セイヨウタンポポといえば、春の植物・花の代表であり、帰化植物、いや外来生物の代表でもある。
…はずなのだが、秋田市街地では、最近、タンポポ(在来タンポポは市街地にはまずないので)をあまり見なくなった気がするような。全国的にスズメが減っているのと同じように、変化が起きているのだろうか。
ちなみに、同じキク科帰化植物であるハルジオン、ヒメジョオンは、今もそれなりに見る。
タンポポの代わりと言えるかは分からないが、以前より増えていると感じるのが「ブタナ」。

タンポポと同じキク科(属は異なる)で、「タンポポモドキ」と呼ばれることもあり、花はそっくり。葉も若干似ている。だけど、花はひょろひょろと長い花茎の先に咲くので、全体の見た目はだいぶ違う。
ブタナは、フランス名の直訳だそう。なお、キク科には花粉症の原因になる「ブタクサ」もあるが、それはだいぶ違う姿。
ブタナも帰化植物で、1933年に札幌、1934年に六甲山での記録がある。
僕がブタナの存在を知ったのは、平成元年=1989年の今ごろ。
学校行事で訪れた、秋田市の八橋運動公園だったか、大森山公園だったか、どちらかに咲いていた。タンポポにしてはひょろっとしてるなというのが第一印象。
その後、街なかにも進出し、空き地や街路樹の根本など街なかで見ることが見ることが増えた。今年、意識して見てみたら、改めて、増えたと実感した。家屋解体に伴う空き地や、除草が行き届かない場所が増えた。そういう環境が、タンポポよりもブタナにふさわしいのだろうか。
6月初めブタナがほぼ均一に生えて花を咲かせている草地――たまに草刈りされ、ドクダミなども共生――の中に、オレンジ色の花が数輪咲いていた。

やや背が低く、花はやや小さいが、花の雰囲気はそっくりで、ブタナの色違いかに思えた。マリーゴールドの色違いみたいに。突然変異?!
数日後オレンジ色の花が増えていた。
その咲きかたは、ブタナと違っていた。ブタナは、1つの花茎に1輪しか咲かないが、オレンジ色のは3輪以上咲いている。先日は1輪だけだったのは、咲き始めだからか、あの日は天気が悪かったからなのか。
さらに、花茎がやや太めで毛が生えているし、葉はロゼット状ではあるものの、ギザギザしていない。
ということで、別種だった。この咲きかたを見ると、どこかで見たような気がしたし、なかなかかわいらしい。
これは「コウリンタンポポ(紅輪~)」。タンポポの名が付くが、タンポポとは属は異なる(ブタナとも別属)。
別名「エフデギク(絵筆菊)」。先入観かもしれないが、遠目に見ると平筆のように見える。
コウリンタンポポも、セイヨウタンポポ、ブタナと同じく、ヨーロッパ原産。
北半球各地に帰化していて、日本には明治に来たが、戦後、北海道で分布拡大し、生態系への影響が懸念されている。全国的に見られるようだが、寒い土地に強いのか?
なお、黄色い花の「キバナコウリンタンポポ」という別種(=色違いではない)も帰化している。
観察。
地際に写っている葉はドクダミ花はかわいらしくもあるが、色はどぎついとも言える。
1つの花茎にあるつぼみは、3つや4つではきかない。ネットで画像検索すると、咲く順番は、下(外側)から咲いている花茎と、上(中央)から咲いている花茎があるみたいで、ランダムということか。今回実物を見たものは、外から咲いていた。上の写真、中央に飛び出ているのがつぼみで、アザミっぽい。
右はブタナのつぼみ全体に黒く長めの毛があるのも、アザミっぽい。「剛毛」とするサイトもあるが、触っても痛くなかったので、そんなに硬くはない。

ブタナとコウリンタンポポが隣り合って咲いていた秋田市街地でコウリンタンポポを見かけたのは、3か所(うち2か所は近接)。生育環境は、ブタナと共通するようだ。ブタナより背が低いので、日当たりは不利かもしれないが、コウリンタンポポの繁殖力はすさまじいようだ。あと何年かすれば、ブタナに取って代わるようなことがあり得るかどうか。
※秋田市内のさらに別の場所でも、ブタナとコウリンタンポポがしのぎ合っていた。2025年6月16日の記事。