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バスに番号表示!

おそらく今日、更新されたのだと思うが、秋田中央交通の公式サイトを見て驚いた。
10月から、同社の路線バスの行き先表示に、系統番号を表示するという。
「平成23年10月1日(土)より、電光式(LED)方向幕に『系統番号』を付番します。」として、案内と路線と番号の対応表がPDFファイルでアップされている。

同社によればポイントは3点あり、抜粋・要約すると、
1.秋田市内の各系統(起終点・経由別)それぞれに系統番号を割り当て
2.系統番号は3ケタで、上り下りとも同じ
3.系統番号の百の位で、大まかな方面が分かる
としている。

昨年5月に秋田市が実施した社会実験を踏まえ、「秋田市公共交通政策ビジョン」を実現すべく、重い腰を上げた(?)のだろう。思ったより早く実現したものだ。
旧河辺町・雄和町和田駅国際教養大学間の路線、土日のみ運行の四ツ小屋駅イオンモール間の路線をはじめ、秋田市内は走るものの秋田駅前へ乗り入れない路線や、秋田市内から潟上市五城目町へ行く路線にも付番されるものの、五城目や男鹿など秋田市外完結の路線では実施されないようだ。
【26日追記】秋田市内西部地区のローカル路線「豊浜ふれあい号」各系統には付番されていないが、これは秋田市が運行主体で、同社の子会社・秋田中央トランスポートに運行を委託している路線だから。外見上は本体と同じ緑色のバスだから、知らない人にはなぜ番号がないのか、分からないかもしれない。
西部以外のローカル路線は他のタクシー会社などに委託しているが、当然付番されない。


補足や疑問点を挙げながら、細かく見てみる。
案内には、「全系統に付番します。※行き先表示が電光式(LED)の車両のみ『系統番号』が付番されています。」とある。
(上記の通り、秋田市内を走る路線だけが対象なので、厳密には「秋田市内の全系統に」とするべきだろう)
つまり、昔からある、幕式(フイルムに印字した)行き先表示では、番号を表示しないということのようだ(交換費用がかかるからね)。
全系統に付けると言っておきながら、その直後のコメ印でLED式だけに付ける(=全車両ではない)と言っていて、サービス面では矛盾というか筋が通ってないような気がしてしまう。

とはいえ、同社の路線バスは、現在は9割方LED式の行き先表示機が設置されている。
かなり古い大型バスの一群が、今年度初め頃に突如としてLED式に交換されたのは、これを見越してのことだったのだろう。

とすると、現在、LEDでなく幕式のままのバスはどうなるのだろう。
例えばこのバス
まずは、上記の古い大型バスの中でまだLEDに交換されていない、ごく一部の車両と秋田市外の五城目営業所所属で秋田市内に来る中型バスの一部。
これからLEDに交換するのか、あるいは系統表示を必要としない秋田市外の路線や何らかの他用途に転用するか、あるいは廃車するかのどれかだろうか。

あとは、小型バスの全車両。路線が限定されているため、幕式のままなのだと考えられる。
つまり、現状のままでは、小型バス限定の路線では、系統番号が表示されないとも考えられる。

これを踏まえて、系統名と系統番号の対応表を見てみる。※見間違い、見落としがあるかもしれません。
すると、小型バスしか走らない築地経由の路線や泉山王環状線にも番号が振られている。(全系統と言っているのだから、ある意味当然)
ということは、番号だけ付けておいて実際には当面は番号なしで運行するのか、10月までに小型車にもLEDを設置するか、どちらかなのだろう。



昨年の社会実験では、「11-1」などと、「路線2ケタ-系統1ケタ」の付番(系統が1つしかない場合は、2ケタの路線番号のみ)だったが、それとは変わって単純な3ケタとしたようだ。
例えば、五城目線は「100」、追分線天王グリーンランド発着(秋田西高校経由せず)は「101」、同秋田西高校経由は「102」…という感じ。

細かな付番についてはちょっと置いておいて、百の位で方面が分かるというのは、
100番台:土崎・追分・臨海方面
200番台:神田・添川・泉方面
300番台:手形・太平・仁別方面
400番台:駅東・桜ガ丘・御所野(秋田駅東口発着)方面
500~600番台:牛島・仁井田・御所野(秋田駅西口発着)方面
700番台:川尻・新屋方面
としている。
でも、この分け方って、大雑把であまり役に立たないと思う。
「100番台」には、秋田駅西口発着の新国道経由、県庁・寺内経由、通町経由などが含まれており、「同じ方面」といっても微妙に経由や行き先が異なり、乗り間違えたら某週刊紙記者さんのようなことになってしまう。
神田線、添川線、泉ハイタウン線(旧 泉秋操線)が同じ「200番台」というのも、ちと苦しい。
あまり細かく分けても、意味がないだろうけれど、百の位だけ見て適当に見当をつけてバスに乗ってしまうのは、止めたほうがいいだろう。


では、路線ごとにいくつか見てみる。
同じ路線内(もしくは同一視できる路線)では、十の位が統一されているようだ。
例えば、新屋線では、オーソドックスな大町経由西部市民サービスセンター発着が「710」、新屋高校まで行くのが「711」、大森山公園まで行くのが「712」、卸町(有楽町・柳原)経由が「713」、別路線扱いだが、センター-新屋高校の区間便が続き番号の「714」になっている。
715~719は欠番で、十の位が繰り上がった720番からは新屋西線系統に割り当てている。

県外他都市の系統番号の割り当てルールや利用者としての感覚を、僕は知らないので何ともいえないが、こんなものかという感想で、別に良いとも悪いとも思わない。
一部地域では、漢字やアルファベットを使って区分しているようだが、それだと、外国人や子ども・高齢者には分からない場合があり得る。その点では、数字だけにしたのは正しいと思う。
でも、間違えて覚えたり伝えてしまったら、怖いな。


また、牛島や大学病院方面などでよくある、「秋田駅西口発着」と「西口経由車庫発着」が両方存在する路線では、それぞれに別の番号が振られている。しかも県庁経由と長崎屋経由で別。細分化しすぎて、ちょっと分かりづらいかも。
ということは、見方を変えれば、秋田駅西口-大川反車庫(秋田営業所)間では、本来の路線名「中央交通線(という路線名)」としては、県庁経由「140」、南大通り・県庁経由「141」、長崎屋経由「142」と3つしか系統がないことになっているが、実際には300、310、330、340、370、371等々、他路線から乗り入れる膨大な番号が存在することになる。
秋田駅前から県庁へ行こうとする人などには、番号での説明がしづらくなりそうだ。(結局今までどおり「1番か2番乗り場で、『県庁』と表示のあるバス」と説明した方が分かってもらえそう)


路線の区分方法は、以前からのものをそのまま使っているようだ。そのため、多数の路線が運行されているエリアでは、番号が飛び飛びになってわかりづらいような気がする。
初めてのことなので苦労もあったのだろうが、もうほんの少し体系立てても良かったような気もしなくはない。
例えば、山王二丁目から自衛隊入口までは、新国道経由の全路線が利用できる。
秋田駅西口発着の場合、100~119、134の系統。134だけ飛んでいるのは、「将軍野線」の1つの新国道経由。
120番代や134以外の130番代は、県庁・寺内、通町、将軍野などを経由するので、微妙に新国道経由とは異なる。間違えないように注意が必要だ。

牛島(商店街の旧道)経由では、500~530、550~572が割り当たっているが、間の540、541は柳原・国道13号線経由南高校・御野場発着なので、通らない。旧道経由の間に混ざっているのでこれも旧道経由と思われてしまうかもしれない。



いろいろ重箱の隅をつついてしまったけれど、秋田の地理・バス路線網を知らない人には、親切なシステムだと思う。
そのためには、まずは、沿線の各施設・企業や市民に、このシステムのことをよく周知し、案内手段として戸惑うことなく利用できるようにしてほしい。
(具体的には、各施設のホームページやパンフレットなどに「秋田駅西口から999番○○経由××行き **バス停下車」などと掲載してもらえるように周知する)
当然、バス停や路線図には、「○○経由××行き:999番」などと表示されるのでしょうね?

そして、昨年の社会実験の時も書いたけれど、文字(地名)の情報のこと。
秋田では、「飲み会があるから」、「車が車検だから」といった時だけ、バスに乗るという人が多く、自宅や勤め先を通る路線名や行き先表示を知らない人も少なくない。

そんな人に、いきなり「422」と言っても分からないわけで、「明田・横森・桜・桜ガ丘経由 大平台三丁目行き」という情報も必要。
僕だって、市内の路線網はそれなりに把握しているが、すべての番号を覚えられるわけがない(し、必要もないと思う)。
川尻割山線であれば、「700」「701」というより、「船場町経由」「商業高校経由」という情報があればいい(秋田市の地理を把握し、日本語が分かる人なら)。
 
10月からどうなるのかは分からないが、数字が入る分、文字スペースが減ってしまうはずだが、経由地や行き先も的確に表示してほしい。
【27日追記】あと、以前も書いたけれど、秋田営業所(大川反車庫)を示す単なる「車庫」という表記(「県庁・八橋・車庫」等)もこの際改めてほしい。方面が同じ、臨海営業所と紛らわしいから(臨海営業所は「臨海(営)」と表示されている)。
※実施された様子はこちら