秋田駅中央改札口から、ぽぽろーど、大屋根下(秋田駅前大屋根通り)、仲小路と、真西へ350メートルほど進んで、最初の交差点の向かい側左。秋田市中通二丁目2番15号。
2025年11月撮影
古めかしくてどっしりとした4階建てのビル。
2025年12月15日以降、特に名前はなさそう。
12月12日までは「ゆうちょ銀行秋田店」、正式には「ゆうちょ銀行仙台支店秋田出張所」であった。
さらにさかのぼって、郵政民営化でゆうちょ銀行が発足した2007年10月1日からは、「ゆうちょ銀行秋田支店」。いつまでかは不明だが、2014年時点で、すでに秋田店だったようだ。
2003年1月からは「【26日追記・日本郵政公社】郵便貯金秋田センター」。
1984年7月からは「【26日追記・郵政省→郵政事業庁】秋田貯金事務センター」。
その前は「秋田地方貯金局」。
建物は1957(昭和32)年2月9日落成、2月18日から稼働していたらしい。その前は川尻にあったそうだ。
そんな経緯があるので、秋田市に古くから住む高齢者は、ここを指して今なお「貯金局」と呼ぶ人がいる。
ただ、2007年以前は、この建物の中に用がある一般人は皆無だった(建物前小屋のATMは使う人が多かった)。郵便貯金を管轄する役所であって、窓口がなかったから。秋田県内の郵便局で郵貯口座を開設した人(ということだと思う)は、通帳に「原簿所管庁 秋田貯金事務センター」と印字されてはいて、欠かせない存在ではあったのだが。
ところが、2007年の民営化時に、建物内に店舗窓口ができた。
ゆうちょ銀行の店舗(日本郵便=いわゆる郵便局に委託された窓口ではなく、ゆうちょ銀行直営の)は、全国的には郵便局内に併設されたのだが、秋田市と郡山市だけは、独立した店舗となった。したがって、切手購入や簡易保険の手続きなどはできない。
そんなわけで、敷居が高くて、入りづらい店でもあったのだが、秋田駅から至近で手続きができて、便利ではあった。当時は、秋田駅トピコ郵便局はまだなかった(中通一郵便局を移転改称し、2020年3月19日開局)し、秋田駅前郵便局は場所が、よその人には分かりづらいし、市民には主要動線から外れて立ち寄りづらい。
2025年12月、南側から。仲小路をはさんだ隣には、2025年にダイワロイネットホテル秋田駅前がオープン(竿燈大通りのダイワロイネットホテル秋田を移転)
2025年10月31日に「ゆうちょ銀行秋田店の移転について」がプレスリリースされた。文書内では「仙台支店秋田出張所」の表記はなく、「株式会社ゆうちょ銀行秋田店」としている。
12月12日で貯金局時代からの中通での営業を終え、週明け12月15日から、秋田駅東口の秋田拠点センターアルヴェ内に移転して営業。ATMもすべて移転。
アルヴェでは、窓口のある店舗は4階、ATMは4階の店舗内と別に1階にも設置。1階は、既存の金融機関のATMとは別の場所で、きらめき広場に面したテナント1区画。9月末まで金券ショップ「秋田チケット 秋田駅アルヴェ店」があったところ(いわま薬局とまめまめハウスの間)で、ATMコーナーにしては広い【3月5日追記・ATMは1台。他に自由に使って良さそうな、丸テーブルと椅子が2組。】。1階は土曜休日も8時から21時まで稼働。
旧店舗のそばにはファミリーマート秋田ぽぽろーど店が、アルヴェ1階にはファミリーマート秋田アルヴェ店があり、どちらもゆうちょのカード専用ATMが設置されている。ただ、ファミマは、4~5年以内にATMをセブン銀行に置き換えることになっている。
移転直前
ゆうちょ銀行秋田店旧店舗は、自前物件だったのだろう。老朽化や維持コスト削減で移転するにしても、秋田中央郵便局内に移転するようなことも可能だっただろうに、賃料のかかるアルヴェに入居するというのは意外だった。
そもそも、旧店舗にそんなに来店客がいたようには見えなかった。閉店間際のある日、14時過ぎで整理券番号がまだ「8」だった(日の途中でリセットしているのかもしれないが)。
それに、旧店舗から微妙に距離がある(道のりで550メートルほど)アルヴェの、しかも4階に入ったら、さらに人が来ないのではと思えてしまう。
【26日補足・秋田駅東口側のすぐそばに郵便局やゆうちょATM(アルヴェのファミマ以外)はないので、その点では便利になったかもしれない。】
ゆうちょ銀行秋田店の移転は、当ブログのコメント欄で教えていただいた。直前には、秋田魁新報の経済面でそれなりの大きさで報道された。
それでも、移転を知る秋田市民は多くはなさそう。一般的な金融機関と違って取引支店という概念がないし、多少歩くにしても郵便局が複数ある立地なのだから、そんなに困る人はいないだろうけれど。
そうだとしても、ゆうちょ銀行側の移転の告知は少なすぎた。
移転1週間後
ATM前や店舗に上がる階段にはロープが張られ、店舗のガラスにスクリーンが下りているものの、看板はそのままなのに驚いた。営業をやめて1週間経っても、外すなり隠すなりしないなんて。
上の写真で、ATMコーナーの移転告知の張り紙を見ている通行人が写っているが、このほかに何人も足を止めていた。この後、雪が積もったが、足跡がたくさんついていた。多くが移転を知らなかったのだろう。
その移転の張り紙も、小さくて目立たない。店舗側なんて、ロープの先の階段の上のドアにあって、読めない。
しかもその張り紙「新たな場所でお待ちしております。」などと、自分のことばかり。
張り紙とプレスリリース内の新旧店舗を示す地図は同じもので、駅や目印となる店舗がいくつか載っているものの、範囲内にあるトピコ郵便局や駅前郵便局は非掲載。元お役所ならではの縦割り意識か(駅内や分かりにくい場所で目印になりづらくはあるけれど)。
別にゆうちょ銀行秋田店でなくても、駅前郵便局やトピコ局、ファミマのATMで事足りる人も多いはずなのに、それに触れないのが不親切。

屋外のATM小屋には「ATMは店舗内にも2台設置しております」と表示があるが、「2台」を隠している。
2007年の開店時にはたしかに2台あった。1台に減らされたのだろう。
この小屋の中のATMも、昔は2台あったのが、10年以上前だと思うが1台になっている。
ちなみに、1990年代頃には、小屋の中(二重のドアの間)に郵便切手・はがきの自動販売機があった。磁気式プリペイドカード「ふみカード」も使えたはず。秋田では他に秋田中央郵便局にもあったが、民営化頃までに、全国的に廃止された。
ゆうちょ銀行秋田店ではなくなった建物は空き屋になったと思いきや、昼間は3階南側や4階北側に、蛍光灯が灯っている【28日追記・2月28日・土曜日の15時台でも点灯】。2階北側は、移転後は点灯しなくなった。
何をしているのだろう?
実はこの建物には、店舗のほかに、「ゆうちょ銀行秋田地域センター(2007年)」→「ゆうちょ銀行秋田パートナーセンター(2016年4月)」という組織が入っているのだそう。一般顧客ではなく、各地の郵便局社員からの専門的な問い合わせに答える、後方支援のコールセンターみたいなものらしい。
それは引き続き入居するということか? だったら店舗を移転した意味があるのか?
2月24日。ゆうちょ銀行の看板や表示が、ついに撤去された。【26日追記・壁面の縦書き看板は白くしただけで、看板自体は残った。】
撤去はあらかた終わり、最後に残った「ゆうち」
撤去まで2か月もかかった。
ATM小屋の南隣には、郵便ポストがあった。元は同じ組織だったのから当然だし、場所柄、投函する人も多いだろう。そのためか、秋田では珍しい(ポストマップサイトによれば秋田市に8基。近隣では西武前と駅前交番前)、いちばん大型の「郵便差出箱12号」。
張り紙が
なぜか同じ張り紙が左右に1枚ずつ。
「ポスト撤去のお知らせ」
「このポストは都合により、2026年3月上旬に撤去することになりました。」
「日本郵便株式会社 秋田中央郵便局」名義の告知。ゆうちょ銀行と違って、地図に近隣すべての郵便局とポスト所在地を示している。うち3か所は文字でも案内(他はローソン店内と駅前交番前)。
「フォンテ秋田様」「ANAクラウンプラザホテル様(というか西武秋田店、というか両者の真ん中というか)」と、ポストを置かせてもらっている先に「様」を付けているのは、丁寧でいいでしょう。残る1つは「秋田駅前郵便局様」って、身内でしょ!
【27日余談・2月28日で閉店するイオン土崎港店の敷地内のポストにも、同様の張り紙がある。かつては土崎郵便局だったが、今は秋田中央局の集配なので、文章は共通。ただし、地図がなく、文字が大きい。撤去日は「3月3日」と明記し、「都合により」。都合って「店舗閉店により」なのは明白なのに。「今後は最寄りの~」の文章のみで、近隣ポストの案内もなし。なお、新国道向かい側の小路に、秋田土崎港郵便局(土崎郵便局とは別の、いわゆる特定郵便局)がある。】
秋田中央郵便局の管理用の「ポスト番号」は「010309」。
財団法人 郵政弘済会 2000年3月納入。再塗装されているようだ
比較的利用があるであろうポストを撤去するとなると、やはりこの建物自体を廃止や解体するつもりなのだろうか。
【26日追記・ここより西側の広小路~仲小路~中央通りのブロックにはポストが少なく、木内前とローソン中通一丁目店内のみ。オフィスから投函する需要がありそうなのに。ゆうちょATMもないし、中心市街地にしては利便性が悪くなった。】
ところで、秋田地方貯金局についてネットで調べていたら、文化庁「文化遺産オンライン」サイトにたどり着いた。その名の通り、各博物館等が登録した様々な文化財の写真や情報を見られる。
そのサイトに、全部ではなさそうだが一部の貯金局の建物が登録されていて、「秋田地方貯金局(https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/279620)」があった。郵政博物館が登録したようで、写真以外の情報は少ないのだが。でも、その写真が貴重。1979(昭和54)年撮影か?
ブログ冒頭の写真とほぼ同じアングル。現在と建物の形はほぼ同じで、店舗になる前の玄関や1階部分も、あまり違わない。相違点は壁が引っ込んだ4階部分に階段があったり、外壁が淡いピンク色(日新小学校旧校舎みたいな)だったり等。ATM小屋はなさそう(郵便貯金では、CD=現金自動支払機は1980年、ATMは1981年から導入)で、掲示板のようなものがある(今の小屋外壁にもある)。ポストは画角の外かもしれない。
周りの風景としては、電線は地中化されておらず、前の歩道にプラタナスらしき街路樹。公道上でなく、貯金局の敷地内かもしれない位置に交差点の信号柱。歩行者用信号機は、仲小路を横断する南北方向にはない。車両用信号機は、背面板(いわゆるゼブラ板)付きで、秋田市では少数派だったはずの京三製作所製と思しき、角形信号機(もちろん横型電球式)。幼少の頃、この信号機の下を通った可能性は高いが、記憶になかった。
その後、おそらく3回、信号機が交換され、現在はシルバーボディの縦型LED信号機【26日追記・2012年の今頃の時期に設置されていた】。この車両用信号機は、かつては3色が点灯していたが、面する東側の仲小路が、車が通り抜けられない構造になったため、今は青は点灯しない、赤点滅→黄→赤点灯で運用されている。実質、軽車両用。
最近、この青にならない車両用信号機を撤去する工事(その他機器の交換も行われるが、他の信号機は存置)が発注されていた。年度内には施工されることだろう。【26日追記・この後、絶妙なタイミング(25日または26日午前)で施工され、26日午後時点で信号機本体(灯器)は撤去されていた。アームは残る。】
ゆうちょ銀行秋田店とは関係はないと思うが、いろいろ風景が変わることになる。