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羽後本荘駅舎

秋田県由利本荘市JR東日本羽越本線由利高原鉄道鳥海山ろく線羽後本荘駅の駅舎建て替え工事が本格化し、5月15日【14日訂正】6月15日から仮駅舎での営業になる。
(再掲)現在の駅舎
現駅舎は、乗客が立ち入れるのは1階のみ。改札口も1階だが、ホームに面してはおらず、どのホームへも必ず橋を渡らないといけない(新屋駅のような配置)。自由通路の類はなく、市街地の西側にしか出られない。
構造としては典型的【15日追記・改札口がホームに面していないことは例外】な“地方都市の国鉄設計の駅舎”ではあるが、建物のデザインとしては新しいそうな感じもしていた。
Wikipediaに記載はなかったが、JR東日本秋田支社による6月16日開催の「羽後本荘エキまつり 2019」の告知に「1981(昭和56)年から利用されている現在の駅舎」とあった。38年前。ちなみに、その16日は現駅舎はもう使われていないことになるが、イベント中は内部に入ることができる。

ということは、僕が生まれて初めて鉄道に乗って、羽後本荘駅に降り立ったのが1981年夏(関連記事)。駅舎が1981年何月に供用開始されたのかは知らないが、できたばかりだったのかもしれない。
生まれて初めて「降りた」駅舎がなくなると思えば、少し寂しい。生まれて初めて乗った駅である、秋田駅舎は既に新しくなったので。

以下、秋田支社のリリースと13日付秋田魁新報県央地域面より。
仮駅舎が建つのは、現駅舎の南隣(外から見て右隣)、交番との間の駐車場だった部分。出入り口は46.5メートル南へ移動。
各ホームへの跨線橋は、従来と同じものを使うが、階段は北側にしかないので、仮駅舎改札口からは遠回りになる。

仮駅舎は2階建てで、乗客用は1階のみ。延べ床面積622平方メートル。
従来と同じく、自動改札機、自動券売機(近距離用)、みどりの窓口を設置。待合室は20席ほど少なくなる。
魁の写真によれば以前の弘前駅の仮駅舎のようなプレハブ。

数が少なく物足りないですが、間もなく役目を終える駅舎の写真をいくつか。撮影は2019年1月と3月。
ロータリー・タクシー乗り場に面した鳥海山の看板
「山と川と海 旅、ふるさとJR のある街」「ふるさとJR」の辺りがよく分からないキャッチフレーズ。

大きなごてんまりがぶら下がる改札口前・コンコース
線路に向かって左がJR、右(写真の外の右側)が由利高原鉄道の改札口。改札内では区分されておらず、改札口だけが別。昔の弘前駅もそうだった。
【14日補足】由利高原鉄道は1985年に国鉄矢島線を3セク化したもの。駅舎建設時点では、改札口は1つだったことになる。弘前駅は当時の駅舎建設以前から別会社だった。羽後本荘弘前では経緯は違うことになるが、どちらにしても改札内を違う鉄道会社で共用することは、昔は特に地方ではおおらかだったのだろう。
【14日補足】改札を入ると、右へ曲がって階段登り口。左側や正面(線路側)は、壁や窓などで覆われていて、雨や雪は入らない造りだったはず。


びゅうプラザは2015年9月で閉店したが、みどりの窓口は存続。指定席券売機がまだないのが意外だけど、新駅舎では設置されるでしょう。
国鉄の趣を残す表示

コンコースをはさんで、みどりの窓口の向かい側(改札に向かって右側)が待合室。
待合室は今どきの駅と比べるとかなり広い。大館駅と同じくらいで、リニューアル前(狭かった時代)の秋田駅の倍以上はあろう。国鉄ならではの余裕なのか、当時はそれくらい利用者が多かったのか。
ただ、今も、時間帯によっては座る人が多く、この時も撮影を遠慮したので写真がありません。
定番の地元名産品の展示ケースもあった(2つ下の写真奥に写っています)。
待合室の右奥に、床の色が違うちょっとしたスペース
今は由利高原鉄道の宣伝スペースになっているが、2018年6月まではキオスクがあった。昔は知らないが、末期は客用の通路があって、商品を手に取ってレジへ持っていく、コンビニ風スタイル。右奥には外から直接出入りできるドア。
レジの整列位置表示が残っている


駅舎の玄関(?)前
出入り口のドアの上には「ようこそ ごてんまりと本荘追分 水辺のまち 由利本荘」とのJRと市による横断幕。
横に長いのが原則の国鉄時代の駅舎では、その外側は人の通路になっているのが一般的。ここでもそうだが、風雪対策か出入り口部分にガラスや壁(写真左・自販機の背後)があったり、規模にしては幅が広いのが特徴的。比較的新しい設計だからか。
上の写真の赤いコーンが立っている部分からも、みどりの窓口に直接出入りできる。その向こうがトイレ。その付近に、駅長名のこんな看板。
「ここは、歩廊です。」
フォントは、道路の案内標識でおなじみながら、デジタル化されず影が薄くなった写研の丸ゴシック体「ナール」。
この部分は「歩廊」という名前なのかと納得しかけたが、本来はプラットホームのことを歩廊と呼ぶようだ。※後日関連記事
同じ構造の他の駅では、バイクはまだしも自転車で通り抜ける人はいそう。羽後本荘の場合、この先(南側)は実質行き止まりなので、駅利用者以外でここを通り抜けようとする人は多くないはず。


新しい橋上駅舎と自由通路は、2021年春頃完成の予定。
当初は2020年10月供用を目指していたが、旧駅舎にアスベスト石綿)が使われていることが判明し、除去の分遅れる(+1億4000万円増)とのこと。

【16日追記】仮駅舎の改札口は、外から見て左が由利高原鉄道、JRの自動改札機をはさんで右がJR有人通路と、従来と左右が逆転したとのこと。
2020年3月の状況