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でんでんむし

湯瀬温泉を後に、今回も花輪線IGRいわて銀河鉄道で盛岡へ。

岩手県盛岡市は、回数としては弘前の次によく訪れている街。だけど、いつも日帰りで泊まったことはない。しかも、近年はごぶさた(乗り継ぎの1時間での下車は別として)で、ちゃんと街を歩くのは10年ぶりくらい。
盛岡は、大きな川が流れ、きれいで活気がある市街地という印象。今回もそれは変わらず、規模としてはほぼ同格と言える秋田市よりも青森市よりも、にぎやかな都会であると再認識した。

盛岡市街地では、地理感覚がちょっと狂ってしまう。
いつも日帰りで散発的にスポットを訪れていたので、全体的な地図が把握できていないこともあるが、大きい川が3本も流れていて方向や距離の感覚がつかみにくいこと、駅と市街地が少し離れていることが理由だと思う。
今回は、人に連れられての観光だったけれど、以前よりも盛岡を少しだけ深く知ることができた。訪れた場所はまた改めて。今回は「でんでんむし」について。

でんでんむしとは、盛岡市街地の循環バスのことで「盛岡都心循環バス「でんでんむし」」が正式名称。ルート上には、商店街、官庁街、城跡などがある。運賃は100円均一。
運行は、岩手県交通(民営。秋北バス十和田観光電鉄とともにかつては国際興業グループ))。1998年からの試験運行時は別の会社(岩手県北バス)も運行に加わっていたようだが、本格運行の2000年以降は県交通単独。市から委託されているとかではなく、自前(直営)の路線ということなんだろうか。
盛岡駅の出口に向き合うようにして、白い専用車両が客を待っているのは、すっかりおなじみの光景になっていると思う。

1周5.7キロ、35分で、「右まわり」「左まわり」として両方向の運行。いずれも9時から19時台までの運行。
昼間は、左まわりが15分ごとなのに対し、右まわりは10~15分ごとと不均一。しかも、時刻表にも、その部分は「10~15分間隔運行」としか書かれておらず、いつまで待てばいいのか分からないのは、不親切。
※法令では、時刻表にそのように記載することが認められており、かつての秋田市営バスでも行われていた。ただ、客の立場になれば…ということで。
また、盛岡駅前での待機時間がけっこう長く、運転士がいない状態でだいぶ待たされた。
とは言っても、分かりやすいし便利。多くの市民・観光客に利用されていた。

約10年前に続き2度目の乗車。
駅前の乗り場では、左右両まわりが連なって客待ち中。奥の左まわりに乗車。
場所的に撮影しずらいし、バスが長い
かつて国際興業グループだった頃は、岩手県交通いすゞのバスばかりで、でんでんむしもいすゞの中型バスだった。現在は、他メーカー製の中古車で、より大きいサイズの車も入っている。専用車両は右まわり6台、左まわり4台。
今回乗ったのは、日野製の長いノンステップバス。中型バスを大型バスの長さまで伸ばした「中型ロング」の「レインボーHR」である。
この車の座席は、東京都交通局のマスコット「みんくる」柄。
つまり、秋田中央交通に今春来たのと同じ、都営バス中古のレインボーHRに乗ることができた!
こうして見ると長いし、非常口が前寄りにあって違和感
乗ってみれば、普通のバスと違いはほとんどなし。戸袋部分に座席がなく、立ち席スペースのようだ。
なかなか出発しないうちに、かなりの混雑になってしまい、乗り心地もよく分からなかった。
右まわり用のレインボーHR。青虫が前のめりになっているような
右まわり用のレインボーHRは、西東京バスの中古とのこと。側面の行き先表示の位置が違う。


でんでんむしの車内には、バスカードリーダーや整理券発行器は、一般路線車両と同じく設置。整理券は出ないし、一般的に100円バスでは割引の重複になるとして回数券・カード類は使えないところが多いのだけど…
まず、支払いは、岩手県交通発行分に限り、バスカードが使えるとのこと。(岩手県北バス発行は使えない)【2019年6月3日追記】コメント欄の通り、2019年にバスカードが使えなくなった。
また、車庫~駅の回送を兼ねた一般路線運用もあるそうで、そのために設置していることになる。反対に一般路線車が間合いででんでんむしに入る定期運用もあるとのことで、なかなか複雑。
運賃表示器はLEDデジタル式で、「100」の固定表示と次のバス停名を表示していた。

車載カメラはドーム型で、車両前部のほか、中ドア付近にもあった。
秋田中央交通はドーム型でないカメラを前部に車外・車内向きに1台ずつ、弘南バスはドーム型を前に1台。


帰りに乗った右まわりは、
中型のいすゞエルガミオ
やはりこちらも混雑。全部大型車でいいのでは…
これは県交通生え抜きの車両。前回乗ったのもこの車だったかも。
ワンステップで行き先表示が幕式。正面には県交通のマーク(社章)もある。
ノンステップのエルガミオもあるが、そちらはLED表示で、社章あり。
LEDの行き先では英語併記の文字だけだが、この幕式では、
左にカタツムリの絵!

正面のインパクトがあるアオムシ?(ヘビ?)の絵など、車体デザインは運行開始時の小学校1年生の作品だそう。
でんでんむしというわりには正面がアオムシなのはなんか物足りないけれど、これなら分かる。なお、側面にはカタツムリが描かれている。

ただし、運行開始からしばらく(エルガミオ導入時点でもそうだったはず)は、方向幕は「盛岡都心循環」という表示固定だった。
方向幕の車両は残りわずかなようだから、このカタツムリもいずれ見られなくなるのだろう。LEDでも少し工夫してできなくもないでしょうけど。群馬県の「鬼押出し園」行き西武系列のバスでは、正面に鬼の顔が表示されていた。


ところで、帰りに乗車した県庁市役所前のバス停では、でんでんむしを待つ数分の間にも、盛岡駅方面行きの一般路線バスが数台通過した。岩手県交通のほか、赤と肌色の岩手県北バスも1台。
でんでんむしだから100円なわけで、一般路線バスでは、それ以上かかるのだろうとやり過ごす。
帰ってから調べると、たしかに県交通の一般路線バスでは、この区間は150円かかるが、県北バスでは、でんでんむし対抗の意味で100円で乗車できるのだそう。バス停には表示があったのかもしれないけれど、確認せずに決めつけてしまっていた。
【28日追記】鳥取市では、100円循環バスの運行範囲内では、一般路線バスも100円に統一されていた(循環・一般とも民間2社が運行)。このやりかただと、客としては分かりやすいし混雑も分散されてありがたい。

【24日追記】盛岡駅到着前の車内放送の後に、男声の歌が流れた。「バスはぼくらのスニーカー」といった歌詞。弘南バスでは、10年ほど前の音声合成化以前には、同じタイミングでオルゴールの音楽が流れていた。
盛岡駅前。右が駅舎
街の構造が違って一概に比較はできないけれど、周辺各県の市街地循環バスを比較。
弘前市土手町循環100円バスは、1998年試験運行、1999年本運行。片方向で10分間隔。
秋田市では、1997年に「無料買物バス」を試験運行したが2年ほどで消滅。2012年になって、やっと中心市街地循環バス「ぐるる」が100円均一で運行されるようになったが、秋田市が運行主体となって税金を投じている。片方向で20分間隔(しかも遅れ気味)。
青森市にはこの手のバスはないが、商店街も官庁街も、駅から徒歩圏内にあるせいかもしれない。
歴史と使いやすさでは、やはり盛岡と弘前が抜きん出ている。

【24日追記】地方都市では、JR駅対市内各地の移動が多く、循環・環状運行のバスであっても駅を越えての移動の需要は多くはないはずだけど、皆無でもないと思う。
でんでんむしでは、盛岡駅到着時点で運行を終えて長く待機(回送に入ることもあるだろう)していて、駅を越えての乗車は想定していないようだ。これは、両方向での運行だから、駅を越えて乗りたければ、反対周りに乗車しろということか。
弘前では、駅周辺で行ったり来たりとバスターミナルでの待機・時間調整があり、駅を越えて乗るとすれば10分程度ロスしてしまう。車両交代時には、最初のバスでの支払い時に乗継券を配布。
秋田では、時間調整の待機がほとんどないタイトなダイヤで、駅を越えて乗っても乗車時間ロスはないものの、タイトなダイヤが災いして遅延が多いのが実情。車両交代時には最初のバスで支払わずに降車させてもらえる(買物広場で運行終了・次発が20分後の場合は対象外)。

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