現在は、最後の乗車や撮影をしようという人たちで賑わっていると聞くが、今週初めは関東地方の大雪のため連日運休し、やっと運行が再開されたところ。
一方、ロシアのソチでは明日まで冬のオリンピックが開催されていて、3月7日からはパラリンピックが開会する。
雪国秋田だけど、秋田出身者で冬のオリンピック・パラリンピックに出場する選手はそう多くない。そんな中、(実感としては)突如、秋田県民がパラリンピックに出場することが発表された。
ノルディック距離女子「シットスキー」の江野麻由子選手で、県立秋田南高校1年。今大会の日本選手の中で最年少。
秋田市役所正面玄関ソチ大会出場者で秋田市に関係するのは、オリンピックの男子スケルトンで22位になった笹原友希選手(秋田市は出身地。現在は長野の株式会社システックス所属)と江野選手の2名だけのようで、秋田市役所前に応援の看板が出ている。
2枚でデザインは同じだけど、笹原選手は「健闘を祈る!」、江野選手は「頑張れ!」と違っている。その違いはいいけれど、名前の角ゴシック体が微妙に違う(太さなど)のはどういうことだろう。出場決定時期は別だから、看板も別々に発注したのだろうけれど、他の部分は同じデザイン・書体にしてあるのに、大事な名前の書体が統一されていないのが惜しい。
さて、江野選手は高校での壮行会や知事などへのあいさつを今週までに済ませ、イタリアでの直前合宿を経てソチへ入り、3月12日と16日が本番とのこと。
昨日の秋田テレビのニュースでは、イタリアへ向けて秋田を出発したことが報道されていた。
てっきり、秋田空港から飛行機、でなければ秋田駅から秋田新幹線で行くのかと思っていたが、映像を見るとそうではない。
なんと「あけぼの」!
じゃあ、A寝台個室でも取って、ゆったり行くのかと思ったら、おそらく普通の(開放式)B寝台で、付き添いもなしで。
車椅子を使わずに(というかあの車両の構造では使えない)段差のある出入口から車内に入り、B寝台の下段に座るシーンが映っていた。(夕方のニュースでは出入口のシーンまでで、車内はカット)
向かいの寝台は空いていて、寝具が置かれていたので、寝台料金不要の「ゴロンとシート」ではなく、正規料金のB寝台。
まず、廃止まで1か月を切ったのに、さほど混雑していなさそうだったのが意外。空席情報では連日「×」かたまに「△」が並んでいるのだけど。
そして、パラリンピックに出場しようとする選手が、寝台特急で旅立つというのも、今の時代としては異例に感じた。(日本を代表して世界へ旅立つ人であり、かつ移動に制約がある体の人であるという2つの意味で)甲子園に行く高校の野球部でさえ、公私立問わず飛行機を使う時代なのに。
秋田テレビホームページより映像では、江野選手が入線するあけぼのの機関車にスマートフォンを向けていた。これを踏まえると、実は彼女は「鉄子さん」で、本人の強い希望で「あけぼの」を選択した可能性はある。高校入学前は大館市にいたそうなので、「あけぼの」になじみがなかったわけではないだろうし。帰国後には「あけぼの」の運行は終わっているため、乗るなら今が最後のチャンスだ。
ブルートレインは古い車両だけに、車椅子の人では車内の移動や居住性に制約が少なくなさそうだが、パラリンピック選手になり、高校では水泳部に所属するくらいの人なら、(乗車時の映像のように)大したことないのかもしれない。(だとしても、若い人、まして女性が一人で開放寝台を使うとすれば、なかなか珍しい)
一般に、遠方の人が成田空港発の国際線に乗る場合、時間の都合で東京や成田で前泊することがあるが、それを嫌って寝台特急を利用する人も少なからずいるという話は聞いていた。夜行列車で睡眠不足だったとしても、機内で補えるし。
たけど、天候が不安定で運休・遅延の可能性が高い時期に、あえて「あけぼの」から国際線へ乗り継ごうというのは、リスキーすぎる選択に思える。
他に何らかの事情があったのかもしれないが、何も「あけぼの」で行かなくても、秋田新幹線で行って東京や成田で一泊してからイタリアへ向かっても誰も文句を言わないだろうに。費用だってそんなに違わないはず。
秋田駅での見送りも、お母さんと秋田テレビだけ(他のマスコミでは報道されていないはず)だったようで、秋田県唯一のパラリンピック選手の旅立ちとしては寂しく思えた(ご本人の希望だったのかもしれないが)。
「はずむ! スポーツ都市宣言」だとか「スポーツ立県」だとか言っている地域、そしてオリンピック・パラリンピック誘致に成功して浮かれている国ならば、もうちょっと大きく送り出しても(そして出迎えも)いいんじゃないでしょうか。(などという、スポーツに興味がない者の意見です)