前回の続きです。
姿は少しずつ変化したとはいえ、「仲小路」という1つの名前の通りである以上、1つのつながった道であることは不変だとばかり思っていた。
しかし、仲小路は分断されてしまう。いや、それ以前に既に分断されたとみなしてもいい状況になっている。
今回は、この2つの仲小路の分断を取り上げます。
1.秋田中央道路出口の完成
2007年に完成した秋田駅の東西を結ぶ秋田県道の自動車専用地下道「秋田中央道路」。(概要・個人的な考えはこちらをご覧ください)
方向別に2本のトンネルを造る計画だったが、結局1本だけ造って対面通行しているので、構造上無理がある点がある。その1つが「中央街区出口」。
トンネル両端の出入口のほか、途中の秋田市中心市街地にも「中央街区ランプ」という出入口を造る計画だったようだが、現状の1本の対面通行ではその構造上、中央街区には片車線からの出口だけで、「東側から来た車が出ること」しかできない。
中央道路建設の目的の1つが「中心市街地の活性化を支援」することだったのだが、出口しかなく入口がないのにそれを掲げるのは苦しいと思う。
そればかりか、(自動車専用の中央道路と関係ない)歩行者にとっては、この中央道路によって中心市街地、特に仲小路が歩きにくいものになってしまったと、僕は思っている。
中央道路の出口ができたのは、前回記事の写真[14]の日赤跡地北側、キャッスルホテル裏の交差点付近。下はその開通前後の略図(上が北。右が秋田駅方向)。
開通前
開通後
緑色がトンネル出口
従来は狭い市道どうしの十字路だったのだが、交差点北東にトンネル出口ができ、変則的な五叉路のような形態になった。また、トンネルの続きの交差点南側の道路が拡幅された。
交差点西側から
これに伴い、仲小路を通る人が渡る東西方向の横断歩道の距離が長くなったばかりでなく、信号機のサイクルが変わって待ち時間が長くなった。さらに、トンネル出口がある北側の横断歩道が廃止されてしまった。
秋田駅方面から仲小路経由でキャッスルホテルなどに行きにくくなり、気分的に遠くなってしまった。中央道路出口が仲小路を分断する「溝」になってしまっていると思う。
以前は横断歩道があったトンネル出口
2.仲小路の一部の廃止
さらに追い打ちをかけるようなことが起きようとしている。
先日、秋田市などが、日赤跡地付近の仲小路を5月26日から車両通行止め、7月中旬以降は歩行者も通行止めにすることを発表した。(前回記事[11]から[14]の間=上の略図の交差点右側の100メートル弱。詳細は「秋田市市勢活性化推進本部」のサイト参照)
日赤跡地の再開発工事が始まるわけだが、「工事のための通行止め」ではなく、「市道を廃止」、つまり永久に道路でなくなってしまうのだそうだ。これはすなわち、仲小路が本当に分断されてしまうことになる。
現地には看板が立つ
日赤・婦人会館跡地には、「秋田市にぎわい交流館」「県立美術館」や商業施設など官民の施設が2012年に完成する計画らしい。今の仲小路部分にも建物ができ、車は通れなくなる。歩行者用の通路は確保されるようだが、北側にずれて設置されるそうで、まっすぐの仲小路ではなくなる。
「中通一丁目地区市街地再開発組合」が主体らしいが、なんかよく分からない。
市道の廃止が分かった時、広小路と仲小路の商店街の人たちが秋田市や組合などに計画見直しの申し入れをしたが、あまり相手にされなかったようだ。
僕自身、よく計画を見ていないし、何かやらなければいけないのは分かるから、この事業に反対はしない。(成功することを祈ります)
でも、商店街の人たちが心配するのはもっともなことだ。あえて「仲小路を分断する」ことが必要なのだろうか。歩行者通路が北側に移動するということは、横断歩道のない、トンネルそばにつながるはず。今以上に、仲小路の西側に行く機会が減ってしまうだろう。
再開発組合は、地権者などから構成されるようだが、他の近隣の商売をする人たちのことを考えてるんだろうか?
以前、タウンビークルという、再開発区域を走る乗り物を紹介したが、それも最初の計画は市街地周回でなく、駅と日赤跡地の単純往復だったはずだ。それと同様、自分のことしか考えてないように思えてしまう。
秋田市も「コミュニティ道路」とか言って整備しておきながら、その25年後にいとも簡単にそれを切り裂いてしまうなんで、「時の流れ、時代の変化」で済ませられることなのだろうか?
ここが道路でなくなる
近くに迂回路もあるし実際の影響はそれほどないとは思うが、「仲小路がバラバラにされる」ということの意味は大きいのではないだろうか。
ところで、前回の記事[11][12]の明徳館ビル前、日赤跡地東側の十字路交差点。西側が廃止されて丁字路になるのか。
信号機に注目
この交差点の信号機、3か所はLED式なのに、一方通行逆走側の信号機だけは、電球式で車用は横型。
電球式の横型
実は、これが1985年に仲小路が整備された時に設置された信号機。
かつては仲小路の3か所の交差点すべてがこのタイプの信号機だった。
今でこそボディが着色された信号機は当たり前だが、当時の秋田の信号機はすべてグレー系だったので、こげ茶色の信号機は斬新だった。(車用信号機が縦型になったのはこの翌年くらいから)
当時秋田県警が好んでいた、赤灯だけ少し大きい仕様
今のカラー信号機は単純に着色しただけだが、これはボディ自体が特注品らしく、かなり大ぶり。雪が積もりやすそう。
点灯部分に比べてボディがデカい
最近の薄型LED信号は「お弁当箱」みたいだけど、これは「ドカ弁」? 取り付け部分も大げさでよろいをまとったみたいでもある。
1984年製。材質は鉄だろう。現在はアルミが主流
前回も引用した広報紙に「信号機をシンプルなものにする」とあった結果が、これなのだろうが、シンプルというか、おもちゃみたいだ。
中央道路の開通と前後した頃、各交差点とも、新しいものに順次交換された。
信号機は茶色いのに、柱が無着色で味気ない(他の交差点には茶色い柱もある)
そしてなぜか明徳館ビル前の1本だけ、古い物が“生き残った”。
一方通行逆側だから、あまり重要でない(軽車両くらいしか見ない)と考えたのか、ひょっとしてこの市道が廃止されることを見越していたのか?
話が最初に戻るが、隣の中央道路出口交差点は、五叉路から四叉路になる。しかも一方通行の関係上、実際は2通りのパターンで車用信号機を制御できるようになるはず。
うまくやれば歩行者の待ち時間を短縮できそうだが、どうなるだろうか。
【26日追記】通行止め初日の段階では、通行止め側の車両用信号機も含めて従来通りに作動していた。
【9月11日追記】その後、8月下旬頃に廃止区間に関係する歩行者用信号機計4台、車両用信号機計2台(上記の横型を含む)が撤去された。
信号のサイクルは変わっていない模様。
※その後、2013年末に歩行者信号機のサイクルが変わって、待ち時間が多少短縮された(リンク先後半)。