
冒頭の文字、ある場所に書かれているものなのだが、何という字でしょう?
※モノクロに変換しています。
僕は以前から、この文字が宍戸錠・宍戸開の「 宍 」に見えてしょうがない。
実はこれは「 央 」。
本来は「大」や「人」のようにつながっている、左右の“払い”が独立して、「六」状になっていて、それで「宍」と見えてしまうのだ。
書かれている場所は、
ここ秋田中央交通の路線バスの車体側面の社名表記。
「秋田中宍交通」?現在の同社の塗装では、後輪直後のすその方に白抜きで社名が表示されている。上の写真の通り、運転席側では右から左に向かって表記されている。
それに、「田」や「中」の「口」の部分の文字の幅が、上より下の方が狭くなっていて、一般的な活字体とは異なる(輪郭の縦線が垂直でない)。
僕は社名の書体までは意識しておらず、このことに気づいたのはここ数年のことだった。
ただし、よく見ると、中央交通の全車両がこの表記ではない。
このように普通の「央」の表示の車両もある「田」はほぼ正方形だし、一般的な丸ゴシック体のようだ。
「宍」風の「央」になるには条件があることが分かった。
それは、「宍」風なのは、新製時のまま塗装が変更されていない、いすゞ製もしくは日産ディーゼル製のバスのみだということ。(冒頭の写真はいすゞ製)
日産ディーゼル製つまり、新車で購入しても日野製と三菱製では普通の「央」であり(2つ上の写真は日野製)、いすゞや日産ディーゼルでも他のバス会社から譲渡されたり古くなって塗り直した車両では普通の「央」になっている。
※新車として最新であるはずの、2010年導入のいすゞ製ノンステップバスの表記は未確認。わずかにある富士重工ボディのいすゞ製の表記も未確認【2015年2月18日追記】富士重工ボディのいすゞの車両も「宍」らしい。
日産ディーゼル製は、富士重工ボディ、西日本車体ボディどちらも「宍」風であることを確認済み。
また、ラッピング広告バスでは、メーカー等に関わらず普通の「央」。
日産ディーゼル製は、富士重工ボディ、西日本車体ボディどちらも「宍」風であることを確認済み。
また、ラッピング広告バスでは、メーカー等に関わらず普通の「央」。
現在は同社路線バスの半分近くが中古車だと思われるが、一方で同社が新車で購入する車両はいすゞが圧倒的に多い。
それらを踏まえると、割合としては、4割弱くらいが「宍」風の「央」表示だと思う。※個人的な憶測です。
日産ディーゼル製といすゞ製では、文字の間隔は若干違うが、デザイン的には同一の文字のようだ。
いすゞ製しかし、いすゞのバスの一部では、
2002年導入と思われるいすゞ製車両微妙に違うのがお分かりでしょうか?
2002年の車両も「宍」風ではあるが、「田」や「中」は丸ゴシック体っぽい。「中」の箱が大きい。
それから、いすゞ製貸切バス仕様の「三平バス」は、メーカーのデモ用「サンプルカー」を譲り受けたものだが、
こちらも「宍」風青い文字なのが変わっていて、車体の大きさと比べて小さめで若干細身のような感じもするが、書体は同じだった。
なお、路線バス仕様のいすゞ製三平バスは、なぜか普通の「央」だった。
先日導入された、空港リムジン・近距離高速バス用のいすゞ製車両も普通の「央」だったが、これは実質的には日野が製造したバスのブランドだけをいすゞにして売っているようなものだから、日野流なのだろう。
さらに、今ではとても少なくなった、淡い色が多用され、社章が側面に付いている一世代前の塗装。(写真はだいぶ前の撮影なので、廃車または新塗装への塗り直しにより、現在はなくなっているかもしれません)
(再掲)個人的にはこの塗装が好きだけどこの塗装では、社名が黒い文字で表示される(位置的には現在の塗装より若干上)。
上の写真の日野製の車両は、普通の「央」だと思われる。
いすゞ製では、
やはり「宍」風例えば、青森の「工藤パン」の旧ロゴは「ユ藤パン」に見えたというし、僕が子どもの頃は桃屋の海苔の佃煮「江戸むらさき」のロゴが「にやむらさき」に見えてしょうがなかったなど、企業ロゴはデザイン優先のところがあるのかもしれない。
ところが、中央交通の公式サイトを見ても、社名のロゴとして「宍」風の「央」を使っているわけではないようだ。
それに、中央交通は、いすゞと日野とは長いつきあいがあるが、日産ディーゼルや三菱と取り引きするようになったのは旧秋田市営バスの移管が始まった頃から(三菱とは大昔に取り引きがあったらしいが、途切れていた)。
なぜ、こういうユニークな文字になり、しかもそれがつきあいの長さと無関係に一部のメーカーの新車だけに記載されているのだろうか?
中古車・再塗装車も含めると、社名表記にはもっといろいろなバリエーションがあるのかもしれない。
たしか、運転席側なのに、左から右向きに書かれている車両があったようだ。ほかにもいくつかあって、
日野の小型バス「リエッセ」。
秋田市内では、秋田市交通局から譲渡された車両と、自社で購入した車両が混ざって使われているが、塗装の配色が若干異なり、社名の表示位置も違う。
(再掲)左が元市営、右が自社購入リエッセでは、運悪く本来の表示位置に網状の通気孔があり、文字を表示できない。
そのため、そこを避けて表示しているのだが、交通局譲渡車では通気孔の上部、自社購入車では下のすそギリギリの位置に表示している。(写真が再利用のため、分かりづらくてすみません)
こちらは、
新しい塗装だけど、文字だけが旧塗装式の黒色※これは自社購入のいすゞ製だが、塗装し直されているらしく、普通の「央」
牛島方面などで見かけるバス入口ドアが車体中央ではなく、後輪より後ろの最後部にある珍しい配置。(窓も少数派の横スライド式)
関西の南海バスの中古車のようだが、バス停で待っていてこのバスが来ると、いつもうろたえてしまう。
後輪の後ろにドアがあるということは、
ドアに社名が書いている!これじゃあドアが開くと、社名が分からないよ。
いすゞと日産ディーゼルの新車でだけ見られる「秋田中宍交通」。
しかし、以前市営バスカテゴリーで取り上げたように、日産ディーゼル(UDトラックス)はもうバスを扱わないようだし、上記の通り中央交通自体が、路線バスは中古車メインで新車を買い控えている印象がある。
次に新しく「秋田中宍交通」表示の車両が導入されるのは、いつだろう?
※その後、2011年12月にいすゞ製の新車が導入されたが、「中宍交通」ではなかった。
※他のバス会社でも「宍」があった。
※塗装に関して関連記事
震災復興の需要などにより、秋田空港の利用が好調で、この冬のダイヤでは、羽田便と伊丹便が1日当たり2便ずつ増便され、両航路とも開港以来最多便数となるそうだ。
震災で秋田空港の利便性がよくなったのは皮肉だが、便数が増えるということは、リムジンバスも増便しないといけない。積雪期はダイヤに余裕を見ておくことも必要だから、中央交通さんはやり繰りが大変そう。