それは「ハイブリッドシステムを搭載した新型リゾートトレインを導入! 」(http://www.jreast.co.jp/press/2008/20090113.pdf)で、五能線の「リゾートしらかみ」などの観光列車に、新幹線新青森開業と同時期に新車両、しかもハイブリッド車が導入されるというもの。
青森の津軽・大湊線、長野の大糸線にも同じ車両が導入されるが、ここでは五能線について説明する。
五能線の観光快速列車「リゾートしらかみ」は、1997年の秋田新幹線開業に合わせて運行を開始、当初は1本の車両(編成)で1往復だけだったが、2003年と2006年に1本ずつ車両を追加投入し、現在は3編成で3往復が運行されている。追加投入された車両は「ぶな(正しくは漢字)」「くまげら」編成と愛称が付いたので、名無しだった運行当初からの車両は「青池」編成となった。この3編成は設備がほぼ同じなので、定期検査などのスケジュールに合わせて、ローテーションで使用されている。
新車は、その既存の3本のうち1本を置き換えて導入されるそうだ。順番からすると青池編成が置き換えられるだろうが、実はこの“3兄弟”はもとは普通列車用の車両で、リゾートしらかみ用に改造された時期が違うだけで、車両自体の使用年数はほぼ同じ(約30年)。さらに、くまげら編成の真ん中の車両は、当初4両編成だった青池から1両抜いて塗り替えて、くまげらへ転用したという経歴もある。だから、ちょっともったいない気もするし、ひょっとしたら団体用や他の路線などへの転用もあり得るかもしれない(憶測です)。
また新車両は4両編成になるので、既存車と互換性がなくなるため、ダイヤなど運行形態が変わるかもしれない。
【追記】JRのリリースでは触れられていないが、青森での一部報道によれば、ぶな・くまげらとも、現行の3両編成に1両増やして4両にするそうで、既存車との互換性は保たれそうだ。青池を分割・塗装変更してくっ付けるのかもしれない。でも、連結部分の改造が必要だから、どうなるんだろう? 時を待ちましょう。
改造前普通列車用のオリジナルの姿。現在は多くが路線別のカラーに塗り替えられているが、写真は登場時の塗装(国鉄色とか朱5号と呼ばれる)に復元したもの。
改造後(左:ぶな編成、右:青池編成)写っていないくまげら編成はぶな編成とデザインは同じで色が違うだけだが、青池編成はデザイン自体が違っている。
従来同様、運転席後ろの展望スペースやコンパートメント(個室風)車両もあるほか、新たに郷土芸能などの演技スペースとその画像を他の車両に配信・放映するシステムが設置される。現在は、運転席後ろで津軽三味線演奏などが行われ、見物客と展望を楽しむ客が交錯して込み合うことがあるようなので、いい配慮だと思う。
詮索はこのぐらいにして、詳細の発表と導入を楽しみに待ちたい。
改造前扇風機撤去・冷房設置と座席の布地が違うほかはほぼ原型のままの五能線の普通列車車内。
改造後(青池編成)特急用の座席が、特急より広い間隔で配置され、大きな窓から風景が飛び込む。とても上の写真と同じ普通列車を改造したものとは思えないし、指定席料金510円で乗れてしまうのもすごい。
ハイブリッドシステムの列車は、トヨタの「プリウス」をディーゼルエンジンに変えて鉄道用にしたものといった感じ。JR東日本が2007年から小海線の普通列車として世界初の営業運行をしている。現行のリゾートしらかみや男鹿線・五能線などの普通列車車両と比べて、燃費の約10%削減、有害物質の排出を約60%削減、アイドリング・発車時のエンジン音の20~30デシベル低下ができるという。
個人的には、小海線の次の導入も普通列車用で、もしかしたら秋田の男鹿線に・・・などと妄想していたが、同じ秋田でも観光列車に導入されるとは意表を突かれた。
そして、五能線に「従来より定員の多い」「新車」が導入されることにも驚いた。廃止されかねなかったローカル線を観光資源として活性化できた成功例だ。
※タイトルの「ハイブリッドしらかみ」はあくまでもこの記事のタイトルです。車両や列車の愛称等ではありません。
【2月23日追記】NHK秋田のローカルニュースでは、2月23日に報道された。JRのリリースの一部をそのままなぞった内容。民放や新聞報道で目にした視聴者も多いし、リリース全文はネットで見られる。何をいまさらという感じ。
【2010年5月20日追記】その後の関連記事
【2010年9月15日追記】完成後、搬入のようすはこちらとこちら