「木内」はかつては秋田市の一大商業施設であった百貨店。建物はそのまま、売り場を縮小して衣料品店となって、堅実というかかたくなにというか、営業を続けていた。しかし、新型コロナウイルス感染症が流行した2020年3月頃から「当面の間 臨時休業」で、シャッターを下ろしたまま。
広小路の歩道にはアーケードがあった(堀沿いは除く)が、2013年に老朽化と商店街の維持管理の負担を理由に撤去されている(当時の記事)。しかし、木内付近100メートルだけは、2022年時点でもアーケードが残っている。
東側から、秋田キャッスルホテル(のテナント部)、木内、スクランブル交差点の市道をはさんで木内の駐車場(の横というか脇)の部分。
撤去されなかった理由は、当時の報道によれば、木内の前は木内自身が管轄しているため。キャッスル前はエスカレーターと一体化していて解体できないため(=ここは商店街管轄と受け取れる書きかただった)。晩年のアーケードは、商店街管轄部分の柱がドギツイ赤色に塗り替えられていたが、木内前だけは緑色だったのも、管轄が違ったためだろう。ただ、キャッスル前もホテルの建物と合わせたベージュ色だったから、もしかしたらそこはキャッスル管轄だったのだろうか。
先週初め辺りは何も変化なかったと思う。ところが11日までに…

広いアーケードの点字ブロックから車道側がコーンで封鎖され、民地側のわずかな幅が通路として開放されていた。
進んで木内本体の前は、

木内の前には、バス停「木内前」がある。
かつては木内の中に定期券発売所もあり、買い物帰りの人が大勢待って乗っていた。今でも、それなりに乗車客はいる。アーケードがあるから日差しや雨を避けて待つことができるし。
大昔は知らないが、ここ数十年は、木内の前だけでなくキャッスルホテル前にもかけて、木内前バス停(ポールと点字ブロック)が分散設置されていた。2013年までは秋田中央交通が0番~3番と秋田空港リムジンバス、さらに羽後交通と、6か所。
しかし、秋田県議会議員が、分散していて分かりづらいと提案した(この記事参照)のを受けて、同様だった隣の千秋公園入口バス停とともに、2013年10月15日から集約された。木内の前に1番(羽後交通も同じ位置に)、キャッスルとの境目にリムジンバス、キャッスル前に2番(秋田市中心市街地循環バスも)と、3か所。
木内の前は、車線本線上にバスが停車するが、キャッスル前(リムジンを含む)は歩道が切り欠かれたバスベイ状になっている。また、切り欠きが続く東側にはタクシー待機・乗り場がある。
それが今は、

バス停部分も閉鎖。
近くの路線図には、


リムジン乗り場はそのままに、先日まで2番があった場所に1番を移し、2番はタクシー乗り場付近に移動されていた。タクシーが待っていた部分にはコーン。
したがって、タクシー乗り場がなくなった形だが、特に案内はなし。ホテルの正面側へ行けばいるでしょう。【タクシー乗り場はその後再設置。末尾の追記参照】
羽後交通の乗り場は、1番といっしょでなく、なぜか2番へ動かされた↓

キャッスル区間のアーケードでは、歩行者部分に封鎖された場所はないが、木内区間と同じコーン(バーはなし)が等間隔に置かれていて、意味不明。

そんなわけで、「木内前」は木内の前からなくなっているので、「木内前」からバスに乗るかたはご注意を。

それにしてもこうなっている理由は? 現地に説明は見当たらない。【末尾の追記の通り、後に看板が設置された。】
先週末、今週末(来週日曜)と、広小路を車両通行止めにするイベントがあるが、それとは関係ないでしょう。【13日理由を追記・今回のような形のバス停移動を行うのなら、キャッスルホテルやタクシー会社に話を通す必要があるだろうし、さらに警察や道路管理者(県)との調整も必要かもしれない。直接関係ないイベントのために、そこまでするとは考えにくい。】
封鎖されている部分を見上げると、

壊れそうとか何か落ちてきそうとか、安全面だろうか。
老朽化を理由に撤去された部分と同じ年数経っているわけだし、その時点ではバス停付近が雨漏りしていた。※キャッスル部分は、エスカレーター設置時などに改修されている可能性がある。
開放されている部分を通っても、ホントに大丈夫なの? ちょっと心配だし、遠くない将来、いずれはなんとかしないといけないだろう。
【14日追記】14日に行ってみると、上記、初回アップ時からさらに変化。
・タクシー乗り場のコーンの一部が撤去されていて、以前の位置でタクシーが客待ち再開。
・アーケードの閉鎖されていない通路部分に、点字ブロックを仮設。通路は狭いので、幅のほとんどをブロックが占める。
アーケード大部分の封鎖が、ある程度長期化することがうかがえる。
【19日追記・画像追加】車両通行止めイベント後の19日に行ってみると、区間両端に新たな看板が設置されていた。

「(株)木内」と「秋田地域振興局 建設部」と、アーケードの管理者と道路の管理者の連名。※何度も述べるが、後者は秋田県庁の出先機関であり「秋田県 秋田地域振興局」と表記しなければいけない決まりになっているそうだが、守られていない。
電話番号は木内は代表電話、県は保全・環境課 道路保全班の直通。
具体的なことは何も分からないが、やはりアーケード自体の問題が原因のようだ。
【30日追記】その後、9月28日朝時点では、封鎖は変わらないが、仮設点字ブロックがはがされて、隅に寄せられていた。
9月30日午後には、封鎖が解除されて全幅が開放されていた。バス停も元に戻っていた。意外に短期間で元に戻ったようだ。詳細はこちら。