広く浅く[blog.goo.ne.jp/taic02より移転]

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大島商会 移築保存へ

閉店した秋田銀行秋田支店の建物などで述べたとおり、秋田(県全体なのか秋田市近辺だけなのかは知らない)という土地は「古い建物を残したがらない」地域性があるように思えてならない。
ただ、古い建物を残すには費用もかかるし、新陳代謝があってこそ、人々が暮らす街であり、いつまでも全部が古いままなのがいいということではないのでもあるのだけど。

秋田市中央部で「都市計画道路川尻広面線」が、長い年月をかけて造られている。(造るのは県で完成後は市道になるらしい。)
南大通りから五丁目橋を渡って、新国道のドン・キホーテ横(山王五丁目交差点)へ出て、御休み通りにつながる東西方向の道。
これまで道がまったくなかった西側の「寺町工区」は、2013年に開通
あとは、その東側、現在は西行き一方通行の横町通りを拡幅する「横町工区」の本格着工に向けた準備が進んでいる。

横町は、それなりの商店街であり、昔のたたずまいがあって、それがなくなるのはちょっと惜しい気もする。
その中で、大町六丁目にひときわ気になる建物があった。
(再掲)2009年撮影
赤いレンガ造りの2階建ての大きくはない建物で、今は生花店が入っている。【2020年4月11日追記・秋田魁新報によれば生花店「花京都」が1994年から入居。移築決定後、近くへ移転。】
これは、1901(明治34)年築の国登録有形文化財「旧大島商会」。秋田初の百貨店で、秋田県内最古のレンガ造の建物。
※旧・秋田銀行本店の秋田市赤れんが郷土館は1912年築。

現在の道路スレスレの建っていて、拡幅で影響を受けるのは必至。秋田のことだから、まさかこれも解体されかねないと思っていた。
少し前の新聞に、所有者(=後述)が保存してくれることを前提に買い手を探しているという記事がでていた。


12月15日付秋田魁新報 秋田市地域面に、その処遇が決まったという記事が出た。「旧大島商会 移設、保存へ」。
※建物は幅9メートル、奥行き7メートルとのこと。
まず、所有者というのは、秋田市保戸野で菓子店を営む塚本さん。
通町にある、商品は「りんごもち」や「芭蕉せんべい」が著名で、菓子店の店舗も歴史的な建造物(1918年築、国文化財)として有名な「高砂堂」の経営者である。
秋田市には「旭南高砂堂」「モン高砂堂」もあり、分家・のれん分けみたいな関係はあるが、別の店なので商品は異なる。
(再掲)右端が高砂
20年ほど前の通町の道路拡張の際は、補償金を上回る費用を持ち出して曳き家して建物を残した。

どういう経緯かは知らないが、文化財をもう1つ所有していたとは!【16日追記】これまで2つの文化財を維持管理してきたわけで、そのご苦労がしのばれる。

魁によれば、大島商会の買い手は見つからず、5月に秋田市へ寄贈することにした。秋田市はそれを移設(いったん解体して建て直し)して保存することになるとのこと。文化財登録は継続できる。


さらに、その移設先候補地。
大町一丁目の旧秋田魁新報社跡地である市有地。高砂堂の向かい側を入った、だるま祭りの星辻神社の並び。
ここは2012年に地元有志による商業施設ができる計画が浮上し、早ければ2019年にも…という話もあったが、現時点ではその気配はなかった。
魁によれば、その「事業者からは前向きな反応を得られている」。
大町六丁目5番地から一丁目2番地へ、直線距離では800メートルほどの移動。


貴重な建物を残すことができ、なかなか進展がなかった空き地の活用にもなり、古い建物を商業施設(の一部)として使うことで集客効果も出そう。【16日追記】移築された建物と商業施設の関係性がどうなるかは、現段階ではまだ分からない。商業施設とは別扱いになるかもしれないが、いずれにしても工夫すれば人は呼びこめそう。
移築費用がどのくらいになるのかは気になるが、全体的にうまくつながる展開で、秋田にしては珍しくきれいな流れになりそう。計画倒れにならないことを祈ります。※その後はこちら