秋田地方気象台では、15日の初雪に続いて、18日に初霜と初氷を観測。初霜は平年より7日、昨年より1日遅く、初氷は同じく1日と9日遅いとのこと。
今年は気温の差が激しいせいか、寒いと感じることは今のところ少ないような気がするけれど、そろそろ冬用コート、暖房機器、スタッドレスタイヤの準備はしておかないと間に合わなくなってしまう。

太平山の積雪は多くはないようで、山肌がうっすらと雪化粧していた。
秋田市の晩秋から初冬の光景の1つに「大根干し」がある。といっても、僕は実物を見たことはほとんどなかった。
秋田市の南東部、雄物川右岸の後背湿地を開拓して農地となった「仁井田(にいだ)」地区。現在は宅地化も進んでいるが、今でも農家は多く、米と秋田蕗と“仁井田大根”の産地。
仁井田をうろついていると、

農家のお宅の垣根などにちょっと干しているのは何度か見たことがあったが、このように木を組んで本格的に干しているは初めて見たので感動。
このように1か月ほど乾燥させてから、たくあんなどの漬物(秋田弁で「がっこ」=雅香の転)にする。できたがっこは身内での消費が多く、市場にはあまり出回らないようだ。
珍しいので勝手に観察させてもらった。

水分が抜けて縮んでいるはずだが、長くて真っ白で、現在普及している「青首大根」とは違うように見える。
(2つ上の写真で、左端に1列で干されているものは、上の方が緑でやや短いので青首系かもしれない)
京野菜、加賀野菜などのように、各地域で代々受け継がれてきた伝統的な野菜の品種である「在来種」というのがある。ダイコンは古くから日本人に親しまれてきた野菜だけに、数多くの在来種がある。桜島、聖護院、練馬などが有名だが、実は東北地方にも多くの在来ダイコンがあり、その1つが仁井田地区で栽培されているダイコンで、品種名はずばり「秋田」らしい。
秋田県農業試験場では、「秋田」を親とする「秋田いぶりこまち」という品種を作出し、2006年に品種登録しているそうだが、知らなかった。弘前の在来トウガラシ「清水森ナンバ」のように、ブランド化して宣伝すればいいと思うけど、秋田ってほんとに宣伝が下手。
仁井田地区については、後日、詳しく取り上げるつもりです。※続きはこちら
中心部へ来て、おなじみ二丁目橋。

那波家の水汲み場のケヤキのチリチリの枯れ葉も、少しずつ落ちてはいるが、しぶとく木にくっついている葉もまだまだある。

千秋公園のケヤキはほとんど葉が落ち、冬の装いになりつつある。
広小路沿いの外堀。
そして、昨年も取り上げた、大手門の堀の枯れたハスの撤去作業が、今年も行われている。

現在は、県立美術館側の半分ほどの作業が終わり、広小路側は手付かず。念入りに作業し、しかも広範囲なので、だいぶ時間がかかるようだ。


16日の朝日新聞秋田版によれば、撤去作業は「10月下旬から、今月末か12月上旬までの予定」。
また、従来は刈り取ったものはすべて処分していたが、今年は「障害者施設を運営する市内のNPO法人から「ハスの葉をマフラーの染料として使ったり、茎の繊維でつくった糸でコースターを編んだりしたい」といった申し出」があり、秋田市が快諾して「試験的に少量を提供した」とのこと。
千秋公園のハスを見て「レンコン採れねべか…」と妄想(?)する方がたまにいるが、このハスは食べられるようなレンコンにはならないと思う。(ソメイヨシノからサクランボが採れないのと同じことで)
ちなみに弘前市役所では「弘前公園のハスのレンコンを名物として売ったら?」という市民からの提案に対して、「観賞用の花蓮であるため、レンコンは細くて食用には適さないものです。とても名物として販売できるものではありません。」(「私のアイデアポスト」平成23年6月17日回答)との見解を示している。
だから、枯れたハスも捨てて当然と考えていたが、資源というか材料として活用する道があったとは、思いもしなかった。本格化したとしても大量に使うわけではないだろうが、ユニークな試みだと思う。
片付いて水面がきれいに見えるお堀はすっきりしていいものだが、今しか見られない枯れたハスが茂るお堀も、晩秋・初冬らしい独特の雰囲気があって捨てがたい。


奥の美術館の紅葉した木々や、茶色く紅葉(?)したメタセコイアが彩りを添える。

※ハスの片付けの続きはこちら(記事末尾)
今度はそのメタセコイアに注目。

針葉樹なのに秋に一斉に紅葉・落葉するメタセコイア(アケボノスギ)は「生きている化石」と呼ばれる。秋田県立美術館一帯に何本も植えられている。

さて、昨日、愛称が決まったことをお伝えした、中通一丁目「エリアなかいち」の再開発。

どの建物も工事が進み、背が高くなってきた。

上の写真は、かつて日本生命秋田ビル(河合楽器の店)があった角。
アーケードがなくなったのは寂しいが、それよりも、東側に立ちはだかるように高い建物ができているのに驚いた。手前が「にぎわい交流館AU」なわけだが、なんか圧迫感があるような…
※上の2つの場所の着工前の様子はこちらの記事などで
そして、広小路のアーケード。久々に通ったら、変化があった。

分かりますか?
キャッスルホテル前に注目。
参考に、以前の同じ場所(撮影位置は異なります)

そう、今までは赤色だった柱が、キャッスルホテルの前だけベージュ色というか肌色に塗り替えられていた!(白かった屋根の一部も同色に塗り変えられた)
1月前に通った時は気づかなかったので、最近のことだろう。
キャッスルホテルの建物と同じ色なので、アーケードとの一体感は感じる。

ただ、キャッスルホテルの隣の木内前のアーケードは、赤に塗り替える前の緑の柱が残るので、赤・緑・ベージュの柱が混在するなんとも統一感のない光景。

それよりも何よりも、広小路のアーケードは、すべて撤去されることになっていたはず。最近、柱などを残し、照明や装飾を設置することに方針が変わったそうだが、いずれにしてもアーケードの屋根はなくなってしまうものと思っていた。
しかし、キャッスルホテル前では、柱だけでなく屋根も塗り替えているので、これはアーケードを残す意向であると考えるのが自然。
おそらく、商店会ではなくキャッスルホテル側が塗り替え工事費と今後の維持費を負担するのだろう。そうだとすれば、ここにはバス停やタクシー乗り場があるので、屋根が残るのはありがたい。(バス停は隣の木内前にもかかっているが、そっちはどうなるか?)
でも、方針が二転三転し、統一感がなく、秋田市中心市街地がこんな状態でいいのかなという気がしてしまう。
※再開発についての続きはこちら
※水汲み場のケヤキや千秋公園についての続きはこちら
※アーケードのその後についてはこちら