)美大は、秋田市の石井副市長が受け取った。