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うなろーるの正体

2025年は7月19日が土用の丑の日(1回目)。最近は、便乗したお菓子系食品を見るようになった。
スーパーのインストアベーカリーでウナギ型のパンがあったり、モンテールではウナギに見立てたエクレアを出したり。
昨年以前からあったそうだが、秋田のイオンで、こんなものを買った。お盆まで日持ちし、31日に二の丑を控えているというのに、20日時点で値引きされていた【23日追記・店舗によっては値引きシールでなく、販売価格自体を値下げして対応】。
うなろーる 1個133kcal
包装表面では「うなろ~る」表記だが、裏面やホームページ等は「うなろーる」。
あわしま堂の商品。愛媛第一工場製。ホームページでは、出荷エリアは「中四国、九州、関東」としている。
中がよく見えない。「和菓子」扱いで、「柚子風味小豆こしあん」「うなぎは使用しておりません。」とある。

中身は…

カステラ生地に巻かれたこしあんを、ウナギに見立てたわけか。
っていうか、これって、愛媛銘菓のタルトじゃん!

あわしま堂では、普段は「タルト(小豆こしあん)」という商品があるのだが、それと同一だと思われる。栄養成分は一致。大きさや味も同じに感じた。商品名と包装だけ変えて、土用商品に仕立てたことになる。店頭に通常仕様のタルトはなかった。

僕はタルトは好きで、あわしま堂のタルトも好き。本場のメーカーだからか、手軽に本格的なタルトを楽しむことができる。
だけど、この売り方はちょっと。タルトであることを隠して、ウナギにこじつけて売っている、とは言い過ぎでしょうか。

ホームページによれば、あわしま堂の2025年の土用商品は、本品と土用餅の他に、粒あんどら焼き「うなどら」、餅とこしあんを黒糖生地で包んだ「うなやき」、円形で中央に縦線が入った2枚入り「うなサブレ」が、いずれも関東エリアで販売された。秋田の店ではどれもなかった。
この3点は、どれも「うなぎエキスパウダー入り」だそう。タルトには入っていないから、ほんとにお手軽な土用商品化。



ところで、あわしま堂の商品が秋田で流通するようになったのは、いつからか。30年前(1990年代後半)はなかったはず。20年前でもどうだったか?
沿革によれば、2009年名古屋支店開設、2011年東京支店開設と、東への進出は最近のこと。


また、僕が愛媛のタルトを知ったのはいつか。
これは、1993年度だったはず。
なお、初めて食べたのは、どこかからもらったのか、スーパーの物産展的なもので買ったのか、1990年代後半だっただろうか。

NHK教育テレビ(現・Eテレ)の小学校3年生・社会科の番組内で、「タルトQ」というクイズ企画が実施された回(1回だけ)があった。1991年から1993年放送のフジテレビ「カルトQ」のパロディー。
正解すると「和菓子のタルト(1切れ)をもらえる」ルールで、実物も映った。「和菓子のタルト」という表現をしていて、愛媛のお菓子であることの言及はなかったと思う。

「洋菓子じゃないタルトってのがあるんだ」と知り、見た目から想像できず「どんな味なのか」と思ったような記憶がある。全国各地の学校で見ていた児童も、先生も、そう思った人もいただろう。
番組は、チョーさんの「たんけんぼくのまち」だとばかり思っていた。今、Wikipediaで調べたら、そうではなく、1992年度に始まった後継の「このまちだいすき」の2年度目に、「銚子タルトQ」として放送されたとのこと。各話のサブタイトルも掲載されているのだが、どの回で放送されたかは分からない。

舞台は千葉県銚子市で、パロディーのためだけに、タルトを使ったことになる。じゃあ、洋菓子のタルトでも良かったのでは。
「銚子タルトQ」では、「クイズ世界はSHOWbyショーバイ!!」「クイズダービー」「クイズヒントでピント」のパロディーもあったそうだ。当時は、今よりも民放テレビ局が少ない地域もあったわけで、パロディーの元を知らない児童・教員もいただろう。そもそもカルトQは、小3が視聴する時間帯の放送ではないが、これは先生受けを狙ったという説。ちょっと遊び過ぎな感じもしなくないが、見てみたい。


2021年8月14日の記事で、三陸銘菓かもめの玉子を知ったのは、1989年=平成元年だったことを記した。
流通や情報伝達の改善により、平成以降もしくはバブル以降、各地の特産品が広く知られるようになっていたということもあるのかもしれない。