ところが、秋田駅で買えない関根屋製駅弁があるらしい。「B-1グランプリ」で優勝し、B級グルメとして有名な秋田県内陸南部、横手市の「横手やきそば」の弁当。春に関東地方で行われた駅弁大会で売られていたという情報があるが、秋田駅では見たことがなかった。
なお、同社公式サイトには記載がなかった(というか5月までの限定だった釣りキチ三平弁当がまだ「発売中です!」になっているのが、いかにも秋田の会社らしい…)。
先日の旅行中、大宮駅改札内(いわゆるエキナカ)の「駅弁屋 旨囲門(うまいもん)」という、NRE(日本レストランエンタプライズ=旧日本食堂)の店を覗いた。旨囲門が画期的なのは、毎日、遠隔地の駅弁を輸送して販売していること。首都圏の店舗では、東北・上信越方面の駅弁が置かれている。おそらく早朝の上り新幹線で輸送しているのだろう。秋田駅のものもある。
秋田駅では、NRE自身も駅弁を製造・販売しているが、ライバルである関根屋の製品も首都圏の旨囲門で販売しているのは、融通が利くというか気が利いている。
そして今回、その関根屋の横手焼きそばの駅弁を発見した。
大宮の旨囲門は店員さんが熱心で、売り上げ成績がいいとテレビで紹介されたりしているが、「B級グルメグランプリの焼きそばのお弁当です」とか言って勧めていた。950円で購入。
「駅弁屋の横手焼きそば弁当」左側にナマハゲの絵が描いてあるが、横手とはあまり関係ない。今の関根屋の全商品の包装に描かれている、キャラクターみたいなものだろう。側面には横手のかまくらが描いてあった。
箱が大きいのには仕掛けがある。加熱式なのだ。使用方法は店員さんが説明してくれたし、箱にも書いてある。
ちなみに、ネットで見た、駅弁大会バージョンでは、加熱なしの普通の箱で800円だった。
僕は弁当を温めるのがあまり好きでなく、幼稚園でお弁当を温めてくれたのを泣いて嫌がったほど。しかも加熱式駅弁は、大げさで車内で湯気が上がって恥ずかしいので、ほとんど買ったことがなく、加熱式駅弁を買うのは今回で2回目。
黄色い紐を一気に引くと、生石灰が消石灰に化学変化し、その熱でお弁当が温まる思ったほど湯気は立たなかった。改良されたのか、温度のせいかのか。7分ほどで食べられるとのこと。
関根屋標準の割り箸とおしぼりおしぼりはいい具合に蒸されたが、なぜか2つ入っている。一方、割り箸には爪楊枝が入っていないようだった。昔は入っていたはずだが…
ここで横手焼きそばの特徴を挙げると、
「太くて真っ直ぐな角麺のゆで麺」「挽肉入り、半熟目玉焼きをトッピング、福神漬けを添える」「ウスターソースをアレンジしたやや多めのソース」といった点。
これらがどう駅弁に反映されているか?(僕は1度だけ本場のお店で食べたことはありますが、食べ物の評価に関してはかなり甘いのでご了承ください)
麺、ソース、福神漬けは説明がある開けてみると
挽肉、卵(コンビニ版と同じ黄身が白身で包まれたタイプだが)も大丈夫ソースは別添えなんだ。赤い福神漬けだけでなく、秋田名物
そして、鶏肉をトッピングした「比内地鶏の鶏めし」も入っている。
発熱材の厚さがあるから、量はこの程度ですが味はおいしい(と思う)。でも温かくないとおいしくないだろう。加熱式で正解。意外にもとりめしの味もいい。秋田駅でも買える大館駅「鶏めし(花善)」とは違う傾向のおいしさ。
最近の関根屋さんはいぶりがっこが定番らしい僕としては好きな駅弁だ。コストパフォーマンスをどう見るか、だが…
あと、横手の街や横手やきそば、いぶりがっこに関する解説がなく、知らない人はちょっと変わった焼きそばの駅弁くらいにしか思わないだろう。せっかく大きな箱があるんだから、そこを生かしてもう少し解説を入れてはどうだろうか。
そして、なぜ秋田駅に置いていないのか。(実はひっそりと売られているのかもしれないし、予約すれば買えるかもしれないけど)
横手駅では現在は駅弁を売る業者はないし、売ったとしても採算が取れないのだろうが、横手駅を差し置いて、同県内とはいえ離れた秋田市の秋田駅で「“横手”やきそば」を売ることを遠慮しているのだろうか。
でも、大宮駅で売るんだったら秋田駅で売ったっていいんじゃないだろうか?
【2010年6月15日追記】秋田駅新幹線改札横のコンビニで、この弁当が発売されているのを確認。
なお、横手焼きそばとよく比較されるのが、静岡県の「富士宮やきそば」。実は既に新幹線新富士駅などで駅弁を売る「富陽軒」が、加熱式でご飯などもついた同コンセプトの「富士宮やきそば弁当」を発売している。980円だが海老やホタテが入っているから豪華そう。
http://www.fuyouken.com/img/ekiben/yakisoba.html(
いつか食べてみたい。
※こちらで富士宮やきそばの駅弁を紹介しています。
【追記】そういえば、福神漬を考案したのは、横手の隣、湯沢市出身の了翁道覚禅師(1630-1707)というお坊さん。東京上野のお寺にいた時に考えついたので、秋田発祥ではないが、秋田と縁のある食べ物であり、それが隣町の焼きそばの定番付け合わせになっているのは奇遇だ。こうしたエピソードも駅弁の包装に記載すればおもしろいし、秋田のPRになると思うけれど。
【1月9日追記】包装紙を処分しようと改めて見たら、「ソースを入れてから温める」ように書かれていた。失敗!
また「航空機内ではお召し上がりにならないでください。」とも書かれていた。召し上がらないでっていうか、湯気を立てて加熱しないでってことだろう。というか保安検査に引っかかりそう。
【2012年1月21日追記】いつの間にか関根屋の公式ホームページの駅弁紹介が詳しくなっていた。
それによれば、2012年1月現在も、この横手焼きそばの駅弁は継続発売中。紹介した加熱式の980円(値上がりした?)のものと、普通の箱(電子レンジ対応)の800円のものがある。
どちらも「予約制」となっているが「※東京駅・大宮駅では毎日販売中!」とある。本拠地の秋田駅では予約制だけど、旨囲門には毎日輸送しているということのようだ(こういう販売方法は好きではないのだが)。