広く浅く[blog.goo.ne.jp/taic02より移転]

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ちょっとだけ桜島

前回に続いて、九州旅行記の鹿児島・桜島のお話です。
桜島は、かつては桜島町という独立した人口5000人ほどの自治体だったが、2004年に鹿児島市編入・合併された。一種の飛び地だ。
桜島町鹿児島市中心部を行き来するには、陸路は遠回りなので海を渡る(直線距離で3キロ程度か)。橋や海底トンネルを造ろうという構想もあるが具体的ではないようだ。現状では「桜島フェリー」が唯一の手段。

桜島フェリーは便数が多く、運賃も安くて利用しやすい。
今回使った、市電・市バスの一日乗車券にフェリーの割引券が付いていた(この記事で説明しています)ので、せっかくだから渡ってみることにした。あまり滞在時間はとれないけれど。


鹿児島県は島が多く、県庁所在地である鹿児島市にはそれらへ向かう多数のフェリーが発着している。乗り場は「鹿児島港」といっても散らばっていて、方面別にまったく別の場所なので注意が必要。
桜島フェリーは「鹿児島本港・桜島フェリーターミナル」という所を発着する。
鹿児島港の中では北の方で、JR(鹿児島中央でなく)鹿児島駅鹿児島市役所に比較的近い。

フェリーターミナルへのアクセスは市電か路線バスがある。JR鹿児島駅からだと徒歩も可能で10分くらい。
バスは、鹿児島市営バスと民間会社(鹿児島交通?)が乗り入れているようで、それなりに本数があるようだ。(民間会社のホームページが秋田のバス会社以上にヒドく、路線がまったく把握できない)いずれも鹿児島中央駅天文館・市役所前を通るはず。
市営バスの場合、「水族館行き」または「水族館経由ドルフィンポート行き」、それに観光循環路線のカゴシマシティビューウォーターフロントコース」に乗って「水族館前」で下車すればいいようだ。中央駅からの運賃は180円。(民間バスなら、たぶん150円)

なお、鹿児島中央駅のバス乗り場は、市営・民間とも、天文館・市役所止まりのバスと共通の乗り場。(カゴシマシティビューは別)
この路線は秋田駅前の車庫行きバスのように、回送を兼ねたバスが次々に発着するので、ぼーっとしていると乗りそこねてしまう可能性がありそう。行き先に注意し、手を上げるなど乗車の意思表示をした方がいいかもしれない。

運賃160円均一の市電には、「桜島桟橋通」という停留所があるが、その1つ天文館寄りの「水族館口」電停の方が若干近いようだ。そこから徒歩5分ほど。(フェリー発行のガイドブックでは、水族館口が最寄り電停になっていた)
フェリーターミナル前の通り
上の写真のように、歩道橋・フェリー待合所・「かごしま水族館」が屋根付きデッキみたいなのでつながっている。
ほかに周囲には、NHK鹿児島放送局(平日昼間は4階から桜島を展望できる)、商業施設「ドルフィンポート」など、新しい施設がある。秋田市土崎港のポートタワー・セリオン周辺をもっと賑やかにしたような雰囲気。

桜島フェリーは、広島県の宮島へ渡るフェリーと、共通する点も多い。
宮島のフェリーは、民間会社(JR系含む)2社が競合し、早朝から深夜までほぼ15分間隔で運航、所要10分、片道運賃170円だった。

一方、「桜島フェリー」は公営。かつては桜島町営だったが、合併に伴い、鹿児島市船舶部が管轄している。
同じく鹿児島市の公営企業で運輸事業を行う、交通局(市電・市バス)とは別組織。(桜島町には町営バスがあったが、こちらは交通局に吸収され、現在は飛び地で営業している)
なんと24時間営業で、昼間は10~15分間隔で運航している(深夜は1時間間隔)。所要時間は約15分。車も運ぶ。
運賃は片道150円(バスや市電のICカード乗車券決済も可能)。上記の通り、市電・市バスの一日乗車券には、1割引券が付いてくる(往復各1回分)ので、120円。
さらに、あまり知られていないようだが、一部コンビニチェーンにある端末(ローソンのロッピーなど)でチケットを購入すれば140円で購入できるようだ。ローソン、ファミリーマート、サンクス(サークルKは?)が対応しているようだ。(車で乗る場合の割引もあり)

宮島連絡船同様、島側の桟橋でしか運賃収受を行わないシステム。
鹿児島市街側から行く場合は下船後に支払い、帰りは乗船前に支払うことになる。
そんな事情もあって、鹿児島市街側の乗り場は
がらんとしたたたずまい
定期券販売などを行う窓口はあるようだ。
まだ船に乗る前ですが、
桜島が見え、既に「ようこそ桜島へ」の看板も

行きに乗った船は、これ
第十五櫻島丸(帰りにすれ違った際に撮影)
またの名(愛称)を
チェリークィーン
「“桜”島」だから「チェリー」なのか。キャラクターはカブではなく、桜島ダイコンでしょうな。
他の船も含めて、宮島フェリー同様、前後どちら向きにも進める構造のようだ。

桜島フェリーには、現在6隻の船舶が就航している。(皆、「第◯櫻島丸」という名だが、数字は飛んでいる)
その中でこのチェリークィーンは3番目に新しく(1995年就航)、大きさではトップクラス。車を載せる甲板が2層になっており、客席も2層というか宮島フェリーのように展望デッキ(スカイデッキ)がある。納涼船や洋上結婚式などのイベントや貸切の運航にも対応しているようだ。
展望デッキ。煙突? には王冠?

下の階の船室
広々としていて、ラウンジのような場所(展望室)もある。
売店や名物だという立ち食いうどん・そばもあり、短時間の航海にしては充実した設備。

客席はガラガラだが、車両甲板はほぼ満車だったようだ。定員738名、乗用車積載64台。
宮島でもそうだったが、出港はあっさりとしたもので、以後、地元の皆さんは船室内で過ごし、観光客はデッキに出て景色を眺める傾向。
JRの宮島連絡船は、便によっては遠回りして大鳥居を見せてくれたが、桜島フェリーではそのようなサービスはなく、一直線に桜島に向かう。
だから当然、右側とか左側というより、正面に桜島が見えることが多かった。
スカイデッキから桜島
この時もひんぱんに噴煙を上げていて、我々観光客の目を楽しませていた。
すぐに桜島に入港
山が近すぎて、かえって見えにくくなった?
宮島連絡船は、港に正面から着岸していたが、桜島フェリーは脇を着岸。タグボートはいなかったようなので、横に進める装置を備えているのだろう。

桜島側は「桜島港(袴腰)」の「桜島港フェリーターミナル」。鹿児島市街側の「桜島フェリーターミナル」(“港”がつかない)と紛らわしい。
こちらもわりと立派なターミナルで、バス乗り場も同居する。島内は市営バスと民間バスがエリアを分けて運行している。

フェリーターミナル周辺は山が迫り、道路が曲がりくねっていて、見通しが悪い。
ターミナルを背にして、右方向に少し行けば、観光できる場所があるようだ。
300メートルほど進むと「袴腰」という交差点がある。その周辺に、道の駅や国民宿舎霧島屋久国立公園のビジターセンターや散策路があり、徒歩で観光する場合は、ここがメインの観光スポットになる。

なお、宿泊施設や温泉施設があるので宿泊したり、車やバス(鹿児島市街発の定期観光バスもあり)で離れたスポットを巡る観光もできる。

海沿いには「溶岩なぎさ公園」という、2009年オープンの日本最大級の足湯を備えた公園、海と桜島を眺めながら溶岩の中を歩く約3キロの「溶岩なぎさ遊歩道」がある。遊歩道を少し歩いた。
溶岩と桜島
大正時代の大噴火の溶岩が固まった黒いゴツゴツした岩が一面にあり、独特の雰囲気。「火山島に来た」という気分。

遊歩道を抜け、道路を渡って道の駅へ。
道の駅桜島・火のめぐみ館
桜島ダイコンの漬物や、桜島小みかんという極小粒のミカンのお菓子など、桜島の特産品が並ぶ。農産物販売やレストランもある。(休業日あり)
ここならではのものが、
「小みかんソフトクリーム」
ややシャーベットっぽいシャリっとした食感で、ミカンの味がさわやか。おいしかった!

道の駅は国道224号線「溶岩道路」に面していて、近所には別の店もあった。
道の駅向かいに、平屋の地味な店があった。地元の商店かなと思ったけれど…
ファミリーマート
緑と青の看板でなく、白と茶色の外観。(店舗名はファミリーマート桜島店)
道の駅の先には、
 
ローソンも青じゃなく茶色! しかも後ろには煙を上げる桜島!!(店舗名はローソン桜島店)
左の写真の手前の低い看板と、奥の高い看板では、地色と絵・文字の色が逆になっている。
これは、一帯が国立公園内なので、建物や看板の色や大きさに制限があるため。

道の駅やローソンの裏(手前は道の駅の駐車場)
奥の方に団地のような建物がある。
市営住宅と県営住宅のようだ。フェリーターミナルを挟んで反対側には、まとまった集落もあるようだ。
噴火を続ける火山のすぐそば、国立公園内(かな?)に住むのはどんな気分だろうか。
フェリーに15分乗れば60万都市の中心市街地へ行かれるし、コンビニやAコープもあるから、暮らしにはそれほど困らないのかもしれない。

駐車場の一角にあった木
南国っぽい照葉樹らしき木で、矢印のように、根が地上に露出しているような珍しい姿だったので、何となく撮影した。
帰ってから調べると、クワ科イチジク属の「アコウ」という種かもしれない。たぶん矢印が「気根」で、それを利用して岩場などでも生育できるようだ。合併前の旧桜島町の木で、島内には並木道もあるそうだ。

帰りのフェリー。
10分間隔で運航される時間帯だったが、結構な利用者。車の同乗者が多いのかもしれない(運転者以外は、普通運賃が必要)。
ターミナルには昔の鉄道駅風の改札口があり、そこで運賃を支払う。ICカードで支払う人はごくわずかで、ほとんどが現金払い。お釣りは出してもらえないため、近くに両替機が置いてあった。
次々に乗客が通るため、改札のおばさまは事務的に150円を収受していたが、僕が120円と割引券を渡すと、「まだどうぞお越しになってください」と言ってくれた。
来た時も同じ方だったし、数少ない割引券利用者で、道の駅の袋を持っていたので、観光客だと思ってくれたのだろうが、こういうちょっとした気遣いがうれしい。
本当に、いつかまた訪れたい。

帰りの船は、
第五櫻島丸(行きにすれ違った際に撮影)
行きの船と比べて、小さい。定員488名、乗用車積載34台。
1990年就航で、2番目に古い船。客室部分は狭く、うどん屋もあったが、窮屈そうな店構え。

なお、来年春、新しい船(この航路初の電気推進船)が就航することになっているそうで、おそらくいちばん古い船が更新されるのだろう。そうすれば、この第五櫻島丸がいちばん古くなる。
この便も自動車は満杯
こんなに車の利用があるのだから、10分間隔なのも当然。それが徒歩での利用者の利便にもなっている。
桜島フェリーは1日平均1万5千人もの利用者がいる。
桜島を後に
この船は、後方(=前方)を見晴らすことができ、遠ざかる桜島をずっと見られた。
10分間隔の運航だけに、鹿児島港に入港する頃には、次の船が桜島を出港してくるのが見えた。

鹿児島港に着いてバスを待っていると、桜島が噴煙を上げた。
もくもく
噴出量が多く、風が弱かったのか、ほぼ真上方向で、今回見た中ではいちばん高くまで上がった。
この後、やはり右後方に流れていったが、考えてみれば、大隅半島では降灰を受けているわけで、喜んでいるばかりではいけない。

再び鹿児島市街に戻って、続きます