25日夜のNHK総合テレビ「Bizスポ」に、ソフトバンク社長の孫正義氏が出て、他の何人かと「震災後の日本経済をどう立て直すか?」というテーマで議論していた。
その冒頭で孫氏は、「原子力発電所の事故の被害が大きい福島と地震や津波による被害を受けた地域とでは、別の対応をするべきだ」という趣旨の発言をした。これはまったくその通りだ。
しかし、その中で、地震や津波の被害を受けた地域として「宮城とか秋田とか」と2度、発言されていた。
ご承知の通り、幸いなことに秋田県では地震の被害は軽微なもので、死者はいない。
孫さんが秋田に思い入れがあり、秋田のことを思ってくださって発言されたのなら、秋田県民として嬉しいが、そうではないだろう。(そうだとしても本当の被災地に申し訳ない)
地震の気象庁の命名が「東北地方太平洋沖地震」であること、連日報道される被災地の光景は三陸など太平洋側のものであること、そして秋田県が日本海側に位置することを知っていれば、上記のような発言は出ないと思う。
孫氏は西日本で生まれ育ったようなので、東北地方の地理に詳しくないのかもしれないし、多忙でニュースの細部まで把握できていないのかもしれない。でも、我が国有数であり、全国的ライフラインをつかさどる大企業の社長さんが、その程度の認識だとはがっかりした。
孫氏はツイッターで、このテレビ出演について、
「国難の時なので問題発言になると思いますが今夜は少し本音を語ります。」
とつぶやいておられるが、本音うんぬんの前に、前提からして勘違いしてるんじゃないの? と思えてしまう。
また、スタジオには、レギュラーの大学教授や経験豊富な記者、アナウンサー、そして他のゲスト達がいたが、誰一人、「秋田じゃないです。それを言うなら岩手や茨城じゃないですか?」などと突っ込まなかった。そして、最後まで、訂正はなかったようだ。
秋田だろうが岩手だろうが、話の流れに大きな違いがないから、細かいことにこだわらなかったのかもしれないが、NHK自体もそういう認識なのかとがっかりした。
この調子では、一般人でも同じような認識の人が少なからず存在するのだろう。地方と東京の間には、まだまだ認識・意識の壁が存在するようだ。
こういう誤解をなくすことこそ、スムーズな復興につながるのではないだろうか。
【26日補足】この記事は、孫氏やソフトバンクの震災に対する対応を批判しているのではないことを書き添えます。
些細なこととはいえ、社会的影響力のある大企業の経営者が基本的・常識的なことを勘違い(?)して公の場で発言し、それを公共放送局がそのまま流していることに対する批判です。