
今日3日から6日まで、東北三大夏祭りである、秋田市の「竿燈(かんとう)まつり」が始まった。
予報では、4日間とも雨の心配はなく、最低気温22度・最高気温31度前後の夏らしい天気になりそう。
(秋田はもっと涼しいと思って来られる観光客が多いみたいだが、これが秋田の夏の気候です。一方、実際に来た方から「東京に比べれば(特に夜)涼しい」という感想も聞くが、秋田人にとってはこれでもツライのです)
竿燈まつりは、明かりを灯したちょうちんをたくさんつけた「竿燈」(大人用で46個。高さ12メートル、重さ50キロ)をお囃子に合わせて掲げて五穀豊穣を願うとともに、さらには手のひら、肩、額、腰などで支えて、その技を競う。ルーツは青森のねぶたなどと同じく、七夕の疫病除けの行事とされている。
現在の(イベントとしての)竿燈まつりでは、各町内や企業・学校などから200本を越える竿燈が、中心部の竿燈大通りに集結して一斉に上げる。無数のちょうちんが重なる様は「光の稲穂」と形容される。
誤解されているのか、「竿燈が練り歩く」という表現がよくされるのだが、祭りの最中には移動しないので、適切ではない。竿燈は留まって演技する。
なお、演技場所を変えるために歩いて移動することはあるが、その際は竿燈を一度下げ、お囃子は別のメロディに変わる。
ちなみに、竿燈についての最古の記録(1789年)によれば、江戸時代の「竿燈の原型(今と同じ形ではないようだ)」の行事では本当に練り歩いていたらしい。(まつり公式サイト「竿燈まつりについて」より)
では、竿燈初日の様子です。今年は72団体から255本の竿燈が出た(=「出竿・しゅっかん」と言う)。
夕方に会場近くを通ったところ、観光バスで来たツアー客がぞろぞろ歩くいつもの光景だったし、関東地方など東北以外の地域のナンバープレートの自家用車もけっこう見かけた。
例年、初日はいちばん人出が少ないので、まあこんなもんかなという気もするが、有料観覧席には若干空席が目立った。例年の初日と比べて極端に少ないというわけではないが、やや少ない印象がしなくもない。
これも例年通りだが、大通り南側の中ほど(「料亭志田屋」近辺)は、歩道が広い上に人が少ないので、ゆったりと見物できるのでおすすめ。会場両端から入らず、裏道を通って途中から会場に入れば、ほとんど混雑に遭遇しないで済む。どこかの福祉施設だろうか、車椅子のお年寄り数人もここに見に来ていた。
歩道の外側は通路なので立ち止まらないこと。通路部分では右側通行を守るように心がけましょう。
先日、JRの置き竿燈を紹介した時、今年は震災復興のメッセージをちょうちんに入れる団体が多いことに触れたが、実際、多くの団体がそうだった。(JR東日本秋田支社のは置き竿燈と同じものだった)
今朝の秋田魁新報の1面コラム「北斗星」によれば、ある町内からの申し出がきっかけで、元締めの竿燈会が各団体のマークや決まった文字以外入れてはいけないという原則を破ってメッセージを入れることを快諾したという。
魁によれば、これは「英断」だそうで、「「がんばろう東北」のちょうちんを下げた大若が約60本上がる。」そうだが、実際には団体によって文面が違った(JRでは「がんばろう“東日本”だったし)。
【5日追記】4日23時02分更新の秋田魁新報サイトによれば「「がんばろう東北」の文字入りちょうちんは出竿255本うち、2割を超す57本。」とのこと。


秋田銀行「がんばろう東北」/秋田県庁「ニッポンの笑顔/秋田から!」


イオンの地域子会社・マックスバリュ東北(本町五丁目のスポンサー)「がんばろう東北」。イオングループの店頭やチラシにある「がんばろう東北」ロゴ(「北」の1画目が赤色)をそのままちょうちんにしたようで、イオン本体(イオンリテール)がスポンサーの町内でも同様の模様。
NTTドコモ(共和町のスポンサー)ドコモダケと「がんばろう東北」。ドコモダケの代わりに赤丸にdocomoロゴのちょうちんの竿燈もあった。

牛島は、町紋が楷書で黒文字の「牛」で、「がんばろう東北」もよく似た書体なので、埋没してしまってせっかくのメッセージが分かりづらい。

東北やその周辺の畜産業が置かれてしまった状況を考えると、その通りだ。




例年、初日はあまり“無理をしない”演技をする団体が多いというが、今年は初日からハッスルしていたところが多いような気がした。

明日からは、技を競う「妙技会」が昼間に行われる。明日の予想最高気温は32度と暑くなりそう。
【4日追記】報道・実行委員会の公式発表によれば、初日は昨年比4万人減の26万人の人出だったとのこと。
まつり全体では、5万人減の130万人を見込んでいる。(この手の人出ってあまりアテにならない数字だと思うのだが・・・)