昨年末にまとめた後、4月より前に、秋田200かナンバーは1400を突破。以下、いずれも中古車。
中型のいすゞエルガミオが3台程度導入。秋田、臨海両営業所にそれぞれに配置。いずれもワンステップのようで、前事業者は非小田急で複数の模様。
大型では、またも元小田急・いすゞエルガ・ノンステップ・臨海営業所配置で、5月下旬頃に14-07、6月初め頃に14-11の2台。
そして6月中旬。

日野レインボーHRの車体が長いタイプ、いわゆる「中型ロング」。ノンステップ。
※ここでいう「中型」とはバスのサイズ区分での「中型バス」のこと。運転免許など道交法上の中型自動車とは関係ありません。
中型バスは、大型バスと比べて車体長が1.5メートルほど、車体幅が20センチほどそれぞれ短いのが基本。
1992年に日産ディーゼルが、中型車の長さだけを大型バスサイズに伸ばした車種を発売したのが、中型ロングの始まり。
サイズとしては「大型バスの狭い版」でもあるが、作りやエンジンなどからすれば「中型バスの長い版」のほうがふさわしい。
他メーカーも追随し、ノンステップ化もされて、バリアフリーに貢献した。特に日野レインボーHRは好んで導入したバス会社も多かったものの、2010年に製造終了。現在は中型ロングは発売されていない。
日産ディーゼルでは、ホームページなどでこのサイズのことを大型でも中型でもない「普通型」と称していたが、浸透しなかったようだ。
中型ロング(中型長尺)が一般的な呼称のようだが、愛好家や一部バス会社内部ではその細長い外見から「もやし」「うなぎ」と通称されることも多いそうだ。「ダックスフンド(ト)」に例えることもあるようだけど、もやし・うなぎのほうが短くて言いやすいのか、使用例は多い。見かけや現場の取り扱いは賛否分かれるようで、特に「もやし」と呼ぶ時は否定的なニュアンス(安いとか非力とか)を含むこともありそう。

デザインにもより、大型車でも似たもんだろうけど、タイヤ間が長いのか中ドアが後ろ寄りにあるのか距離があるように見え、さらに後輪より後ろが長い。
この時期のこの車種は、運転席側の非常口が車両中ほどにあるのが特徴。乗降用の中ドアよりは若干後ろに位置するようだ。
2018年にはロングでない普通の中型のレインボーHR、13-26が入っており、導入時にロングと勘違いしてしまった。

レインボーのロングは、製造が終わって時が経ち、首都圏の事業者では廃車が進んでいる。例によって、それが中古車として地方に流れ始め、増えている。
秋田中央交通では2017年に都営バス中古が12-50として導入されていたが、国際教養大学方面ほぼ専用車両であるため、秋田市街地では乗ることができなかった。
14-13は、中央交通2台目のレインボーロング。
臨海営業所の配置で、おそらく大型車と共通の運用(新屋、割山、新国道方面メイン)になっているようだ。
秋田市と中型ロングのつながりで見れば、今回が初めてではない。
上記、日産ディーゼルが中型ロング車を本格的に新発売した時、真っ先に買った(その前に試験的に導入した事業者ある)のが、秋田市交通局(秋田市営バス)だった。※関連記事
1度・5台だけに終わってしまったが秋田市営バスの先進性を物語る導入事例であった。その車は、中央交通へ譲渡されたが、2011年頃までには廃車されていた。
秋田市では、市営バス時代から中型バスが多く使用されており、大型車でなく中型の長いだけでも、それなりの輸送力増強にはなるということなんだろうか。
新車で買えば、大型よりも中型ロングのほうが安かったそうだけど、中古ではそんなに違うもんだろうか。中央交通以外の他の中古導入社も同じことだけど、普通の中型あるいは大型でなく、あえて中型ロングを選んだ理由はあるのだろうか。
インターネット上の情報によれば、14-13の前所有者は東武系列とのこと。

東武の社内では、中型ロングのことを「うなぎ」と呼んでいるらしいが、廃車が進み残りわずか。
この車は、東武バスウエスト川越営業事務所に配置され、今年1月末頃に廃車された「9773」号車だった可能性が高そう。
東武の9773号車は、愛好家が貸し切り運行したことがあり、行き先表示のLEDにウナギのイラストが表示されたそうだ。
東武のHRでは、正面の車椅子マークは、向かって右側だけに左向きで表示されている。
14-13では右向きなので、塗装変更時に張り替えたのか。中ドア右のバス協会のNBAステッカーも、東武時代とは違っている。
ドアの出口・入口表示は、英字と進入禁止アイコン入り。
これまでの例では、中古車に秋田で塗装した場合は英字がなく、茨城の仲介業者・助川車体工業で塗装してから来た場合はベビーカーマークもあった。となると、山形の庄内交通系列の仲介業者辺り経由かな?
山形経由で来た13-26は、アイコンはないが英字があり、車椅子も同じ。でも正面ガラス下の塗り分けが違う。
ところで、東武の川越では「9772」号車という同型車(同時導入ではないのか、ナンバープレートは飛んでいる)があったそうで、2017年2月頃に廃車。
その後、2018年秋頃に弘南バスが購入し(しばらく東武塗装のままで置いておかれて)、今春から弘前市内で走っているとのこと【8日補足・イレギュラーで土手町循環100円バスに入ったこともあったそうだ。】。西武中古のエルガとともに、弘前市内で2台だけの大型車のようだ。
さて、秋田の臨海営業所では、このひと月ほどで大型・中型ロングが3台転属したことになる。
臨海の大型も世代交代が進んでおり、古いものは少ない。

兵庫県の淡路交通の中古だというツーステップ(だけど「低床バス」と昔は表示があった)・ワンロマ仕様(座席が茶色い格子柄、天井の蛍光灯が円形、客席窓に日除けスクリーン付き【1日補足・座席裏側=後席側の金属板が無塗装なのか銀色なのも珍しかった】)がそれなりの台数あり、それも徐々に減っていた。6月初めの段階では上の231はまだ走っていた。ほかの車の消息は知らないけれど、今回の3台で、それら淡路交通中古=最後のLVキュービックの置き換えということか。【追記】7月11日時点で231は営業運転していた。9月6日でも。その後、2020年春頃までに廃車。
あとは日野ブルーリボンのワンステップが1台といすゞと三菱のノンステップが12台くらい?
新屋方面の路線が移管された時は、市営バスから譲渡された20台と、淡路交通中古などが臨海の大型車の陣容だったと記憶する。
その後、新国道方面も臨海が担当することになった一方、減便もあった。そもそも中型車だけでも回せないわけでもない。秋田のバスにはどのくらい大型車や中型ロングが必要なんだろう。
※この後、7月20日過ぎに、都営バス中古のレインボーHRロング14-23が導入。秋田営業所に配置され、同経歴同型の12-50と同じく、国際教養大学方面で運用されているとのこと。
※7月末には、小田急中古と思われるいすゞエルガ14-19が臨海営業所に導入。
※8月中頃には、東武中古らしきレインボーHRロング14-28が臨海に。
9月30日に14-28に乗車できた。やはり長く、心理的にはいすゞエルガよりも長く感じられる構造。前輪上の座席が撤去され、そこは手すりもなくて立ちづらいなど、無駄なスペースがあり、後部から前へ出て降りるにもやや遠そうで、あんまり意味がないようにも感じてしまった。【11月6日追記・その後、空いている状態で乗ったら、また違う感想。1人掛けと横向きながらノンステップ部分の座席数が多く着席機会が多いのと、いすゞの大型バスよりもノンステップ部分が広い(長い)ようにも感じて、悪くないと思った。】
一方、走行音は静かで、エルガよりも快適にも感じた。日野特有のシフトレバーを動かした時のプツー、プツーという音も、あまりしないようになっていた。
座席はノンステップ部ドア側がロングシート(うち中ドア寄りが優先席)、運転席側が前向き1人掛け。左折警告音あり(京成系中古と同じ音のようで、先に来ていたいすゞ大型の東武中古とは違う?)。降車合図ボタンを押した時のチャイムは、昔懐かしい、玄関チャイムみたいなアコースティックなもの。
座席の柄からして、おそらく譲受時の張り替えはなし。運賃箱は小田原の幅が広いタイプ、運賃表示機は7セグメントLEDと、廃車発生品か? バケツなど車載清掃用具は新品。
【11月6日補足】立ち客用のポール(パイプ)は、茶色いラバー風の1世代前のもの。譲受時にタイヤ上の座席を撤去した後には、その時に新設されたと思われるオレンジ色が使われている。
2020年10月2日、遅ればせながらやっと14-13に乗車。座席の布は14-28と同じ青系。ノンステップ部は、ドア側は前向き1人掛け(布がピンク系)3席。運転席側は前方が長め(詰めれば5~6人分?)のロングシート。その後ろに1人掛けが1つ。さらに後ろで1段高くなるが、その段ギリギリに脚の短い2人掛け席があり、そこに座った人は足をノンステップ部に置くという、段差を巧みに利用(?)した作り。
※2020年の新型コロナウイルス流行により、国際教養大路線が運休。都営中古のレインボーロング2台が、秋田市街地を走るようになった。